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ショタパパ ミハエルくん  作者: 京衛武百十
第四幕
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親自身が受け止めるべきこと

僕としては、我慢できないのなら別に我慢できないでもいいんだ。だけど自分がそうやって我慢もしないのなら、他者に我慢や努力を強いるのは筋違いだと理解すればいいだけで。


逆に、他者に我慢や努力を強いるのなら、自分も歩きスマホやながらスマホくらい我慢しなければおかしいし、それを我慢する程度の努力をするべきだというだけなんだよ。


アオだって、普段はとてもだらしなかったりするからね。メイクもほとんどしない。身嗜みも整えない。自分だけしか食べない時にはインスタントかレトルトばかり。確かに<母親>としてはだらしないことこの上ないかもしれない。


けれどアオは、その分、他者に我慢や努力を強いたりしないからね。それぞれ好きにすればいいと思ってるだけで。




とにかく、椿(つばき)の無事が確保されれば、後は人間に任せよう。


彼女が無事に学校に着いたことも確認し、僕は家に戻った。


「おかえり」


悠里(ユーリ)安和(アンナ)が出迎えてくれて、アオはもう眠ってるのも確かめる。


「じゃあ、そろそろ寝ようか?」


ざっとシャワーを浴びた後、そう言って、三人でアオが寝ているベッドに向かう。


悠里と安和はそれぞれアオの隣に寝て、僕は安和の隣に横になる。悠里がそれを望むなら彼の隣に寝るけど、今は別にそれを必要としてないからね。逆に安和はそれを望んでる。


その望みに応えたい。


そして、家族と一緒に安らいだ気分の中で、眠りにつく。


僕達にはこの時間が必要だし、だからこそこの時間を作れる家族でいようと思う。


椿の成長も実感できた。あの事故の時、椿は年少の子供達を守ろうと動いてくれた。彼女は確かに非力かもしれないけれど、自動車相手には無力かもしれないけれど、自分より弱い者を守ろうという意思は尊い。


そんな彼女でいてくれている事実が嬉しい。


あの運転手のように、運転中はスマホの操作を控えるという程度の我慢さえできずに自ら不幸を招くような人間ではないことが誇らしい。


心得ておくことだ。あの運転手のような振る舞いをするのは、自身をこの世界に送り出した<親>を貶める行為だという事実を。


自分の子供に、


<運転中はスマホを操作しないという我慢>


さえ教えることができなかった親だという評価を与えるのだということを。


自身の親を敬うなら、それを貶めるような振る舞いは避けるべきだね。


自身の親を貶めるような振る舞いをやめられないということは、その人間にとって親は、その程度の存在ということだ。


この事実は、親自身が受け止めるべきことだよ。



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