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ショタパパ ミハエルくん  作者: 京衛武百十
第一幕
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レビューサイト

「いってらっしゃ~い♡」


日が傾き出した頃、フィールドワーク用の服に着替えてホテルを出ていくセルゲイと悠里(ユーリ)を、安和(あんな)は、ミハエルと一緒に見送った。


セルゲイとの時間を満喫したことで、素直に二人が昆虫の生態調査に出るのを見送れた。


彼がちゃんと自分を見てくれていることを実感できたからだろう。


そんな安和をミハエルがあたたかい表情で見守る。


「どうする? 今からショッピングに行く?」


問い掛けるミハエルに、安和は、


「う~ん、今はいいかな。それよりもママに会いたい」


とのことだった。


「分かった」


応えたミハエルと共にホテルの部屋に戻り、またタブレットでビデオ通話を行う。


「安和!」


画面には、また椿(つばき)が大きく映った。姉の姿を見られて嬉しそうだ。


けれど、今度は椿一人しかいない。ジャカルタとの時差は二時間。日本ではもうすっかり夜なので、(あきら)達はすでに自宅に帰っていた。


と、


「安和~♡」


甘えるような声を上げながら画面に入ってきたのはアオだった。


「ママ、お仕事は?」


問い掛ける安和に、アオは、


「終わったよ~♡ 今回のはOkだった。ブイ!」


Vサインを出しながら笑顔で応える。改めて出した原稿が無事通ったということだった。筆が速いアオは、いくつかの原稿を同時進行で書くことが多い。だからその一つがボツにされても次をすぐに用意できた。


とは言え、それがまたボツになることも少なくない。ただ今回はOKが出たそうなので、機嫌が良かった。これからそれを基に仕上げていくことになるのだけれど、今のところは一安心ということだった。


「よかったね、ママ♡」


安和もホッとした様子で応えた。それから、


「さっきね、可愛いイルカのブローチ見付けたんだ! だからお土産に買って送るね♡」


とも。セルゲイと一緒にホテル内のショップを回った時に見付けたアクセサリーのことだった。


実際にお金を出すことになるのは安和自身だけど。


あそこでセルゲイにねだらないのが安和だった。実は可愛い小物のレビューサイトを運営して、それで月に数千円から一万円程度とはいえ、収入を得ていたりもする。


だからお小遣いには少しばかり余裕があるのだ。で、今回のアクセサリーについても改めて買って、アオに送る前にそれでレビューを書く予定にしている。


それから改めて自分で綺麗にラッピングして、アオに送るのだ。


レビューサイト内では、十二歳の女子中学生としてレビューを書いていて、小学生から高校生くらいまで女の子に人気だったりする。


なお、そこでは、後姿だけだけれども彼女の写真をエイジング加工し、中学生くらいの見た目にして、載せていたりもしたのだった。



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