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ショタパパ ミハエルくん  作者: 京衛武百十
第四幕
463/697

あなたのは親は、そうしてくれてたの?

つくづく人間というのは、


『自分だけは甘やかされたい。優遇されたい』


と考えがちな生き物だというのがすごくよく分かる。だってそうだよね? 親ですら、自身が現実と向き合っていない事実を突き付けると言い訳並べて許してもらおうとするし。


『子供に承諾をもらってこの世に送り出したわけじゃない』


『子供を養育するのは、子供を身勝手にこの世に送り出したという自らの行いを贖っているだけ』


『本当に自分一人の力だけでこの世界で生きるなんてことは人間にはまずできない』


『自分も働いているなら<誰かからお金をもらっている立場>だし、働いていないなら<誰かに養われている立場>』


『自分より弱い相手には尊大に振る舞えるけど、強い相手には逆らえない』


『自分の過ちには寛容で、他者の過ちには辛辣』


『自身の選択がもたらした結果が望まないものだからといって自分は被害者だと考えるのは筋違い』


こんな風に言われただけで感情を昂らせ猛烈に攻撃しようとしてくるよね? 図星だから。


『自分が大事』なのは分かるんだよ。それを責めたいわけじゃない。ただ、それを突かれたくないのなら、どうして他者の些細な失敗を、自分が被害を受けたわけでもない過ちを、そこまで責め立てられるの?


自分だけが特別扱いしてもらえる。自分だけは他者をどんなに責めても許される。自分だけは誰かから責められることはない。なんて、筋が通らないよ?


『客や視聴者のおかげで生きられてるんだろ』とか『養われてる分際で何様だ』とか言って、自分も<お金をもらっている立場>だったり<養われている立場>だったりすることについては見て見ぬふりするのが許されるべきと思ってるのなら、それが<甘え>でなくてなんなの?


『客や視聴者のおかげで生きられてるんだろ』と言うのなら、自分も同じ理由で罵られて当然じゃないの? なのに、それを理由に罵られたら<クレーマー>と相手を非難するの?


それをなぜ『おかしい』と思わないの?


それとも、普段の仕事で上司や顧客から責め立てられてるから、その鬱憤を、<反撃できない相手>にぶつけることで晴らしてるの?


卑怯だね。間違いなく卑怯な振る舞いだよ。


そんな卑怯な自分自身から目を逸らすことが<甘え>でないなら、なんだって言うの?


僕は、悠里(ユーリ)安和(アンナ)椿(つばき)にそれを理解してもらう努力をしている。面と向かって誰かを罵るのは避けるように諭してきてる。代わりに、不平不満があれば僕が聞くようにしてるだけなんだ。


あなたの親は、そうしてくれてたの?


してなかったのなら、僕やアオにはできてることをしてなかったっていうことだよね?



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