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ショタパパ ミハエルくん  作者: 京衛武百十
第四幕
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自分達が非力であることを逆手にとって

人間というのは本当に不可解な生き物だ。自分達が非力であることを逆手にとってとにかく強力な道具や武器を作り出すことに腐心する。


その中で、吸血鬼やダンピールの動きを封じる道具も作り出したらしい。ただそれはあくまで、不意を突くことが成功するのが大前提だけどね。だから油断させたり侮らせたりという、使い手の欺瞞行為も含んでのものだそうだ。


あの<ヴァチカンの調査員>は、相手を油断させることは巧そうだったな。セルゲイはそれを警戒していたんだろう。そんなセルゲイの姿を見ることで、悠里(ユーリ)安和(アンナ)も、


<油断してはいけない相手>


というものを学ぶ。


これも大事なことなんだ。


その点、吸血鬼ハンターをしているダンピールは、エンディミオンを見ていても分かるけど、孤立しがちだ。元々の能力が高いから他者の助けなんてなくても生きていけるし強くもなれるけど、孤立しているからこそ学べないこともある。


そこを突かれたんだろうな。


人間の意に沿わない<吸血鬼ハンター>は、排除される。いくら吸血鬼を倒してくれるとはいっても、それはあくまで人間の都合の範囲内でのことだ。今回の吸血鬼ハンターは、人間と敵対する行動を取ったか、あるいは、人間に協力している吸血鬼を狙ったか。


「怖いね……」


僕と一緒にメッセージを見たアオが呟いた。


「うん。でも、ヴァチカンも今はこちらが問題を起こさない限り不干渉だから。拘束されたダンピールは、相当、不興を買ったんだろうね」


「なるほど……」


そう納得してくれる。とにかく、


『露骨に対立しないこと』


これが一番の肝だ。人間は、冷戦時代にも、挑発的な振る舞いはお互いにしながらも、細かい衝突は繰り返しながらも、最後の一線は踏み越えなかった。だから全面衝突にはならなかった。もし人間が全面衝突に踏み切ってたら、僕達吸血鬼はそれこそ身を潜めて、人間達の争いが収まるのを待ったと思う。


少々の放射線くらいじゃ僕達は死なないし。


人間同士が争って数を減らしても、僕達には大した問題じゃないし。


でも、もし、それでアオに連なる人間が亡くなってたら彼女に出逢うこともなかったと思うと、全面衝突を回避してくれたことには、感謝したいな。


「アオ……愛してる……」


僕は彼女に顔を寄せて、そう口にした。


「私もだよ、ミハエル……」


彼女も応えてくれる。こんな風にできることが、何より幸せだ。日本に、アオの下に帰ってきたんだなと、すごく実感する。やっぱりここが一番安心するし心が落ち着く。



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