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ショタパパ ミハエルくん  作者: 京衛武百十
第四幕
452/697

誰かを罵ることをやめる努力をしたくない

お風呂では、恒例の洗いっこ。


アオ、安和(アンナ)、僕、椿(つばき)悠里(ユーリ)で円になって背中を洗う。そして反転してまた背中を洗う。もちろん後で改めて自分で全身を洗うけど、これだけでも楽しいからね。


そうしてお風呂から上がると、アオは仕事を始めて、僕は椿の勉強を見て、悠里は観察した生き物の情報を整理して、安和は自分のHPの管理をして。


いつもの様子になる。


半年間、距離そのものは遠く離れていても、ビデオ通話とかでほとんど毎日、顔を合わせて話をしていたからね。あまり離れてた実感がないんだ。


そういう意味では、ネットの発達はすごく助かってるよ。


ただ、同時に、人間の<悪意>もネットは掘り起こしてしまっているのは事実だと思う。普段から他者を平然と罵れるタイプだった人間の声がとても遠くまで届くようになったり、面と向かっては礼儀正しいように振る舞っていた人間も顔が見えなくなった途端に悪罵を並べ立てるようになったりしたからね。


だけど、元から悪意を外に出してるタイプはとにかく、上辺を取り繕いながら裏では、というタイプが炙り出されたのは、もしかするといいことなのかもね。親しくなる前に相手の本性を知ることができる可能性が増えたとも言えるだろうから。


他者を平然と傷付けられるタイプを信用できる人間は多くないよね? そして他者を平然と傷付けられるタイプがどういうタイプの人間となら付き合えるかも、分かりやすく見られるようになったよね? 確かめられるようになったよね? 


他者を平然と傷付けられるタイプは、結局、同じように他者を平然と傷付けられるタイプの人間となら親しくなりやすいんだと、見ていれば分かると思う。


そんな他の人間達の振る舞いを見て自分がどうするべきかを考えられるならそれでいいし、


『みんながやってるから自分も』


と考える人間はやっぱり同じようなタイプの人間と集まるようになるだけだよね。


アオとさくらが親しくなったのも、当然だと思う。


そして僕がアオを愛せてる理由も、分かるんじゃないかな。


加えて自分が他者から信頼されなかったり愛されなかったりする理由もね。


それでもなお、


『みんなやってるのに自分だけ誰かを攻撃しないなんて不公平だ!』


と言って誰かを攻撃することをやめないなら、幸せを掴むことは諦めた方がいいと思うよ。


『類は友を呼ぶ』


からさ。そして、


『誰かを罵ることをやめる努力をしたくない』


なら、<努力>というものを語るのもやめた方がいいと思う。何の説得力もないから。



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