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ショタパパ ミハエルくん  作者: 京衛武百十
第二幕
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洸の日常 その13

A子の家庭が崩壊したことについては、(あきら)には何の責任もない。


けれど、洸自身はA子の娘が突然転校していったことについては心を痛めていた。


自分と仲良くしてくれた人の一人だったから……




ウェアウルフとしての正体もバレていないのに、ただ、


<内面的にも思い遣り溢れた超絶イケメン>


だったというだけでこの騒ぎ。


けれどこの経験が、洸に人間との関係の難しさを教えてくれる結果となり、彼は、人間とは近付きすぎないように適度に距離を保つことを身に付けていった。


それが就職してからも役に立っているということだ。


おかげで、基本的には平穏を保つことができている。


普通に仕事をこなし、営業成績は、女性人気(一部の男性も含む)は高いものの自ら積極的に営業を掛けない消極的な部分が影響して、上の下どまりだったりもする。


それでも、収入としては実家で暮らすなら生活費と借家(大家は蒼井霧雨)の家賃を負担しても結構な貯金を残せる程度はあるので、問題はなかった。


高校・大学時代にも何度も芸能事務所にスカウトされたり、読者モデルとして出版社に誘われたりしたのでそういう道に進めばそれこそトップアイドルやトップモデルの道もあったかもしれないけれど、洸はそういうことにはまるで興味がなかった。


むしろ、A子の件がトラウマになり、


「たくさんの人に注目されるのは苦手かな……」


と言うまでになった。


さりとて、人間を嫌ったり憎んだりというのはないので、大きなトラブルには至っていない。


これも、さくらやアオやミハエル、そして今はエンディミオンもが彼を受け止めて、嫌なこと辛いことがあったら家庭内で癒してくれているからのことだろう。そのストレス発散が他人に向かえば、ウェアウルフなのだから、それこそ危険度は人間の比ではない。


洸がその気になれば歴史に残るような凄惨な大事件でも引き起こすことができてしまうに違いない。


もっとも、そこに至る前にミハエルやエンディミオンが放っておかないが。


さしものウェアウルフも吸血鬼とダンピールが相手では分が悪いがゆえに。


しかも、ウェアウルフもミハエル達吸血鬼と同じで基本的には人間と敵対しないことを選んでいるので、人間相手に事件を起こすなら、吸血鬼のネットワークとも連携しているそちらも黙っていないと思われる。


最悪、『闇から闇』ということさえないとは言えない。


けれど、少なくとも今の洸ならその心配もないと言えた。


家族にあたたかく受け止めてもらえている洸なら……



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