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ショタパパ ミハエルくん  作者: 京衛武百十
第二幕
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ゴチになりま~す!

「もちろん夕食、食べていくよね」


みなでたくさんたくさんいろんなことを話して時間は過ぎ、そろそろ夕食の用意を始める頃合いになり、ミハエルが尋ねた。


「あ、ゴチになりま~す!」


「いつもすいません」


「いただきます」


恵莉花(えりか)秋生(あきお)(あきら)がそれぞれ応える。


これもいつものことだった。


「んじゃ、用意しますか」


「うん」


安和(アンナ)悠里(ユーリ)が立ち上がり、


「は~い」


椿(つばき)も少し名残惜しそうにしながらも洸の膝から降りる。


食材は恵莉花達が持ってきていた。今日は大人数なのでカレーだ。


ミハエル達が夕食の用意を始めると、恵莉花と秋生と洸がテーブルの上を片付け始める。


そうしてテーブルの上を片付けると、秋生がそれを拭き、恵莉花と洸はいわゆる<コロコロ>でカーペットの掃除も始める。食事の用意をするところなので掃除機は使わない。


それぞれが自然と動き、手馴れたものだった。こういうところからもほぼ家族同然の関係だと分かる。


けれどそうして家事をこなしながらも、


「自分の好みに合わない漫画やアニメや小説にケチつけるのってさ、結局、自分の好みってか価値観のが価値が高いって思いたいっていうのもある気がするよね~」


「それも真理だと思うわ~。とにかく『自分の価値を盛りたい!』って欲求なんだろね」


安和と恵莉花がそんな話をして、


「自分が好きなのを『好きだ~!』って言ってるだけならいいんだけど、それで他人が好きなアニメとかを貶したりとか、酷いのになったら自分が気に入らないアニメとかを好きだっていう人をバカにしたりっていうのヤだよね」


椿もいつものように夕食作りの手伝いをしながら参加する。


「椿もやっぱりそういうのあるんだ?」


秋生が尋ねると、


「あるよ~。学校でもさ。それで言い合いしてる子もいるもん。それでさ、私が好きなアニメとかバカにされてたらイヤ~な気分になるし。


もしママの小説がアニメとかなったら、またバカにする子がいるって思うとウツだよ~」


悲しそうに応えた。


「アオさんの作品ってアンチも多いって言うしね。アニメとかなったらその出来とか関係無しで叩くのもいそう」


と、秋生。


「いるね。間違いなく」


と、恵莉花。


「私はもうその辺、割り切ってるけど、椿を悲しませる奴は許せない」


と、安和。


安和は続けて、


「好き勝手叩いてる奴って、自分が他人を傷付けてるっていう自覚ないでしょ。


そのクセ、自分が批判されると被害者面だもん。ホントふざけてる」


とも。


こうやって同じような話題でも、何度でも何度でも話し合う。家族の間でガス抜きをする。他人には向けない。


おかげで自分からトラブルを作らずに済んでるのだった。



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