表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鋼明かりのセレナーデ  作者: 上昇気流
プロローグ
1/8

始まりの夜更け

初めましてこれから投稿していこうと思うんでよろしくお願いしまーす。


 ーーーカツカツカツ

  

   

   「前代帝王が崩御 元大将軍 リュウオウ タツヤ様が新帝王に就任」


 極悪非道の前帝王ニシノの有り余る悪行に見かねたリュウオウ様は立ちあがり、遂に全国民の悲願を達成した。一介の下賤の民に過ぎない我々は国民の為に全てを尽くしてくださるリュウオウ様に最大限の敬意を払う。


 ーーーカツカツカツ



   「レジスタンス軍が首都奪還に躍起」


 前帝王の崩御を受け、混乱の定か首都を奪還しようと愚かなレジスタンス軍が抵抗を続けている。卑怯な行いを続ける反乱軍は前帝王以上の国賊であるだろう。


 ーーーカツカツカツ



   【求人】国のために働く喜びを 帝国軍団に入団すれば税は免除されます

   【広告】リュウオウ様が愚かなニシノを討つまでの奇跡の物語 金曜より特別放送

   【依頼】反乱軍構成員¥1000万 構成員関係者・協力者¥500万 生死問わず

   【求人】トイレ清掃 月の出ている夜に 但し鏡は掃除の必要なし やる気ある方


 ーーーカツカツカツ



月明かりの中リュウオウの顔は愉悦に歪んでいた。

憂鬱と思っていた帝王執務室までの階段も今となれば花道である。

媚びへつらうメディアも、反乱軍も、夢にまで見た覇権からすれば些細な話だった。


 ーーーカツカツカツ


前帝王は、仕えていた頃から彼は疎ましく思っていた。

「俺の方が向いているのに帝王であることを鼻にかけやがって」と、

この国、いや、この世界において強者は絶対。彼は帝王を除けるために己を鍛え始めた。そして遂に今日の様な満月の夜にニシノを破った。今までは「無粋将軍」として官邸内で忌み嫌われていたリュウオウもその夜からは変わった。男は媚びへつらい、女は誘惑し、皆彼に取り入るのに必死だった。


 ーーーカツカツカツ


逆に、力をつけたばかりのリュウオウを撃破しようとする不埒者も現れた。

ただそんな猛者たちも足蹴にできるほどに、進化した【帝王ノ劔】の力は強大だった。


 ーーーカツカツカツ...ガコッ ギィ


長い執務室までの道のりを歩き、厳重な扉を押し開け急いだ様子で中に身を滑り込ませる。

想い人に会いに行く少年の様にワクワクした様子で出窓へと向かう。

官邸の窓を開け放ち、眼下に広がる『東ノ宮(ひがしのみや)』の景観を眺めた。

人の目を盗み都の景色を眺めるのも毎晩の日課の様になった今でも、首都の美しい輝きを見ていると、いつも興奮から身震いした。


欠けることのない月を見上げながらふと前帝王の最後の言葉を思い出す。


ーーー『帝王になったものは、皆わしのように自分を全能かのように信じ込み、自らの身を破滅へと導いた。最後の最後までそのことに気がつかずにな。わしが言い得ることではないがお前も気をつけろ、リュウオウ。』


リュウオウはすぐさま忌み嫌んだ老害の顔を振り払う。何か不穏なものを感じた。


だが、彼は再び東ノ宮(ひがしのみや)を眺めているうちにそんなことは忘れた。

彼は全てを手に入れた。力も、権力も、金も、女も。全てを。それが結果で、それが全て。


少なくてもリュウオウ自身はそう信じて止まなかった。

不定期更新としておくけれど、できれば週5くらいはできれば最初の方は書こうかと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ