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○ム

 さて、今回はちょっといい雰囲気の二人です。お付きあいしたことのある方なら分かると思いますが、いわゆるああいうムードの時でございます。


「ねぇー、いいじゃん……そろそろさぁ。久しぶりだよね? こういうのってさ」

「ああ、そうだな。そういえばそうなるな」


 お泊まりデートで、夜も更けてきました。さてここで問題です。男女がひとつ屋根の下である程度の時間を過ごしたとしましょう。どんな気持ちになりますか?

 あれ? もしかして答えさせるつもり? 野暮ですねー、あなたという人は。もしくはむっつりっていうやつでしょうか? まったくもう。


 きらりんはすでに身に付けているものを全て脱いでいますが、一応布団で隠してます。そしてべるちーもまた、着ていたものを全て脱ぎ捨ててしまっています。


「……んっ」


 ちゅっ、ときらりんのおでこにキスをするべるちー。この男は無気力のくせにいったいぜんたいどうしたというのでしょう。やはり……男、なんでしょうね。我慢できないものは我慢できません。男の子ですから。


「待って」

「どうして?」

「まだ準備ができてないでしょ。ほら、あれ。ちゃんと……やって」

「わかった」


 いきなりきらりんの胸元に顔を寄せたせいで軽く平手打ちをくらう彼氏。天然なのかわざとなのか、その無表情さからは上手く読み取れそうにありませんでした。


「ほらぁ、あれだよ。する前には必ず……ね? 今回がはじめてじゃないよね。だからわかってるはずだよ」


 するとべるちーは肩を竦めました。やれやれまたこのパターンか、ときらりんはため息を吐きました。長く、長く、そして深いため息です。



「ゴ○くらい用意しとけよッ!! 私が用意するのこれでもう何度目になるんだよ?!」



 せっかくその気になっていたのに、すっかり萎えてしまったきらりんはそのまま煙草に火を点けました。なんだかもう、なにもかもどうでも良くなってしまったのです。


「俺は無駄なものは持たない主義だ」

「やかましいッ!!」


 ゴツン、ときらりんが彼氏のほっぺたを殴った音が部屋に響きました。



~続く~

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