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本が好きであると誰かに伝えなくてもいいなと思うようになってきた。

作者: 安孫子太郎

自分は本が好きである。読書が何よりも楽しみである。

このように、自分がいかに本を愛しているかについて述べたり、話したりしてきたが、どうもそれをすることが馬鹿らしくなってきた。


別に、好きなら黙ってこっそり読んでいればいいし、それを誰かに話したところで、そうなんですねと、軽く流されて終わりであるからだ。

本が好きな仲間が欲しく、そう言ってきたのだが、別に、探さなくてもいいかなと思ってきた。

なにより、本を読むという行為は、一人で完結するものであるし、そこに他人を介入させる必要がないからだ。

他者との共同作業であったり、チームプレイ的な要素を含んでいるのなら、是非とも、同胞を募りたいところであるが。


また、自分があまり読書がうまくないという事実にも気付いてきたというのも、あまり読書趣味を伝えるのをやめた一つの要因となった。


数多く読んできた割には、あまり、それらを解析したり、そこから知を吸収出来ていない。

読んでいるときは、確かに、何らかの喜びや、発見があるのだが、それは、一瞬の出来事であり、読み終えた時には、頭の中には何も残っておらぬということが多々ある。


本は、内容を覚えておくことが大切などとは、思うてはいないが、あまりにも空っぽであるというのも虚しい。次回、読んでみた時に、初読のような感覚に襲われることもある。

はて、これは本当に読んだことがあったのだろうか。手に取り、背表紙をなでただけであったのであろうかと、思わされる。まあ、それも一つの読書スタイルであるので、べつに構いやしないのだが。



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― 新着の感想 ―
[一言] 筒井康隆の書評はすごいですっ!! まずそうな本も筒井康隆が書評すると実にうまそうに見える。 ある種の文学的マジックですね。
2016/01/26 22:42 退会済み
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