第9話 上海と宝塔
遅くなりました。理由についてはいろいろとまぁ。
今回は裏切りの鎮魂歌さんからのリクエストです。
「ない・・・ない・・・。」
現在上海はとある寺の上空に来ている。何故来たのかそれは誰にも分からない。その上海の手には何故か宝塔と呼ばれるすごく大切な物を持っている。
そして、上海が見下ろすその寺にて、先程から虎柄の少女が無い無いを連呼しながらあっちをうろうろこっちをうろうろしている。
その虎柄の少女の隣には金属の棒を持ったネズミの耳を生やした少女が居た。目を閉じて両手の金属の棒から伝わる感覚を研ぎ澄ましている。要は唯のダウジングである。
ダウザーの少女がゆっくりと目を開ける。
「おかしいなぁ〜・・・確かにこの辺にあるとは思うんだけど・・・。って言うかご主人もご主人だよ。昼寝している間に砲塔無くすとかどんだけ酷いんだい?」
「うぅ・・・返す言葉もございません・・・。」
涙目になりながら藪の中に手を突っ込んで探している虎柄少女。
の、頭の上に上海は降り立った、宝塔のとがった部分を下にして。無論そんな事をすればどうなるかは自明の理である。とがった部分は見事頭頂部に突き刺さった。
「あ゛に゛ゃあああああぁあぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああぁぁ!!!?」
猫科特有の叫びとでもいうのだろうか?手に書くとてつもない叫び声が上がり虎柄少女は頭頂部を押さえて転がりまわる。
「だ、大丈夫かい?ご主人?」
慌てて駆け寄るダウザー少女。
「うぅ・・・い、いったい何が・・・。」
そう言った虎柄少女の前に現れたのは上海。少女達は堂々と現れた上海の手に持っていた物を見て驚きの声を上げる。
「それ!私の宝塔!」
慌ててそれを上海の手より虎柄少女は、宝塔をぐるぐる見回してどこか傷が無いかなどをチェックし、ほっと息をつく。
「よかったぁ〜万が一の事があったら私―――――。」
その先の事は言わないでおく。
そうして彼女はぺこぺこと頭を下げて上海にお礼を言う。ダウザーの少女は何所か不服な表情をしていたが宝塔が戻ったしまぁいいかと納得することにした。
そこでふとある事を思い出したダウザー少女はポケットからある物を取り出す。
「これ。」
そう言った彼女の手には赤い紙で包まれた飴玉があった。それを虎柄少女と遊んでいた上海に渡す。上海の口に入る位の丁度いい大きさだった。
「ご主人の宝塔を見つけてくれたお礼だよ。」
「しゃんはい」
そう言って嬉しそうに飴を頬張る上海。
――――の隣で両手を合わせて見つめてくる虎柄少女。
「・・・ないよ?」
「え?」
「ないよ。」
「なんで!?どうして!?」
「いや、偶然手に入れただけだしそれ一個しかなかったし・・・。」
「(プルプル・・・。)」
涙目になり始めた虎柄少女に慌てたダウザー少女は後日飴玉を持ってきてあげるからと約束した。その瞬間虎柄少女がぱぁっと明るい笑顔になる。
溜め息を吐く少女の傍で頬を押さえながら笑顔で飴玉を舐める上海。
今日も幻想郷は平和です。