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東方旅人形  作者: みすたー五式
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第2話 人形と妖精

上海はふよふよと飛び続けていた。行く当ても無く目的も無く唯ふよふよと飛んでいた。そうしている内にふと茂みの中で何やらゴソゴソとやっている3人組を見つけた。


「博麗神社よりくすねて来たお酒・・・。」

「すごく苦労したね・・・。見つかったらボコボコだもん・・・。」

「ねぇ早くも飲もうよ。」


3人の内二人は金髪で一人は黒髪の幼女だった。幼女達は自ら盗品である事を明かしたその酒を飲もうとしている。金髪でドリル髪の幼女と黒髪の幼女は何所から取り出したのか御猪口を手に持ちもう一人の金髪で八重歯の幼女がその御猪口に酒を注いでいく。

そして上海はその様子をふよふよ漂いながら見ていた。

八重歯の幼女が平らな石の上に置いてある自分の御猪口に酒を注ぐと三人は御猪口を持って一斉に


「「「乾杯!!」」」


をした。そして一気に酒を飲み干すとプハァ―と息を吐く。


「やっぱりお酒は最高ね!!」

「サニー。お代わりちょうだい。」

「あ、私にも。」

「はいはい今注ぐから。」


そう言ってまた八重歯の幼女が御猪口に酒を注ぎそれを飲む。そんな幼女の酒盛りを眺めていた上海はふらぁ〜っと飛んでいくとちょうど酒を飲んでいたドリル髪の幼女の目の前に現れた。突然現れた上海に驚いてドリル髪の幼女は


「ブフッ!?」

「「汚ッ!!」」


口に含んでいた酒を噴き出した。ちなみに上海はちゃっかり躱してそのままドリル髪の幼女の頭の上に乗る。

ドリル髪の幼女は頭に乗っかった上海を引っぺがすとそのまま顔の前に持って来た。


「人形?」

「みたいだね・・・。」

「どうしてこんな所に?」


そう口々に言いながら上海をじっと見つめる。

対して上海は綺麗な目で自分の襟を持っているドリル髪の幼女を見つめていた。


「「・・・・・・。」」


二人の間に微妙な沈黙が流れる。

残った二人は幼女と上海の顔を行ったり来たりして眺めていた。と、上海が手足をじたばたと動かしてドリル髪の幼女の手から離れる。

そして酒が置いてある岩の上にちょこんと座った。


「・・・・・・飲みたいの?」


ドリル髪の幼女の質問に上海は頷いた。


「ちょっとそれ私達のお酒よ!!」


慌てて割り込んできた八重歯の幼女が叫ぶ。


「まぁ、いいじゃないのよ。人形が飲む程度だからそんなに量要らないでしょう?」

「(コクコク)」

「ほらこの娘もこう言ってるじゃない。」

「いや頷いてるだけだからね?」


黒髪幼女のツッコミをスルーしてドリル髪の少女は自分の御猪口に酒を注いで上海の前に置く。上海は御猪口を持つと一気に飲み干した。


「「「おぉ〜・・・。」」」


その飲みっぷりはかなりのもの。2杯目もそのまま一気に飲み干す。


が、


「ちょ?大丈夫?」


やはりというか何というか、顔を真っ赤にした上海はそのまま仰向けに倒れてしまった。


「あちゃー。」

「やっぱ一気飲みはダメか・・・。」


そう言って倒れた上海をそっとなでると。


「じゃ残りは私達が飲んじゃおうか!!」

「何を飲むのかしら?」

「そりゃ博麗の所から取ってきたお酒に決まって・・・るじゃ・・・・。」


上海を放置して酒を飲もうとした3人の後ろに突如現れた人物。脇を異常に見せた巫女服を着た少女――以下紅白少女はお祓い棒を持ちながら笑顔で


「そう。あんた達が持って行ったのね?その酒を。」


ガタガタと震えだす3人を紅白少女はにっこりと笑いながら


「夢想転生!!!!!」

「「「ぎゃぁーー!!!!!」」」


容赦なく3人を吹き飛ばした。岩の影に寝ていた上海は辛うじて助かったがあたりの木々はなぎ倒されまるで隕石が落ちたようなクレーターが出来ている。紅白少女は満足したような表情で帰って行く。






その後目が覚めた上海があたりの光景を目の当たりにして驚いたのは言うまでもない。


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