第10話 上海と無意識
長い事書いていないと結構忘れてしまうものですね。
腕も作品の品質も落ちてしまったかもしれませんが、よければ見ていってください。
あいも変わらずにふよふよと空を飛ぶ上海。いつもと違う事と言えば、周りが空では無く茶色の土―――地底である事ぐらいであった。何で地底に居るのかと言うとそれはおいおい説明するかもしれない。
ともあれ上海は地下なのに妙に明るいご都合主義の地底を進んで行くと突如としてスカートをめくられた。
「!!?」
「しろだー」
え、まじ!?・・・じゃなくて―――
驚いた上海が振り向くとそこには『グ○コ』のポーズを取った何かワケワカランロープとそれにつながる閉じた目?を付けた少女だった。
「貴方お人形さん?こんな所でなにしてるのー?」
そう言ってずいずい近づいて来る女の子は何時の間にか上海の両腕をがっちりつかんでおり逃げられない様にしっかりホールドされていた。
「私今暇なんだー、一緒に遊びにいこ♪」
「!?、!?、!??」
そう言った少女につかまれて上海は地底の奥深くへと連行されていった。
その後、彼女の姿を見た者はいない――――。
コンテニューする?
Yes No
何てゲームみたいな選択肢は無く、彼女達はいま地底にある一軒の居酒屋にて酒を飲んでいた。この歳の少女がぐいぐい酒を飲んでいる姿は何所かしらの問題を感じるがいつぞやの妖精も一升瓶まるまる飲んでいたので問題は無い。
てっきり何処かの民家の部屋の中で昔やらせられていた着せ替え人形みたいな扱いを受けるのかと思っていた上海は何所か拍子抜けしていた。
そんな上海の元に酒屋の店主らしき赤鬼が酒と肴を持ってきた。肴として出されたのは田楽だ。焼き目の付いた豆腐にたれを垂らしたもので中々旨い。しかもご丁寧に上海が食べやすい大きさにしてくれている。
あの店主・・・強面の癖に中々やるではないか・・・。
「ここの田楽すごくおいしいんだー。」
そう言って一口で田楽を頬張る少女。それにならって上海も田楽を頬張る。すると口の中に柔らかな豆腐の感触が広がり、味噌の辛みが程よい刺激となって口の中を駆け巡る。
始めて“感じる”その味に、上海は感激を覚えた。
「気に入ったみたいだね♪たまには、普通に食べるのもいいかな?」
何かいま最後の方に聞き逃せない言葉があったが、田楽に感動している上海はまるっきり聞いていなかった。
もぐもぐ田楽を食べている上海の横で少女がまた注文を付けている。少しすると店主が、今度は魚の塩焼きと最初のとは別の酒を持って来た。
上海は次なる料理の味に興味津々であった。無論上海には小魚が出されている。この店主の細かい気遣いと彼の顔とのギャップが凄すぎる。
二人ともあっという間に平らげてしまうと次から次へと料理を頼んで行く。それは、二人が満足するまでしばらく続いた。
「今日は美味しかったね♪」
「シャンハーイ♪・・・けふっ。」
地底のとある一軒の居酒屋の前で、満腹になった少女が二人。少女の頭の上に乗っかっている上海は若干の食べ過ぎにより動けなくたっていた。
「ねぇねぇ、この先に美味しい甘味処があるんだけど。よってく?」
「シャンハイ!」
既に満腹であったが、甘いものとなれば話は別である。
二人の少女はその甘味処目指して鼻歌を歌いながら歩いて行った。
後、とある姉が届けられた請求書の束を見て頭を掻きむしりながら妹の名前を叫んだのを上海が知るよりは無かった。
地底のグルメリポーターこいし
*資金提供・姉