共同墓地へ Ⅰ
初めまして、黒崎と名乗っています。
更新は不定期になってしまいそうです。
楽しんでいただければ幸いです。
残酷描写は念の為、多分入ってしまうと思いますが…。
大型4輪バギーを操りながら白銀の雪原を進む男が一人
隣に座る女の子が一人。
「で、ダイゴはそこになにしに行くわけ?」
「……墓参り」
「でも、ただ墓参りに行くわけじゃないでしょ。行って帰るだけだったらこんなに荷物要らないし」
「……去年向こうに小屋を建てた。一ヶ月、そこで暮らそうと思う」
バギーは雪原を駆ける。
少しバウンドし、雪を散らした。
「私のお母さんは分かってあなたに預けたわけ?」
「ああ、スニアには事前に言ってある」
「お母さんは何て言ったの?」
「……娘を危ない目に合わせたら撃つ、と」
日が沈み始めたので、今日は野宿になった。
本来ならばアザタという村に行きたかったのだが、バギーの修理が思うように捗らずあまり進めなかった。
木立の陰にバギーを止め、テントを張る。
固形燃料を取り出して夕飯の支度を始める。
本日の献立は、この間仕留めた鹿の干し肉をスープに入れる。
後はパンだ。
「うまいか?」
「私には味がちょっと濃い」
「そうか、だが寒い中での旅は体力の消耗が激しい。それぐらいが丁度良いんだ」
夕飯の片づけを終えて、テントに入る。
先にテントに入った女の子はどうやらもう寝ているようだ。
今聞こえるのは寝息と風の音のみ。
そんな中でスニアの娘、ミサと再会した頃を思い出した。
――――最初に会ってから5年。
再会した時の驚きは今も覚えている。
小さいころ5年前に会った時は幼く、心がとある事情により不安定だった。
しかし、再会した時には内気だったがしっかりとしていて、何というか
女になっていた。
「もう寝るか、明日も早い」
そう呟いて眠りについた。
どうでしたでしょうか?
感想ご意見はお手柔らかに。