表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

お犬様

はじめてのホラージャンルに挑戦です。


ホラーと呼べる作品なのかどうか。


人間に対しての悪意や、不快な表現が多少含まれる作品になりますので、ご了承の上、お読みください。


残虐なシーンはないです。

 チュンチュン…


 鳥のさえずり。


 ワンワンッ


 犬の鳴き声。



 ん…朝か…。僕はいつも通り、ベッドで目覚める。

昨日は夜ふかししてゲームをやりすぎてしまったので、まだ少し眠い。


 でも、朝ごはん食べないと。朝ごはんを食べて、歯を磨いて、顔を洗う。そして、服を着替えて、学校に行く。いつも行っている学校だ。門の前で立ち止まり、まっすぐにピンと手を伸ばしてお辞儀をする。


「おはようございます」


 きちんといつも通り挨拶をする。挨拶は大事だからだ。


──ガシャン!


 門の横の壁に埋め込まれている、自動販売機からコーヒーが落ちてきた。今日のコーヒーは微糖だった。僕は朝はホントは無糖がいい。でも仕方ない。


 コーヒーを飲みながら校舎に入る。校舎と言うべきか、強制訓練所と言うべきか…


 ここには、およそ100人くらいの生徒がいる。と思う。思うというのは、自分のクラス以外のことはほとんどわからないからだ。あと、人数は常に変動している。


 ここに来ている限り、生活はできる。そしてご飯も食べれる。あと生きていける。


 僕が入った教室には20人の人がいた。男女10人ずつ

が、男5女5の交互に学習机のイスに座っている。名前は…知らない。


「はい、みなさん!おはようだワン!今日も元気にやってるかワン」


 このワンワン言っているやつが教官だ。ちなみに顔は犬である。


「おはようございます!」


「声がちと小さいワン。もっとワンダフルにお願いしますワン」


「おはようございますっ!!」


「まぁ、いいワン。じゃあ…順番に点呼するワン」


 1番端から順番に番号を言っていく。


「じゃあ…今日の1限目は歴史だワン。教科書の64ページを開くワン。えーと、6番の君、読むワン」


「はい。第3章、人間の残虐さ、愚かさについて。人間はとても残虐です。自分達が生きていく最低限のことでは飽き足らず、必要以上に生き物を殺します。生き物だけでなく植物、森林も無駄に破壊します。そして、必要以上に消費し、廃棄していった結果、人間同士で奪い合い、争い、殺し合いをしました」


「はい、人間同士が殺し合いをして、助けてくれたのは誰ワン?7番」


「はい。お犬様です」


「よろしい。次続き、8番」


「はい。人間はとても愚かな生き物です。殺し合いをしていく中で、とても危険な生物兵器を使いました。それは人間のDNAに直接干渉し、遺伝子操作を強制的にしてしまうものでした。それによって、人間は世界人類の90%が死にました。その生物兵器は人間以外の生物にも作用しました」


「はい、そこでいいワン。生物兵器の特殊作用によって、僕たちは素晴らしい体と、頭脳を手にしたワン。はい、続きを9番」


「はい。そして、我々は弱体化した人間を支配し、それを使役することにしました。我々はとても寛大なので、人間を傷めつけたり、鎖につないで拘束したりはしません。狭い場所に閉じ込めたり、見せ物にすることもしません。食事をきちんと与え、そして教育も施します」


「はい、お犬様はとても心が広く、自分達が受けた屈辱的な行為すべてを許したわけだワン。はい、続き10番ね」


 延々とお犬様の教科書を読まされる。そう、僕がいるこの世界は、完全に狂っている。人間が淘汰され、人間以外の生物、特に犬が権力を持った世界なのだ。


「はい。人間はそうやって生かされ、我々の管理のもと、日々を過ごしています。人間の生活は常に監視され、ワンチューブでライブ配信されています。配信中もリアルタイムで我々からリクエストができます。リクエスト参加の場合はアカウント登録と1回につき、100ワン円が必要です」


 徐々に僕の番が近づいている。さっきコーヒーを飲んでしまったからトイレにいきたくなっている。


「教官!トイレに行きたいです!」


「待てワン」


「え…」


「待てと言ってるワン。お前ら人間は、よく僕たちにそう言ってたらしいワンね。はい次11番」


「はい。人間は見せ物としてはとても面白い生き物です。喜び、怒り、哀しみ、楽しみ、それ以外にも様々な感情を持ち、かつてしていたように自分の欲のために騙したり、逆に見返りを求めず善行を行う種類もいます」


 早く終わってくれ、休憩時間になってくれ。


「よし、次読み終わったら休憩にするかワン。じゃあ15番」


 僕が急に呼ばれた。


「はい…えーと。人間を飼うときは許可が必要です。とても弱くなったとはいえ、中には多少知恵が残っている種類もあるため、危険なときは処置が必要になります。あー、教官!すみません」


「待てといったワン。はい、まだ続きあるワン」


 もう無理だ…


「シロ!お願いだ!」


 教官が鬼のような形相で睨んだ。


「その呼び名は禁じられているワン」





 はっ…


 あれ…


 ここはどこだろう。何かものすごく嫌な夢を見ていた気がする。


 あ、トイレトイレ、もれちゃう。すぐ用をたして、また床につく。まだ朝早いもんね。



 ワンッ!ワンワンッ!



 なんか庭でシロが鳴いている。ご近所さんが散歩に連れている犬に吠えてるのかな?



 ワンッ!



 ちょっとうるさいな…まだ空は薄暗いけど、ちょっと様子見に行くか。昨日夜ふかししてまだ眠いんだけどな。



 ワンワンッ!ワンッ!



「シロっ!少しうるさいよ!静かにするんだ!」



 シロの鳴き声がピタリと止んだ。そして、ゆっくりと口をあける。







「おまえこそ、静かにしろ」




 おわり


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
犬だけなのか、は気になりますねぇ。猿の変わりに犬が人間化した世界…最後の部分、生態兵器が使われたのかも気になる…もし使われていないなら、人語を話すきみの悪い犬ということになりますが。
なんという権力……………もとい犬力を行使するんだ、この教官ワンコは。 危うく教室でぶちまける所だったじゃないか!? このオチの後に漏らしてしまいそうだね、彼(-ω-;) 限界と驚きの二段攻撃だ( ´…
「猿の惑星」ならぬ、「犬の惑星」!? なるほど……シロは教官ではなく、飼い犬だったんですね。 ちゃんとしたホラーでしたよ╭( ・ㅂ・)و
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ