熱中症体験記
7月炎天下の沖縄、同窓会の手伝いに、西海岸のラグナガーデンホテルまで自転車を走らせる。
ホテルビュッフェにありつく好機。21歳自堕落学生、朝食抜いて家を出たのは3時前。集合時間は3時半。10分遅れると連絡し、急いで向かうはレンタルサイクル。
自転車置場家から遠く、20分歩いて自転車に跨る。スーツは脱いでYシャツは汗だく、ズボンが濡れて気持ちが悪い。
下り坂を邁進するも、風は暖かく涼感は得られず。そのうち視界が白くなる。
信号待ちで騙し騙しに、小休憩を試みるも、亜熱帯の陽射しは容赦がない。愈々世界が白くなり、音は段々遠くなり、致し方なく自販機の前へ。
自販機らしき角箱に、並ぶ飲み物は眩しくて見えぬ。一先ず小銭を二枚入れ、押して出たのは午後の紅茶。飲んで多少は良くなったかと、再び自転車を走らせる。
小脳から延髄にかけて痛みが走る。視界はぼやけて音は遠い。さりとて既に遅れているのだ。急がざるのは誠意に欠ける。
とはいえ愈々限界近く、救急車に世話を掛けては元も子もない。自転車はふらつき漕ぐ力も失せた。曲がり角で自転車を倒し、適当な日陰に大の字になる。
飲み物を手繰り寄せてらっぱ飲み、見上げた天井が明瞭になってくる。最初は体が動かなかったが、2分程経つと立てる、立つ。対向車線の軽トラのおっちゃんが慌てた様子、会釈して去る。
その後特に問題なくホテルに着き、受付業務に写真係、可愛がられて暴飲暴食、来た道をまた自転車で帰った。若さってすごい。
おわり