紅く染まりし世界の果てには
【100作品まであと2作品】
今のご時世ですが、かなり攻めた……ような内容になっております。
R-15、残酷描写は保険です。
それでは、どうぞ。
その日の夜は、空が紅く染まる程の流れ星が流れたんだ。
………嫌な気がしてならない。
何が起きるんだろう。
僕は、気になって家から外へ出ようとしたんだ。
その時、後ろから声がした。
『地獄へ落ちるぞ、小僧』
……地獄?
そんなはずはない。
今のご時世、地獄になる出来事なんてないはずなのに。
―――外に出た僕の目には、想像が出来ない程の
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ミーア西暦202X年。
ミーフェンタリー国際連合による人口減少政策によって、人類の大半がAIとロボットに支配された世界。
まことしやかに囁かれている『過去ノ話』がある。
『空が紅く染まる程の流れ星が流れると、地獄を見る』と。
『地獄』と言うものは、戦が起きる事を指しているらしい。
過去にも何度か戦事があった、と記されているが……
『紅い流れ星』、と言うのは明らかにされていない。
写真や映像には、全く記録として残っていないからだ。
ただ一人、85年前の大戦を経験したと言う老人曰く
―――流れ星が流れた日、地獄を見た。
そう伝えている。
それを誰も信じはしなかった。
過去の事だろう、そう思っていた。
………そう、現実に起きた。
『紅く染まる程の流れ星』によって
この世が、地獄になるその瞬間を。
その老人は、地獄から目覚める前に言葉を残している。
「いつの時代も、ヒトの血が流れる争いは良くない」と。
読んで頂き、ありがとうございました。