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想いの詩(仮題)

冬の招待状

作者: 浮き雲

どちらかと言えば南の地域に住んでいるせいか、冬らしい冬というものを知りません。北にお住いの方々からしたら、「ここに書いていることは、冬のことなのか」と突っ込まれてしまいそうですが、そこは、ご容赦願います。

「歩ける程度の寒さだから歩く。でも、歩けば、やはり寒い」という感じが、南のほうの冬の感じ方なのかなと思っています。それでも、山に向かえば、霧氷くらいはみられたりしますが、平地では、年に数回程度雪が降るだけで、厳しくないのが、ここいらの冬なのです。

だから、こんなものを書いているのですが・・・。

たぶんですけど、北国の極寒の中、散歩に行こうと言われたら、私のほうが「無理」「やめておこうよ」となりそうな気がします。ダイヤモンドダストが見れるっていわれても、樹氷ができてるって言われても、パウダースノーにダイブできると言われても、きっと、考えは変わらないことでしょう。

ようするに、冬は苦手なのです。と言いながら、南の夏の暑さも嫌いなのですが。

冬は沖縄、夏は北海道、そんな生活ができれば、何も望みません。死ぬまでダラダラとしていたいと思います。




夜空が澄めば、地の熱は 空へと逃げて行きますが


月や星座や街灯り


輝くものの純粋な 光を愛でて、ふたりして


冬の小道を行きましょう




小さな虫も眠りつき もはや、夜更けは静かです


月の明かりは凛として、ふたりに熱をくれぬから


恥ずかしがらず、寄り添って 冬の小道を行きましょう




時々、丘の下をゆく 貨物電車に、遮断機は


苛立つように鳴るけれど


冷たい時の冷たさを いまは、ふたりで分け合って


仲良く夜を行きましょう




さいわい風はないでしょう


無数に星はあるでしょう


オリオンの北、ふたご座の 寄り添う影に、ふと僕は


似通うもののたましいを きみと僕とに重ねます




月の周りの明るさに 灯らぬ星の淋しさを


知らずに、きみは木星を 見上げて、ひとりホルストの


組曲の中、ジュピターを ささやくように歌います




静かな夜に沁みとおる きみの優しい歌声に


息はしらじら宙にとけ 天の川さえとどくかと


思えば、星も輝きを いっそう、強める気がします




歌は突然止むでしょう


聴こえぬ星の万雷の 拍手にきみは気づかずに


少しはにかむことでしょう


星の代わりに、この腕は 優しくきみを抱くでしょう




冬の小道の暗さなら 見下ろす月や星々も


何も言わずにいるでしょう


見上げる草は、風次第 囁くこともあるでしょう


それでも、どうか、逃げないで・・・




冬の小道を行きましょう


月の明かりに照らされて


月から遠い、星たちの 名を尋ねては行きましょう


尋ねる人もない夜を ふたりで、そっと行きましょう





恋の詩に負の感情ばかりが増殖するのは、なぜなのでしょう。もしかしたら、もう、当事者になることはないと分かっていながら書いているせいかもしれません。

自問自答ばかり。これも、悪癖ですね。

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