街に着いたのだが・・・
「ふわぁぁぁ、大きいですわねぇ~」
「みみゃ~~~」
「しゅしゅしゅ~~ん」
街に近づくにつれて、巨大な城壁に圧倒されるように声をもらす。
普通獣や貴族の女はこういうのに感動を覚えないと思うのだがな。
「アホ面下げてないでさっさと行くぞ。街についてもまだまだやることがあんだからな」
「あっ、ちょっとお待ちなさいよ!」
そういうと修二は令嬢達をおいて、門番をしている兵士達の元へと歩んでいく。
できる事なら令嬢をこの街の兵士に預け、おさらばしたいところだが、それをするわけにはいかない。
いや、別にしてもいいんだけど、それをすると後味悪くなるんだよな。
二・三日酒が不味く感じるくらい。
「男一人・女一人・猫一匹・魔獣一匹だ。いくらだ?」
「性別年齢問わず一人銀貨5枚だ。魔獣は銀貨8枚。猫は・・・いらんな」
街に入るだけなのに銀貨5枚(五千円くらい)とは、かなり高額な分類に入るが、まあ、これだけデカイ壁が作られていれば仕方ないと諦めるほかないだろう。
確かに隣国に面する場所であり、戦争になれば危険地域となるが、戦争が始まらなければここは堅城鉄壁の要塞である。
稀に外の魔物達が大群で街を襲うこともあるが、ここならば問題なく跳ね除けられるだろう。
たったそれだけのことだが、この世界では安全な場所ほど価値が高くなるのだ。
「確かに。では最後にこれに触れろ」
「へいへい」
金を払った後、兵士が指名手配犯などを判別する魔道具を持ってきた。
こういう判別する魔道具ってなんで丸水晶何だろうな。
もっと活かしたのにすればいいのにと思う。
持ってきた魔道具に不満を覚えながら、修二はその水晶に触れる。
そして触れた瞬間水晶は真っ赤に染まった。
「おいおい、なんで赤く光ってんだよ」
「これは第一級指名手配犯の・・・はぁぁぁぁっ!」
「うおっと!? このヤロウ! 行き成り斬りつけてきやがった!?」
つか、いまスゲェ不吉な言葉が聞こえたぞ。
指名手配犯って誰の事ぞ。
え? まさか俺じゃねぇよな。
無銭飲食とかしてねぇぞ。
「第一級犯罪者だ! ひっ捕らえろ!」
「誰が犯罪者だ! 何かの間違いだろこのヤロウ! ちゃんと調べろよ!」
「問答無用!!」
カンカンカンカンカンカンッ!!
そんな事を思っているうちに切りかかって来た兵士が周りに警戒の声を上げ、周りの兵士達は修二を取り囲むために動き出し、後方で控えていたもう一人の兵士が鐘を鳴らした。
その鐘の音を聞いて兵士が更に現れた。
「うわっ!? キモッ!? マッチョの大群とかキモッ!? つうことで逃げるぞテメェ等!!」
「みぃ??・・・・・みぃ!」
「しゅ??・・・・・しゃい!」
「え? えっ? どういうこと「どろん!」きゃゃゃゃっ!?」
なぜ行き成り犯罪者指定されているのかわからないが、目の前の兵士は話を聞かなそうだったので、アイテム袋から煙玉ではなく、特製泥団子を取り出すと兵士達に向かって放り投げ、逃げ出した。
その程度で逃げられるわけないと思うだろうが、放り投げだされた泥団子は修二が背を向けた瞬間大きな音と共に爆発し、兵士達に泥を浴びせることとなった。
大きな音に怯み、更には襲い掛かる泥に一瞬視界を奪われる。
その僅かな隙に修二は令嬢を抱きかかえ、子猫達を引き連れて来た道を逃げ出した。
「お、追えーーー!!」
「追えじゃねぇし! 来んなし!」
そして、やっと街に着いた修二達だが、なぜか兵士達に終われる羽目になるのだった。




