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ロストしたら俺のモノ-酒飲み自由人のダメ男生活-  作者: タヌキ汁
第二章 ドリル令嬢と酒切れ編
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つかの間の休息


 久しぶりにベッドで横になり、飯の時間になるのを待っていると、不意に扉が叩かれた。

 面倒なので返事をせずにいたのだが、扉を叩いているのは自分勝手なドリルお嬢様なので勝手に部屋に入って来ることになった。

 しかも獣二匹を引き連れて。

 せっかく自由時間ができたってのに、なんで全員集まってんだよ。


「買い物に行きますわよ! ついてきなさい財布持ち!」


 開口一番にそんな事を言って来る巻きグソドリル残念令嬢。

 なんか数分見ない間にクソガキになったぞ。

 いや、クソガキなのは初めからか。


「みにゃーにゃー!」

「しゅしーーーー!」

「行く訳ねぇだろ。つか店に人いねぇから開いてねぇぞ。だから買い食いとか無理だからな」

「「がーーん!」」


 そして、獣共が令嬢についてきた理由をなんとなく察した修二がそういうと、わかりやすいくらい落ち込む。

 お前等この街に来る前も結構色々と間食してたよな?

 マジで胃袋どうなってんだ?


「あら、このワタクシが行きますのよ? 開いていなくても開けさせますわ!」

「「ぱしゅぱしゅぱしゅぱしゅっ!!」」

「人がいねぇっていてんだろうがアホドリル。それとお前等拍手できてねぇぞ」


 空気が抜けるような音をたてながら、令嬢を称賛するな。


「つか、買い物って何買いに行くんだよ。お前に足りてない脳みそはどこにも売ってねぇぞ」

「毎度のことながら失礼この上ありませんわ。まあ、所詮下民ですものね。もう諦めておりますわよ。それよりワタクシはお風呂と替えの着替えが欲しいですの。いい加減このドレスも飽きましたし、新しいのが欲しいですわ」

「ああ、そういえばそうだな。後ろのほうとかざっくり切れてたまでケツが見える状態だしな」

「そうなのですわ。だから・・・・へ? ざっくり?」

「そういうことなら仕方ねぇか。とはいっても店開いてねぇんだから俺の貸してやる。まっ、明日には街に着くだろうからそれまで我慢しな」

「え、ああ、はい・・・え、いえそうではなく、今貴方なんて言いました? ざっくり? ざっくりってどういうことですの?」


 令嬢は混乱しながら男物の服を受け取りつつ、修二が言った言葉の意味が理解できないと言わんばかりに問い返す。


「どういうことも何もお前のドレス、後ろの方破れてるだろ。気付いてなかったのか?」

「いえ、なぜか寒いとは思っていましたけど・・・・まさか破れているなんて」


 魔導船から放り出される際、ドレスが引っかかり破けていた。

 結構ざっくり切られているので、流石にわかっていると思ったのだが、この反応を見る限り気付いていなかったみたいだな。


「なんだよマジで気付いてなかったのか? 人生初の大自然にあてられて己をさらけ出しているのかと思ったぜ。後は露出癖のあるヤバい奴なのか思って警戒しちまった」

「そんな性癖ありませんわよ! いえ、今はそれより・・ちょ、ちょっとお待ちなさい! えっ? ワタクシ今までお尻を出したまま歩いていましたの? え? マジですの? ワタクシが殿方の前で無防備にもお尻を出していましたの? 何ですのそれは、それではまるでワタクシが男を誘うはしたない女ではありませんの。嫌ですわ。メイエッド侯爵家の者としてそんな事あってはいけませんわ」


 行き成りブツブツと独り言を始めたぞ。

 大丈夫かよコイツ。


「そうあってはならない事ですわ。この高貴なるワタクシの臀部が見知らぬ下民に見られるなどあってはならない事ですわ。そうあってはならない事ですわ・・・・・・・・・消さなくては」

「・・・・・・・・」


 なんか不吉な事を呟きながら部屋を出ていく令嬢。

 そんな令嬢の呟きを聞いた修二はなんか面倒そうだと思い扉に手をかける。


「みぃ~~~~~」

「シュウ~~~~」

「ほらこれやっから邪魔すんな」


 干し肉の束を受け取った子猫達は素直に修二の言う通り邪魔をすることは無く己の部屋に帰っていった。

 そしてすぐに扉を塞ぐためにベッドを扉の前に移動させた修二である。

 扉に鍵が付いてないとかマジありえないだろと、不満を漏らしつつ、つかの間の休息を取るのだった。


「開けろですわ! そして死ぬがいいですわ!」


 なんか物騒なこと言って来る令嬢がいるが、ベッドで入って来ないように塞ぎ、更に足で抑えているので危険はなかった。

 ただ柔らかいベッドの上ではなく床で寝転ぶ羽目になったのは不満であったがな。





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