森の中 三日目
魔力が荒れ狂う嵐はいつの間にか終わっていた。
なので、修二は当初の計画していた道を変更しある場所へと向かっていた。
皆の意見など聞かないし、そもそも街に向かっているとしか伝えていないので反対意見が出る訳もない。
このチームは修二のやりたい放題であり、文句はこのチームリーダーの修二が許さなかった。
「なんですの! この道はーー!!」
若干一名道なりが険しくなっていることに文句を言っているが、聞かなかったし、特別に許してやることにしよう。
というか、今修二達が進んでいる道は、道とは呼べない。険しく落ちたら死ぬことになるであろう断崖絶壁である。
ロッククライミングをしながら、道なき道を進んでいるのだが、この断崖絶壁を渡る理由があった。
その理由がこっちの方が近道なのだ。
そう近道なのだから仕方がないのだ。
つか文句を言っている令嬢はハンモッガの背に括りつけられ、ぶら下がっているだけなのだから文句を言うなよな。
「シュシャッ・・シュシャッ」
「ほら、頑張れハンモッガ。この山の天辺に美味い物がある。今日の昼食はそれをたらふく食べさせてやるぞ! なのに諦めんのか! 落ちたら食えなくなるんだぞ!!」
「シュシュシュシュッ!!」
目の前にニンジンをぶら下げられた馬の様にハンモッガは気合と言う名の食い意地を見せて崖を登り続けた。
「ひや!? 高い高い高い高い! 高いですわーーー!!」
「やっと着いたな」
「シュシューン!」
それからしばらくして修二達は断崖絶壁を登り切った。
時刻は予定していた時間よりも僅かに遅くなってしまい、昼食を取るには少しばかり遅いが、まあお荷物(令嬢)を抱えた状態であるので仕方がないことだろう。
「よし、なら早速食料調達してくるかな。お前は休んでいていいぞ。この崖降りるとき滑空して貰うからな」
ハンモッガに休むように伝えながら、修二は令嬢の縄を解く。
ついでになぜか令嬢の腕の中で寝こけている子猫の髭を引っ張って起こしておく。
ホントコイツは良く寝るな。
猫はこんなに眠るモノなのだろうか?
「おい、足手纏いのお荷物共! お前等も少しは働け!」
「何でワタクシが・・」
「街なら金のない者も食うべからずで通るが、大自然じゃ働かざる者食うべからずがルールだ。権力があろうが地位があろうが飯にありつきたいなら、テメェの身体を使うこったな」
「身体を使う?・・・いやらしい! ワタクシに何をさせる気ですの!」
「脳内で桃色花畑を生やすな。普通に気持ちわりぃぞ変態ドリル」
「誰もお花を生やしておりませんわ! それより貴方ワタクシに変なあだ名をつけないでくださいまし!」
「体を表すあだ名なんだからイイだろ?」
「いいわけあるかですわ!!」
「おいネコ。お前はここで周りを警戒してろ。特に危険はねぇと思うが、流石に無警戒で居続けられちゃ何かあったときに対応が遅れる。楽な仕事をさせてやんだから寝こけやがったら今日の飯は無しだからな」
「ふみぃ~~~ん」
「貴方! ワタクシの話を無視しないでくださる!」
「んじゃ、行くか」
「聞けと言っているではありませんの! こら止めなさい! 離しなさい」
そして修二は有無を言わさず令嬢の首根っこをひっつかむとそのまま歩み出した。




