その頃猫は・・・ その頃修二は・・・
修二が牢にぶち込まれ、更にはギルド長から麻酔やら自白剤やらを撃ち込まれている頃、子猫は令嬢の部屋で睨み合っていた。
「シャルトテューラ。いい加減観念なさいませ。貴方も貴族の猫として恥ずかしくないように身だしなみを整えなくてはいけないのですわよ」
「みみゃあっ!!」
令嬢はフリフリの薄いピンクのドレスを子猫にどうにか着せようとしていた。
そんなのを着せられては動きが阻害されるだけ。
野良育ち子猫にとってそんなフリフリしたものは邪魔でしかないので、心から嫌がっているのだが、令嬢はそんな子猫の声に耳を傾けることは無かった。
ちなみに子猫の事をシャルトテューラと令嬢は呼んでいるが、子猫はそれを認めていない。
「えい!」
「ふみゃあい!」
「えいえい!!」
「ふふみゃみゃい!!」
「む~~~、これでは埒が飽きませんわね」
どうにか子猫を捕まえようと令嬢は飛び掛かるが、そこは無駄に動きの早い獣。
碌に鍛えていない女の子に捕まる訳もなく、するりするりと逃げられていく。
それに業を煮やしたのか、令嬢は傍に控えていた付き人達に視線を向ける。
「「「「・・・・・・」」」」
なんの命令せずとも何をすればいいのか理解した付き人達は、音もなく動き出し、音もなく子猫を囲みだした。
「み、みにゃ?・・みぎゃあああああああああっ!?」
迫る迫る無数の手。
あまりの数に子猫は恐怖を感じ泣き叫びながら必死に逃げ回るが、逃げ切れるわけもなく、すぐに捕まってしまった。
そして、捕まった子猫は言うまでもなく令嬢の手によって着せ替え人形とされたのだった。
「? 何か変な声が聞こえたような気がしたようじゃが」
「サケガノミタイ サケガノミタイ」
「おお! すまぬすまぬ。なんでもないのじゃぞ。さて次の質問じゃが」
「オマエクサイ モハヤゲスイレベル オスイオスイ ナガレルアセハオスイオスイ」
「そんな事誰も聞いておらぬじゃろうが! それと儂は臭く無いわい!」
「カレイシュウ カレイシュウ ヤバイヤバイカレイシュウ ナマゴミシュウ クカカカカカカッ」
「お主本当に自白剤が効いておるのか? どうにも意識がしっかりしているように思えてならぬぞ」
「ジハクザイバッチシ イシキモウロウ オレボウソウ オマエノニオイハダイボウソウ」
「なぜか、歌いだしおったな・・・・・もう少し追加で」
「ウヘェッ?・・・・・ピンクノドレストカマジデナイッスワ~」
「おお? 行き成りどうしたんじゃ?」
「ケモノニドレストカッテバ~カナンジャナイッスカ~? キゾクノカチカンオレニハワカラン」
「ふむ、ちと薬の量を見誤ったか? 致し方ない最低限の情報は得られたのじゃ解毒剤打って退散するかのぉ。それと、情報をくれた礼じゃ牢の鍵をくれてやる故、上手く使うのじゃぞ」
「アザーーーース! ツイデニサケモオイテイケコノヤロウ!!」
「本当に薬効いておるのかのぉ?・・・まあよいか」




