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ロストしたら俺のモノ-酒飲み自由人のダメ男生活-  作者: タヌキ汁
第二章 ドリル令嬢と酒切れ編
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犯罪者

 貴族式ババ抜き。

 普通のババ抜きとゲームルールに違い無く、違いがあるのはカードを配る方法だけだ。

 何でも不正防止のために一度全てのカードをテーブルの上に並べ、そこから交互に一枚ずつ手札に加えていくという方法らしい。

 それのどこが貴族式なのかと思う所もあれば、そんな事をしてもいくらでも不正はやり放題だと突っ込みたいところだが、俺はあえて突っ込まない。

 というか、下手に突っ込んでこちらが能力全開でカードの絵札を調べているのがバレてしまうのは困るからだ。

 まあ、それでも


「クソーーーーッ! ここから出しやがれーーー!!」


 有無を言わさず叩き潰したのはやりすぎだったようで、怒った巻きグソ令嬢にこの船の牢にぶち込まれることとなった。

 あれだな。

 さっさと面倒な貴族から解放されたくてやり過ぎてしまった。

 流石に一回勝負じゃないと言われ、何度も勝負を挑んでくるのがウザいから、本気で叩き潰したらこうなった。

 あまりに一方的すぎる勝負をするべきでは無かったと今は反省している。


「騒がしい犯罪者ですわね」


 猿の様に鉄格子をガタガタと揺すり、暴れる修二の目の前には、悪役令嬢予備軍の巻きグソ令嬢が子猫を抱きながら優雅に扇を広げていた。

 口元を扇で隠しているとか、ガキがそんなことしても失笑でしかない。

 今すぐ指差してバカにしたいが、多分それをやると首が胴体からおさらばすることになるので何とかこらえている。


「おい! 犯罪者とはどういうことだ! 俺は何もしてねぇだろうが!!」


 能力で全ての手札を盗み見て、有無を言わさず勝利を収めたが、やったことはそれだけだ。

 別に不正と言う訳ではない。

 能力を使ってはいけないなどと言われていないしな!


「全ての勝負に勝てている時点で不正を行っているのは明らかですわ」

「不正なんざしてねぇっての! つか、俺が不正をしているってんなら証拠を見せろ! 証拠を!!」

「証拠など不要ですわ。このワタクシが不正と言っているのです。これ以上の証拠はありませんことよ」


 ありませんことよじゃねぇし!

 これだから貴族ってのは嫌いなんだ! テメェの言い分が正しいと思いやがって!

 などと思っているが、ぶっちゃけ修二が不正を行っていたのは明らかであるので、牢にぶち込まれても文句は言えない。

 まあ、悪いことも見つからなければ罪ではないと考えているので、修二が反省することはまずないだろう。


「流石に斬首までは致しませんし、ワタクシが船を降りる頃に解放して差し上げますわ。ただし、不正を行った代償は頂きますわ!」


 そう言いながら、令嬢はその腕に抱えている子猫を撫でる。

 代償になっている子猫は状況が飲み込めていないのか小首をかしげていたが、そんなことはどうでもいい。

 それよりこんな状況になっていることの方が問題だ。

 簡易便所用の壺があるだけで、毛布の一枚もない・・・・・・・のはどうでもいいが、それよりもここでは酒が注文できないのが問題だ!

 こんなところの飯だって絶対酒はついていないだろうしな!

 そんな状況耐えられるわけない!!


「くわぁぁぁぁぁ~~~ん・・みゃぐみゃぐ」


 そして、俺がこんな状況であるにもかかわらず、あのクソネコは俺関係ないと言わんばかりに欠伸をしているのが何か凄く腹立たしいぞ。


「あらあら、お眠のようですわね。でしたら部屋でお休みしましょう。ここではゆっくり休めませんものね」


 そういうと、令嬢は供を引き連れてその場を後にする。


「おいこら! マジでこんなところに放置するつもりか! おい待てって! 何とか言えってんだよ!」


 修二の汚い声が飛ぶも、令嬢が振り返ることは無かった




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