雑談
「ティティティさんどうぞホットミルクです。熱いので気を付けてください」
「うらぁ! ありがとうなのらぁ!」
「嬢ちゃん。カスティーラがあるが食うか? 結構ミルクにあうぜ?」
「うらぁ!! お菓子らぁ! 食べるらぁ!!」
修二達は変異体の集団。まあ、要するに統括達の集団が現れたのでそこに行くことにした。
何故変異体なのかと言われれば、まあ統括が人族なのにゴリラですし、統括の直属の部下たちも何かしら変わった姿ではあるからな。
副統括は鳥人族であるにもかかわらず、羽が無く牛人族かと言わんばかりの巨乳の持ち主で蛇のような尻尾が生えている。
他の部下も同じように種族とは異なる姿である。
なので変異体集団と呼ばれている。
一応言っておくが、修二達が差別して統括達をそんな風に言っているのではなく、統括達自身が自分達は変異体だと言っているだけだ。
他の集団も己は変人だとか、変態だとか言っているのは、そんな自虐ネタをする統括達に合わせて言っているのかもしれない。
「シュウジ、いつもながら正確な情報感謝するぞ。もぐもぐ」
「感謝するのはこっちの方だ。依頼の時にしか声掛けねぇのに、いつも集まってくれてありがとな。いつも手間かけさせてすまん。そっちも結構忙しいんだろ?」
修二はバナナを頬張る統括と共の隣に腰を降ろし、渡された茶を飲む。
酒は用意されているが、まだ飲むつもりはない。
ここで飲むと最後までコイツ等の宴会に参加することとなり、確実に帰りが遅くなる。
そうなればティティティに朝帰りを強いることとなり、後でオヤジ達の雷が落ちるのは言うまでもないからな。
だから、今は挨拶を済ませたらさっさと帰る。
ティティティが食ったり飲んだりしているが、それはアイツが悪いので俺は知らない。
寝小便たれることになっても知らんし、知らない奴等から菓子貰って夜中に間食していることがオヤジ達にバレてたとしても俺は関係ない。
「危険も少なく、我等が欲した情報をくれると言うのだ。少々の手間など無いと同じこと。気にせずもっと依頼を寄越せ。いや、気にしてもっと依頼を寄越せ。ついでに報酬の質を上げて貰えれば尚良し」
「クカカッ、報酬ばかりはあげられねぇよ。あんまりうまい思いばかりさせとくと、肥えた豚になっちまうかもしれねぇ。そうなられるとこっちが困る。ただまぁ、今度もなんかあったら優先的に頼むから、それで勘弁してくれ」
「ウホッ。任せておけい」
そういうと、酒と酒を打ち鳴らす・・とはいかず、お茶とバナナで乾杯する二人。
なんとも格好がつかない光景だが、まあ、これはこれでいいだろう。
「それはそうと、その子猫の治療どうする? 治療魔法の不得意なシュウジじゃすぐには治しきれないだろ。ウチの治療魔術師を呼ぶか?」
「ただの打撲と脳震盪だ。わざわざ呼ぶほどじゃねぇよ」
バカをやらかした奴に治療魔術師を呼ぶなど贅沢をさせるつもりはない。
俺の治療ではまだまだ時間がかかるだろうし、その間痛みを感じているだろうが、それが今回コイツの罰になる。
すぐに楽になどさせてやるものか。
「まっ、そんな事より、そろそろ俺達は行かねぇと。あのガキもこれ以上の夜更かしは身体にわりぃし、なによりアイツの親が無駄に慌ててやがる」
能力で今のオヤジ達を調べてみたが、オヤジ達の慌てふためきようがヤバイ。
まあ、そりゃあそうだわな。
我が子が行き成りいなくなったのだ。
慌てない方が異常というモノ。
(つか、慌ててはいるが客を起こしそうなほど騒いではいないな。なんかそういうところ見ていると、プロって感じがするなぁ)
別に普通の宿より高いだけで、高級宿では無いのだ。
もっと大声上げて慌ててもいいと思うがな。
「つうことで、統括俺達は帰るが・・・・おもちゃとお菓子は?」
「おもちゃは準備済み。お菓子は少々手間取っているが、あの子を帰す頃には良い虫の知らせが来るだろう」
「それは上々・・・というか来たな」
統括の言葉に、シュウジは満足そうにしていると、修二が動き出すのを待っていたかのように一匹の赤く光る虫が目の前に現れた。
その虫は子猫の頭の上に乗ると、そのまま静かに発光し続け、修二はその虫を見て、一度だけ猟奇的な笑みを浮かべた。




