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ロストしたら俺のモノ-酒飲み自由人のダメ男生活-  作者: タヌキ汁
第一章 日常生活と非日常編
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変態と変人ばかり


 ティティティを風呂に入れ、小便で汚れた服を洗濯し着替えさせたあと、宿屋へと送っていこうと思った時、俺は奴等に囲まれていた。

 全員が手練れで、逃げることも敵わない。

 そんな実力者ぞろいの集団に俺達は囲まれていた。

 幸いなのは、奴等は礼拝堂に入ることが出来ない事だろう。

 だが、奴等は俺達を逃がすつもりはないのか礼拝堂周りに結界を張り、更には見つけた瞬間捕らえようと考えているのか武器を構え殺気立っていた。




 というか、その殺気立ってる奴等は


「うおぉら! シュウジこの野郎! 幼女泣かすとは何してくれとんじゃ!」

「出てこいやこらっ! なかにいんのはわかってんだぞゴラッ!」

「よ、幼女と風呂! 幼女ゴシゴシ! うらうらうらうら、うらやま、うらやま・・恨めしぃ」


 残念なことに今回協力を要請した奴等なんだよな。

 つか変態共が殺気立ってて関わり合いになりたくない。

 結界張ったのは俺が逃げ出さないようにと言う意味もあるのだろうが、それ以上に騒音対策のためでもあるのだろうな。

 後は臭い対策とかか?


「お~いシュウジよ~。肉焼けたぞ~い」

「虫のシチュウって結構いけるな」

「おい誰だ! 便所虫なんぞ入れたバカは! ちゃんと処理したんだろうな!」

「薬入れたから大丈夫だろう」

「あれって微量な催眠の効果があったような」


 依頼が終われば何かと酒盛りを始めるのはいつものことで、別に文句は言わねぇけど、何故ここに集まった。

 さっきまで皆個人個人で好き勝手飲んでたじゃねぇか。

 なのに何でわざわざ集まった。


「なんなのらぁ、あいつらぁ」

「・・・ただの変態と変人と変質者の集団だな」

「それはただのとは言わないのらぁ! ヤベェ奴等なのらぁ!」

「ヤベェ奴等なのは否定しないが、犯罪者じゃねぇから大丈夫だ。まっ、いつまでもここに居てもしかたねぇし、少しばかり顔出してさっさと帰るかな・・・・お前はあの変態共の相手でもしてろ」


 修二が指さす方へとティティティは視線を向けると、先程まで鬼の形相で修二を見ていた集団達が、一瞬にして鼻の下を伸ばし持っていた武器を背中に隠しながら手を振りだした。


「「「ティティティちゅわ~ん」」」

「あ、あれ、絶対ティが近づいちゃいけない奴等らぁ! なんかすごく怖いらぁ!」

「大丈夫だろ。アイツ等のルールに『幼女に触っちゃいけねぇ幼女!』つうのがあるから、触れてはこないだろうよ。匂いは嗅いでくるかも知れねぇけど」

「い、いやらぁー! ぜったいいやらぁー! なんらそれ! 変態らないか!!」

「だから言っただろ。そういう奴等の集団だってよ。ああ、ちなみにあそこで料理している奴等は変人だ。変人エリアだな。おもに昆虫食を研究している奴等だ。行くと何かしら食わせてもらえるぞ。いくか?」

「いかねぇらぁ!」

「だよなぁ~」


 俺も流石にあそこは行きたくねぇ。

 料理ギルドの奴等が中心となっているおかげで味は悪くないが、何が入っているかわかったもんじゃねぇ。

 まあ、腹を壊しても薬学ギルドやら錬金ギルドやらが薬を用意してくれるが、それでも行きたくはない。


「あとは変質者エリアしか残ってねぇんだが、あそこもあそこで、行きたくはねぇな」

「・・・一応聞いてやるらぁ。あそこはどんな人達がいるらぁ」

「主に自分達の趣味を淡々と議論している奴等だな」

「なんらぁ。普通らないか!」


 他のエリアと比べれば、確かに普通だろう。

 好きな物を好きなだけ議論し合っているだけなのだから。


「確かに普通だな。まあ、アイツ等声ちいせぇから、同じ種族の奴か獣人並みに耳が良くねぇと、全員が耳元でささやきに来るぞ」


 しかも息継ぎの仕方が下手なのか、終始はぁはぁと息を荒げている。

 それはもう、本当に変態の様に。


「鼻息とかスゲェし、耳が唾でベタベタになるほどだが、いくか?」

「いかねぇらぁ!!」


 そして案の定と言った感じの答えが返ってきた。

 いや、まぁ、俺も行きたくねぇけどな。

 けどアイツ等別に悪気があってやってるわけじゃねぇんだよ。

 お話に混ざれないのは寂しいだろうなぁって思って、何とか一緒に話に混ざれるように声を届けようとしてんだよ。

 それが、己の声を大きくするって行動にはつながらないだけで、基本気持ちのいい奴等なんだぜ。

 行動が気持ち悪いだけで。


「だったらどうすんだよ。言っとくがどこかのグループに顔出さねぇとここから抜け出せねぇぞ。というか逃がす気がねぇ奴等ばかりだからな。どれかに挨拶しとかねぇとマジであの結界が通れねぇ」


 あの結界は外から中に入れないようする結界じゃない。

 中から外に出さないようにする結界だ。

 結界の役割がなって無いんじゃないかって?

 そんなのアイツ等の価値観に文句を言ってくれ。

 アイツ等、己に危機が及ぶよりも外から獲物が入って来ない方が残念がるんだよ。

 ホントアイツ等の価値観には俺もついていけねぇ。


「でも、でも、どれもいやらぁよぉ」

「だな。その意見には同意する」


 二人で変態集団を眺めながらそんな事を言っていると、不意にある者達が近づいてくるのを能力で知った修二は、安堵のため息を吐いた。


「喜べティティティ。まともな奴等が来てくれたぞ」

「まとも?」

「おう、変異体共だ。よしあそこに行こう。すぐ行こう」

「らぁ。名前からして全然安心できないのらぁ・・・・だけどあれよりはいいからぁ」


 今もなぜか手を振ってくる変態紳士共にティティティは怯えながら、修二の服を掴んだ。




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