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クラス分けと濃ゆいクラスメート やっぱり私は畑がいい⑭




エレノア副学園長は他の先生方の手を借りてテキパキと指示を出しつつ、手際よく生徒の名前を呼んでそれぞれの扉の前に誘導していく。




呼ばれた生徒達の方は、選定に扉の違いは何ら関係ないと説明を受けていても、異彩を放った三つの扉を目の前にして…。




誰もがドギマギ。




まるで自分の未来をそのまま扉が物語っている様に感じていて……。お互いがお互い。

何故自分がこの扉に割り振られたのか。

隣の列の生徒と自分の列をキョロキョロ見比べ、互いに偵察する様に比較しあいながら列んでいっている。





「………さぁ、次はアーゲスト・シン。ミッチェル・ワッツ。そしてエマ・ブランドン!ブランドン嬢はあちらの扉ですよ」




「は、はい!」




名前を呼ばれ、私も緊張しながら指定された扉の方に歩き始める。

一応…、学園長に軽く頭を下げて礼をしてから、サササと広間の前方…。空挺石の回る壇上の前からようやくお暇する事になった。




壇上の脇には、クリス様とナオ様とあと数名の先生方が変わらずひかえていて……。お二人の前を通り過ぎる形で扉の方に向かう。




二人の前を通る辺りで視線を向けてみると、クリス様は『あともう少しだから、集中しろ…』的に扉の方を軽く指差して、ナオ様もにこやかに手を振ってくれている。



二人がくれる安心感にホッと癒しを貰いつつ、私はこのタイミングで頼まなくちゃと、ちょいちょいとルッソさん達のいる後方を軽く指さして、

《彼らに厳しくしないであげてくださいね。私を思っての事なんです》…と、少し軽くジェスチャーを送ってみる。



《何とか彼らのフォローをお願いします&元の場所に帰してあげてください》と、身振り。手振り。ちょいちょいちょいちょい。




すると二人とも「……………。」と沈黙の後に遠くを眺め、後方にいるルッソさん達のいる方向を見ながら、『………分かった。心配するな、お前はあっちに集中しろ』的に、口では笑みを浮かべながら、クリス様が合図をおくってくれた。




………そして直後。涼やかで美しいスカイブルーの瞳を一瞬で氷の刃の様に鋭い瞳に変え、奥にいるルッソさん達騎士団潜入組の人達を一気に貫いた。




『………………………そこで、大人しくしていろよ?』






クリス様の絶対零度の圧力だけで、無言のメッセージが届けられているのを肌で感じてしまう。




「「「「ヒッッ……!!!」」」」





後ろの方で、成人男性複数の怯える声がすかさず聞こえてきた。





(……………ぼ…。墓穴をほってしまった……のかも……………?)





情状酌量を頼むどころか、結果…。もしかしたら火に油を注いでしまったのかもしれない。

ごめんなさい!ルッソさん……。と内心謝りつつ、でもクリス様もナオ様も二人の事だからきっと何だかんや助けてくれるはずだ。




そうプラスに信じながらも、私は指定された扉の列に向かって歩くしかない……。




「リサ・エカルト。シュビッツ・ワッツ。リューター・テイラー。ル……、ル…………………?」




………急に。今までテキパキと生徒の名前を読み上げていたエレノア副学園長の声が、急に勢いを失ってしまった。




(いったいどうしたんだろう…?)





疑問に思った生徒達が各々振り返って見てみると…。副学園長は読み上げていたリストを何度も繰り返しペラペラと前後を見返していて…。




……………戸惑いながらも、最後には学園長を見て、目で何かを不穏に訴えていた。




だけれど、学園長はあいも変わらずどこ吹く風にホッホッホッホとしか笑わないし…。




最後、エレノア副学園長は迷いながらも諦めた様に、止まっていた名前の読み上げを再開させた。




「……………………………、ルッソ・ヒポッツ。……………扉の列に………」





「…………へ?」





……………名前を呼ばれて反応する、当の本人のマヌケな返事。




そして、彼が本来"何者か"を知る者達は、その場でただただただただ目を点にしていた。




加えて…………、




「ジョシュ・ラトナー。


 ラウ・ラーキン。


 サイラス・ロシュアルト。


 ハウルド・ワーグナー。


 ダイス・クワエト。


 ショーン・コスナー………。



貴方々も前に。……………、…選定の儀を受けてください」





「「「「 …………はぁ???? 」」」」




続け様。名前を読み上げられた本人達も、驚きと不可解な展開に、思わず全員戸惑いの声をあげる。





「「「「 ええ"え"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇーーーーーーっっっっ !!!??? 」」」」」」





思いもよらない予想外の展開に、勢い良く吹き出した彼らの上司であるクリス様が、隣のナオ様に慌てて小声で確認する声が聞こえてきた。





『…………っ!!どういう事だ、ナオ!何でアイツ等の名前が呼ばれた!?』





『わ、分かりません……。何かの間違いでしょう?彼らは本来生徒の中にいるはずの無い者達ですよ。名前自体あるはずが……』




二人が大慌てだ。




無茶振り且つ、流石にそれは無理だろう異常事態に、何でこんな自体が起こるんだ!?

…………予定外過ぎて、理解が追いついていない。





「…………ほほぅ?学園長殿も粋な事をされますのぅ……?」





大物感のすごい、ヨボヨボ学生服の例のおじいちゃんが、ツルピカの頭と、滝の様に長い眉に隠された目をキラリと光らせ、




全てを悟るかの如くに、ニヤリと確信めいた意味深な言葉を口にする。








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