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エマ・ブランドン嬢⑤(魔法学園副学園長 エレノア・ボルチ目線)






そう……、冷めた目付きで王に不遜に話しかけるメチル先生なのだが…。






『………………………答えろよ。赤の王であるお前の目的によっては俺達も黙ってはいない。これ以上、俺達の"若君"と"姫様"の邪魔をする者は……、』


「ホゲギギャァァァァァーーー!!!!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………(炎)







『……、一人たりとも絶対許さねぇ。約定にさえ触れなければ500年前の決着をつけたって……………………、』


「ホギャァァァァァァーーーーーーーー!!!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………!!(炎2倍)








『………………っ……、だからな、……、』


「グルッポケギャアアーーーーーーーーー!!!!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!(炎3倍)







『…………………………っ!!あ"ーーーーーーっ!!!!うるせぇ!!!このボケ鳥っ!!!!!いつまで炎吹き付けやがる!!!この体は防腐に防火仕様だ!!!しつけぇし、しゃべり辛いだろうがっ!!!!』


「ギャアアアアアアーーーーーーーーーッッ!!!!!」


ゴゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーー!!!!(炎4倍)







真後ろで何倍も増し続ける高温の炎を吹きかけられて、大声で奇っ怪な叫び声をあげ続けるからくり鳥にメチル先生は完全にキレた。




【むぅ…。なかなか燃えぬな。兄弟。遺跡から見つけたネクロマンサーの遺物を、せっかく兄者が改造して《探知機兼単独迎撃からくり》にしたのに……】



【うぅむ…。やはり火力が足りぬか…。炎がねちっこい割には、まがい物のすかすか感だな。もっと、こぅ…、一瞬で骨まで消し炭にするようなエゲツない感じで……】




王にまとわりつくトカゲ達は、ペチャクチャ色々、カラクリ鳥について考察して話している。




キレたメチル先生が胸にぽっかり穴を開けたまま、炎を己に吐き続ける鳥に向かい、人では信じられない身体能力で追い回す中、最早あちこち炎の飛び火が部屋に燃え広がっている。





……………もう、学園長室はカオスだった。





「エ、エレノア副学園長〜…………!!」




助けてください〜っ!と、私の名前を呼ぶ先生方は、部屋の脇に皆退避しつつ、学園長室にあった家具やら魔法アンティークやらを盾にして、必死に自分達の身を守っている。

私も何とか炎を避けつつ、状況を把握しようと努めていたけれど……、




「学園長……っ!!!」




もぅ、黙っていられない………!!



キッと表情を引き締めた私は、身を挺する覚悟でこの場を収められる可能性を持つ人間に声を荒げる。



「これ以上は見ていられませんっ!!いい加減止めてください!!学園長!!!これはいったい何なのです!?そうやっていつまでも脇で静観して、学園を火事で燃やし尽くすおつもりですか!?薄らポンコツなのもいい加減になさい!!!」




烈火の如く怒る私の形相に、王の脇に控えて炎の光に眼鏡をテラテラさせたのほほん爺さん……、いえ。我が校の学園長がようやく動きらしい動きをみせる。




「ホッホッホッ。副学園長に怒られてしもうたわい。こりゃいかんの。………………炎帝様。わしの居心地いい仕事部屋が現在進行形でこんがり焦げつつあるのじゃが……………、これはいつまで続きますかの?」





「……………………………………今、終わらせる」




そう言うと、王は片手を上げ、メチル先生に向かって自ら魔法の詠唱を行った。


 



【破邪 紅蓮炎 “獄縛”】





王が詠唱を行った瞬間…。メチル先生の立つ地面から、赤とオレンジ色の炎が高く揺らめき上がった。

そしてメラメラと大きな花を形どったその炎は、その花びらで彼を覆い尽くしていく。




(大輪に開いていた花びらが閉じて、メチル先生ごと蕾に…………?)




すると、次にはドン!!!という凄まじい衝撃と共に、花は地面にめり込み始めたのだ。




花がめり込むと同時に地面は裂け、地の底からは黒い錆びた鎖が何本も伸びて、炎の花にがんじがらめに巻き付き拘束している様だった。





『炎帝っ!!!お前ッ………!!!』





「……………俺の元いた世界では、地獄というものがあって、業の深い亡者は決まってそこに落ちると言われている。そこなら"お前達の主"も、簡単には手を出せないだろう……?地獄の獄卒に可愛がってもらってこい」




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