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はじめまして。私はエマ・ブランドンです⑬








激しい轟音…。身を震わせる衝撃波に加え、体が吹き飛ばされそうな暴風…。




魔導灯の明かりだけが光源だった暗闇のホールに、本来あるはずのない太陽光が天井から一斉に差し込んでくる。 


そして同時に降り注ぐ、破片、巨石、瓦礫、チリ…。




「お…、おぉぅ……」




思わず、私は何とも言えない声を出してしまう。

実を言うと……、この近親感。私には身に覚えがあった。




なぜならこの嵐のような爆発的な登場を、つい最近にも体感。そしてその件からそんなに間を置いていなかったから…。




…………私達は、その時の騒動を《飯奇襲》と呼んでいた。




クリス様やナオ様達なら同じ感覚だったかもしれない。




そう思う瞬間も、豪華で歴史的にも国宝級であろう魔法学園のホールの天井が、現在進行形で、ドゴン、ドゴドガ、ドガランと次々無惨な姿になって降り注いでいる。




それはもぅ…。下から見上げていて、限りなくすごい光景だったと断言できる。




ホームの座席中、無数に張られたたくさんの魔法陣達が、その瓦礫を全て綺麗に弾いて守ってくれていたから良いものの…。




それが無ければ、今頃プチッと潰れて瓦礫の下だ。




………………そして。




落石が大方降り注いだ後に現れた、巨大な黒いディテール。




【兄者!!どうやら白の亡者はもう去った後の様だぞっ……!!少しの差であったか!!口惜しい!!】




【うぬ!?遅かったか!?それでは我らの気に入りの娘はっ!?あの人間の娘………!!…………くっ!!下が細過ぎて見えぬ!!】




【よく探せ兄弟!!娘には我らの食!!兄者の手料理がかかっているのだ……!!!】




地を轟かす様な、巨大な二つの声…。

それがぼっかり開いたホールの天井から轟いて、その穴を埋め尽くすかの如くに黒い巨大な体と頭を潜り込ませ、黄色い目をした生物達が、目をギョロギョロさせて下の様子を覗き見ている。




「エマ……!エマ・ブランドン!!」




………………。あ。名前を呼ばれてしまった。




「まんまと奴に連れ去られていないだろうな…。いたら返事をしろ!!」




「いや………あの……、えっと……」




う…、………ぐぅぅ…。

心配して貰っているのは分かっているのに、思わず物陰に隠れたい心境になってしまうのは何故なんだろう。




(え…、炎帝……様……)




炎を纏い、兄弟竜の影から現れた見知った人物にほっとしながらも、反面…。

目立ち過ぎるくらいの堂々すぎる登場に、物凄くどこかに隠れたい心境に襲われてしまう。




(も、もっと……、静かな登場はなかったんですか………!?)




いくら何でも、これは酷い。

目立つなって、前もって貴方本人が言ったんじゃないですか……!!!




「ありゃ〜〜…。我が主。せっかくかけた暗示が台無しだよ〜〜………」




やっちゃったね〜…!!という、苦笑い気味の少女の陽気な声が響き、



爆音に正気を取り戻したホールの人々の視線が、ドラゴンやら、瓦礫やら、中心にいたエマ達やら……、ザワザワザワあちこちから注がれて始めていた。




「………クリス様」



「……………言うな。ナオ」




これ…。どうする。




言葉に言わないでも、それが事態の全容を知る私達の総意の全てだった…。




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