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はじめまして。私はエマ・ブランドンです⑧






忌々しい!!と言うような舌打ちの後に、闇守りと呼ばれた黒ずくめの怪人の人の口からは、正に腹の底から苛立った嫌悪感MAXの悪態が飛び出る。




喧嘩するほど仲が良いとはよく言われているけれど、親しげそうで、そうでない……、目の前で繰り広げられる言葉の応酬に、私は息をのんで黙って様子を見ているしかなかった。




まだ、心臓がドクバク…。気が動転して、頭もうまく回っていないけれど……、




言葉のやり取りから察するに、目の前で対峙している白いもふもふコートの金の仮面幽霊の人が、




……………………どうやら、例の……"白の王様"らしい。




確かに目の前の人物は、全体的に白いもふもふのコートを含め、仮面以外は全体的に身なりが白い…。だけど…。




(ほ、本当なのかな…?)




そんな事を考えて、私が黒いダンディ声の怪人の人の後ろに隠れて様子を伺っていると、途端に白の王様らしき白いもふもふの仮面幽霊の人が、ちらりとこちらを向いて、




「……………そうだよ。エマ…。私が……、皆が言うところの、白の王で……間違いないよ…。…………初めましてだね」




そう言って、にこりと私に向かって微笑んできたのだ。




「!!?」




先程まで、目の前の二人だけで激しくやり取りされていた会話が、いきなりこちらに会話のベクトルを変えられたのだ。驚かない訳がない。思わず度肝をぬかされる。





………………でも、




(……ん??あれ…?今、何気に普通に話しかけられた気がするけれど……、私がさっき思った事と、何だか会話が成立してたような………??…んん?気のせい……、だよね?)




思った事が、顔に出ていたのだろうか?




つい私は疑惑の目で、相手を凝視してしまうのだが………、




「フフッ…。君は…、変わった魂を持ってる様だけど……、君自身…。魔力は…、無いみたいだね……。でも、不思議な縁に……、恵まれてる様だ……。……大事な縁に、大事に護られてる…………。気に入ったのは……、本当だから………………、そのうち、本当に遊びに来ると良いよ…………。歓迎する」





そう言って、白の王にいきなり魔力を持っていない事を言い当てられたり、招待されたり、不思議な縁とか言われたり……?





返答に困り、目を白黒させて混乱する私の様子が面白いという風に…、ステージ上で白の王様はクスクスと笑っている。




…………そんな様子を見た怪人の人は、バッ!!とマントを広げて私を隠し……、




「また、勝手に人の思考を読みましたなっ…!!うら若き乙女に対して、実にっ、デリカシーの無いっ……!!だから貴方の周りには、死者しか残らんのですよっ!!!相変わらず、悪趣味極まりない!!!」




なんて言っている…。




…………えーと。




思考を読んだ………、と言う事は、本当に白の王様は他人の考えが分かってしまえるという事で……、





(本当に、さっきの会話は成立していたっ…………!?)




ッガーーーーーーーーン!!!と、

あまりの衝撃に、魔法って何でもありなんですか!?と内心激しくツッコをいれつつ、思わず脳内で昔の濃ゆいキラキラ少女漫画のイメージでショックを受けていたら………、




白の王様は直後にサッと音もさせずに斜め下を向いて、しばらくふるふるふるふる…、白いもふもふのコートの肩を微かに震わせていた…。





かばってくれている怪人の人は、「何、下向いて黙っているんですか!?変態っ!!」……と、白の王様の謎の行動に警戒していきり立っているのだが、




もしかして、ツボった…?と、かつて私が前世(地球inジャパン)で自分の笑いのツボにハマった面白画像等を試しに頭に思い浮かべてみると……。




白の王様の白いもふもふのコートが、電動マッサージがかかってるかの様にますます小刻みに震えだした。




(あ……、やっぱり思考が読めてる…………)




仮面の人が言ってる事は本当だった…と、むしろ私は素直に、スン………と納得してしまった。

まぁ……。伝説になるくらいの魔法使いの王様なら、何でも有りなのかもしれない。




なんて言ったって、異世界での転生を自覚した時から、わりとこの手の不思議あるあるは正直日常茶飯事だ…。最近の連続奇想天外も含め、こういうのはサラリと受け入れるのが一番。伊達にたくましく生きてない。





そして、なおも肩を微かに震わせ沈黙し続ける白の王の姿に……、周りのただならぬ雰囲気をまとった面々も、え…?もしかして笑ってる…?嘘だろ…??と、殺気の中にもわずかな動揺を見え隠れさせている。




「…………おやおや、まぁ~…。こんな珍しい事もあるもんだね。白の亡者が上部だけでなく、珍しく腹の底から笑っているよ…!明日には槍でも降るのかねぇ~……」




ザワつく集団の中…。自分で用意したのか、年季のはいった小さな椅子にちょこんと座って、じっとこちらの様子を伺っていた年老いたおばあさんが、ケタケタケタと笑って話に入ってきた。




「珍しいものを見せてもろうたが……まぁ、余計な事でも、脇からちょっかいかけるのは年寄りのさがじゃて…。白の王よ。良いのかぃ?猛スピードで近づいてくる気配……。もぅすぐ我らの主が飛んでくるぞぇ……?争い事を起こすつもりがないのなら、亡者は、己の穴に戻りゃんさい」




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