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はじめまして。私はエマ・ブランドンです⑦








(こ……、怖い……、っ!!)




白い………、何か得体の知れない恐怖が、音もなく迫ってくるような感覚だ。




金のマスクからのぞく美しい若草色のエメラルドの瞳は、私の中の内側の………、





………………私でも知らない何かを見透かしてしまいそうな、そんな異様で怪しい光を放っている。





"逃げなければいけない"と思う頭と、動かない足。





異様にきれいな瞳から視線がそらせず体は固まるだけなのに…、胸元で鍵を持つ手の力と感じる汗の感覚だけが、必死に自分の中で抵抗している。そんな状況だ。




…………そして、永遠にも感じる緊張の中。

目の前の妖しい人物が、白いコートの中から青白い手を出し、緊張でこわばる私の頬を包もうとした時……。




ヒヤリ。冷たい冷気の風が、私の肌と頬に触れる寸前の手の間を吹き抜けていった。




「……………それ以上は、近づかないで頂きましょうか?この子は、"炎の王の庇護下の者"です。白の王の干渉はお控え頂きたい」




(!!??)




聞き覚えのないダンディな声。それが目の前で聞こえたかと思うと、気がつけば、今度は私の目の前の視界が真っ黒なマントで埋め尽くされていた。





先程まで白いもふもふの人が息も感じるような至近距離にいたはずが……、いつの間にか、元いた場所から少し離れた斜め後ろに瞬間的に移動していたのだ。




そして、私をかばうような形で立ちはだかる、黒く光沢のあるシルクハットをかぶった怪しい人物…。

全身を黒い布とマントで包んだ、まるで物語に出てくるかのような怪人だ。

いかにも奇妙で怪しい人物。




白いもふもふの仮面の人も大概だけれど…、黒い怪人の人も、笑った道化の顔が描かれた白い仮面を着けていて、それがますます異様さに拍車をかけている。




思わず、怪人オンパレードかっ!!とツッコミをいれたくなる私なのだが、変わったのはそれだけではない。




私の周りの状況も……。

今や最初に私とエレノア副学園長だけが立っていたステージには、幾人もの見知らぬ老若男女が、それぞれ独特な雰囲気を醸し出しつつ、ぐるりと私達の周囲を囲んでこちらを注視していた。




「白の王…。基本この学園内にいる際は、互いに干渉は行わない。下手な小細工も行わない。結んだ約定を破られるおつもりか…!?今の均衡を崩せば、今度こそ女神達が黙っておりませんぞ。"大事な貴方の細君"を失いたくなければ、大人しく己のテリトリーにさがるがよろしい…!!」




ダンディ声の黒ずくめの怪人の人が、白いもふもふの人に激しくそう言い放つと、白いもふもふの人は微動だにせず、視線だけをこちらに向けて音もなく反応を返す。

 



「…………久しいね。闇守り。まだ生きていたんだ…………。他にも数人、見覚えある顔も見えるけれど………、どういう風のふきまわし…………?久々に地上に出てみれば、君にも会うし………、見覚えのある顔もある…………。同窓会でも開くの…………?」





そう言って、コテンと首をかしげる白いもふもふの人。首をかしげたと同時に、彼の金の仮面の装飾がシャランと音をたてる。




「いいえ?違いますな。年がら年中亡霊の様に漂って気紛れに生き続ける貴方と違い、私達はこの度、"学園の新たな教師"として"正式に"招集されたまでですよ。培った経験と知識は、後世に残していかねばなりませんからな!!」





「………………ふ〜ん……?そう………。なら、近々私の所にお茶を飲みに来なよ…………。その子も一緒に…………。歓迎するよ…………?」





「ハッハッハ!!とんだご冗談を!!貴方の部下と同じく、そのまま亡者の国の一員にはなりたくありませんので、全っ力で遠慮願いたいですなぁ。貴方の夢想の箱庭には、貴方だけいればよろしい!!」





「……………………皆………、元気だよ……?今は、ほとんどが……骨と魂だけだけれど…………。君と死闘を繰り広げた将軍達も、君と久々に会って白黒つけたいって…………、歓迎してる…………」





「……死んだ後もしつこいなんて、主も主なら部下も部下ですなぁ…!!もういっぺん、地獄の底に行ってくたばってこいと伝えておいてください。でなければ、とびきりの聖属性魔法師を連れて、塵も魂をも残さんぞと…!!」






「…………フフッ。………………わかった。きっと喜ぶと思うよ………………。久々に彼ら君と罵りあうのも………、楽しそうだったし………………」






「……………………………………ちっ!相変わらず、気色悪い変態主従共ですな…!!」





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