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エマ・ブランドン嬢②(ナオ・ビフケル目線)




(道中、何かはありそうだと思っていましたが………………。厄介ですね。考えられる残った選択肢が面倒な方しか残ってませんよ……)




どうすべきか……、私は頭を抱えたくなってくる。




残された答えは単純。





エマ嬢を連れ去った相手が、"国でもトップレベルの魔法騎士団"である自分達の力量を、"はるかに上回っている"という事だ。





相手が何かをしたにしろ、自分達はその痕跡さえもたどれない…。





この意味の深刻さは、否応無く戦いの前線で経験を積んできた自分達にしか分からないものだ。






(嫌ですね……。相手はいったい誰でしょうか…?エマ嬢に何らかの価値を見い出した誰か…………?)





頭の中に網羅されているリストの中から、彼女に興味を持ちそうな対象を何人か上げていく。





国内外の有力な王公貴族、商会、宗教、闇マーケット…。





可能性として考えられる目ぼしいリストと人物の名前は次々浮かんでくるのだが……、どうしてだろう。あまりピンと来ないのだ。




そして、どうかあの方々は違いますように………と願いを込めてはみるものの、どうしても頭の中に浮かび上がってくる到底無視できない存在…。

その可能性を無意識に頭から押しやろうとしても、どうしても片隅にちらついて仕方がないのだ。





(……………何となく、わずかでも似た印象を彼女から感じたからでしょうか……。エマ嬢が持つ空気…?あくまで感覚的なものだから説明のしようがないんですが………)





一目見て、何故だかそう感じた。





まるで、彼女をとりまくその空間だけに、違う理が存在、成立しているかのような……不思議な感覚だ。





特に、エマ嬢にはその感覚が強く感じられた気がする。





魔法も何も使えないはずの彼女に、何故そこまでの印象を覚えたのか……。




(何というか……、考え方も着眼点も、そもそも根本が違うというか……。知識はしっかりと持っている印象が見受けられるのに、村の生活以外の一般常識に関してはほぼ皆無。今まで本当に野菜作りしか頭に無かったという様子で……)




ふと、頭の中に初めて彼女に会った時の事がよぎる。





霧の深い早朝。

山深い谷間にある辺境の集落。その野菜畑の中を進んで彼女を見つけた。




幼馴染みをクリス様につまみ上げられ、扉を開けた瞬間にそれを見た彼女の呆けた顔。





あのあんぐりと開けられた口と目は、………………思い出すと吹き出しそうになって危ない。






(…………雰囲気だけじゃないですね。あの村も、村に行き着くまでのあの異様な緑の多さも。確かに普通とは全てがかけ離れていました。原因は何にあるのか……。名指しで指名されているということは、彼女に何らかの答えがあると上は見ているんでしょうが……)





でも、実際に自分も団員も畑作業も手伝ったし、

特に彼女が特別何をしている……という訳でもなかった。





種まきも、収穫も、草取りも、畝作りも、皆手分けしてやっていたし、何も変わった事は無かった様に思う。





(……それでも、植えている野菜だけは初めて見る野菜ばかりでしたね。変わっていた事といえば、思い当たるのはそれくらいな気が……)






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