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炎の魔術師 炎帝ハル・グラヴィス 本名は…、⑤






「な…、長生き過ぎませんか?…………若いし………。確かに魔法使いの寿命が長いとは聞いていましたが、現マルスの王様もそこそこの年齢相応の方だと聞きました。まさか…………、歳をとらないのは異世界特典……とか?」






「……いや。俺は後ろにいるコイツらの母親に育てられたんだが、成人した時に思わない形で力を譲り受けてな…。元々魔法の素質もあったんだろうが、それに加えてドラゴン竜の魔力だ。体に変異が起こり、成長が極端に遅くなった。まるで時間が止まってしまってるかのようにな…。まぁ、呪いの一種ではないから徐々には時を刻んでるはずだが…」





「へ、へぇ~……」






私はとりあえず、わかったふりで相づちをうってみる。




つまり、それはあれか。

言葉で表すなら、まさにザ・ファンタジー……………。




村を出る前、村長のザックじいから例の王様が長生きで今も生きてるって話は聞いていたけれど…。

骨でミイラでヨボヨボを想像していたが、むしろ全く逆だった。

これで600歳近いと言われても誰が信じるものか…!!!




田舎の、魔法とは無縁だった世界が当たり前だった私には、頭が追いつきそうもない次元の話だ。





「じゃあ…、貴方がこちらに転生した時期は、600年くらい前って事ですか?ということは、時代は……あれ?何時代!?とりあえず……、炎帝様は日本の方で間違いない…ですよね……?」





「………日本か。……ヤマトの国を今ではそう呼んでいるそうだな……。俺が覚えている故郷は、百姓でも野蛮に武器をもって戦をはじめている時だった。

貧しい農民だった母と祖母と細々と暮らしていたが……、流行り病で死んだのか、野武士に殺されたのか……、気づいたらこちらで赤子になっていた。それから得ている話は、時折同じように現れる同じ境遇の者か、運悪く流されてくる異世界人から聞きかじったものばかりだ。ちなみにその羊羮も同じく日本から流されてきた婦人から習った。異国の異世界人に関しては、はじめ同じ世界から来たと言われても全然理解出来なかったがな」



「ヤ、ヤマトの国……」




その言葉を聞いただけで、何となく彼の時代背景が浮かんでくるかのようだ……。




とりあえず話からして、彼も…。

炎帝様も同じ日本人という事は間違いないみたいである。




「異国の異世界人…。それって、外国の……、アメリカとかヨーロッパとかの日本とは別の国の人達の事ですよね?いろんな国の人がこちらに来てるってことですか??」




「……国はわからないが、明らかに別の文化の人間達だったな。髪の色も肌の色も違ったし、存在を理解するまで相当かかった。共通して言語変換能力は女神達から授かっていたから、話をすること自体は苦労しなかったが……」




「言語変換能力……???」




言語変換能力って、別の国の言葉でも、あのこんにゃくを食べるとどんな世界の言葉にも困らないというあれと同じ事だろうか?




女神様がそのこんにゃくなるものをくれるのか?





まったく不思議な話である。





「ピンときていないという顔だな……」





私のいまいち何とも言えない反応を見て、炎帝様はふぅとため息をついた。





「まぁ………、とりあえず俺から言える忠告は、異世界の記憶があるという事は、今から向かう学園でも周りには絶対に口に出すな。お前につけられるであろう、護衛供にもだ。下手をすると、記憶の知識を引き出す為に良いように利用されて、いじくり回されたあげくに死ぬ事になるかもしれないからな……」





「ぶっ!!」





炎帝様の口からさらりと恐ろしい言葉が出てきて、何気なく一呼吸しようとお茶を口にしていた私は思わず吹き出してしまう。




(う、宇宙人じゃあるまいに、そこまでする!?)




ん?…でも異世界から来ているってことは、立派な宇宙人みたいなものなのか?





…………いやいやいやいや。それでもいじくり回して死ぬとか、あんまりにもやり過ぎだ。





物事には限度ってものがある。





相手は同じ人間だし、元から口に出す気はさらさらありませんでしたが、話が飛びすぎやしませんか……!?






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