第7話 βテスト⑤〜an,pon,tan,アン、ポン、タン〜
日間19位!
100pt!
ありがとござます!
それだは、
楽しんでっ!
報告しますっ!
集中スキルの本質を理解して、3日。
俺は、色々と研究をしていた。
何ができて、何ができないのか。
それをはっきりさせれば、もっとこのゲームを楽しめると思ったからだ。
色々やって最初に分かったのは、基礎ステータスしか変えられないということだ。
試しに、剣の耐久値を増やそうとしたら、無理だった。
スキルのレベルが上がったら、それも出来るようになるかも知れない。
ま、今は分からないから、それは後回しだ。
検証している時に気づいたんだが、このヘイト値て言うのは、敵キャラに攻撃をして気づかれたらヘイト値が上がる。
そういう仕組みだ。
パーティを組んでる場合、ヘイト値が一番高いプレイヤーに敵はターゲットを移す。
だから、誰かとパーティを組んでる時は、敵が誰をターゲットにしているかが分かる数値だ。
スキルのせいで、誰ともパーティを組めない俺にはあまり関係ないと思っていたが、
ヘイト値も、操作できるんじゃね?
って思ってやってみた。
そしたら、出来ました!
これには俺もびっくりだ。
ヘイトが上がらない対人戦では有効には使えないけど、敵モンスターにはだいぶ有効だ。
ヘイト値の最低数値は10。
これより下がることは絶対ない。
だからモブキャラは基本的に10のやつを狙う。
ただ敵が強くなっていくに連れ、ヘイト値10に反応しない奴らがいる。
その敵に正面から向かっていくと、ヘイト値が勝手に上がっていく。
そしてその敵が反応する数値まで達してたら、プレイヤーを攻撃の対象として、見てくる。
そいつらに対して、死角からクリティカルヒットを当てれば、ほぼ二回攻撃すれば終わるが、現実的にいつもそれが出来るわけじゃない。
ただ俺の<集中>を使えば、常時ヘイト値を10にし続けて敵に近づける。
近くに行ってヘイトが上がったら、10に下げる。
下げた時に出てくる数値を、ATKに移動させる。
その状態で急所に攻撃をする。
この3日間で、俺が編み出した俺だけのソロプレイのスタイルだ。
ただこのスタイルには弱点じゃないが、欠点が存在する。
それがさっきのヘイト値だ。
俺が言ったのはメリットで、上がってしまったヘイト値を他のステータスに振り分ける。
これはめちゃめちゃ強い。
だが、敵が上げたヘイト値は、その敵を倒したり、敵から離れ過ぎると下がってしまう。
例えばヘイト値が今100で、俺はスキルを使ってヘイト値を10に下げる。余った90をATKに振っても、
戦闘が終わると、さっきの90はマイナスされて、元のステータスに戻ってしまう。
一瞬だけでも強くなれるチートじみた能力だが、そのあと弱くなるって考えるとなんか悲しくなってしまう。
使い方によって、化けるスキルだと思います!
以上、報告終わり!
で俺は今、ギルドに来ている。
結局登録はしたが、俺のことを嫌っている奴等がいるから来なかったんだよな。
しかもあの時俺まだ<集中>スキルゴミだと思ってたし、あいつらと喧嘩しても負けそうだったからな。
ただ、今の俺は違う。
多分トッププレイヤーにすらなれる気がする。
と内心では思っているが、俺はひっそりと活動する。
わざわざ自分から面倒に巻き込まれたくないからな。
そう思って、コソコソとギルドのクエスト受付のところへ行こうとすると、
「おいおいw ありゃ可哀想なスキルの子じゃん!」
はぁ。めんどくセーぞこりゃ。
俺に声をかけてきたのは、前回ギルドに来た時に俺をバカにしてきた三人組だ。
左から、アン、ポン、タンとでもしておこう。
「ちょっと、きみぃ俺らにお金貸してくんなーい?」
ポンがすっごい怖い顔して、こっちにそう言ってくる。
残念だったな、
うちの阿修羅の方が百倍怖い!!
しかも俺には最強のスキルが今はあるんでな。
売られた喧嘩は買ってやる!
まず手始めに挑発だ。
「あの、その気持ち悪い顔どけてもらってもいいですかw?」
おっと、ポンの顔が怒りで歪んだぁ!
ここからどうするんだ?
「てっめぇ!よくも言ってくれたなぁ!」
そう言って、ステータスを操作する。
数秒後、俺のステータスに「決闘」のふた文字が現れた。
、、、
このゲームに決闘システムあったのね。
いい勉強になったよ、ポンさん。
「俺とぉ!決闘をしろぉ!」
「はい。分かりました。」
「、、、え?」
まさか相手は、俺がオッケーするとは思ってなかったんだろう。
だがしてやるよ!
だって多分俺の方が強いもんね。
てな訳で、このゲームではじめての決闘!
剣道部の力見せてやんよ!
俺が決闘に参加すると言ったら、ステータスが閉じて、代わりに俺とポンの下に、丸い円が出てきた。
<決闘中は、ここから出ることはできません>
試しに俺が円の外に行こうとしたら、この表示が出たからまず間違いないだろう。
その後数秒して、<開始>という、アナウンスが出たので、取り敢えずポンの動きを見る。
ポン、スッゲーきもい顔でこっち見てる。
これはあれだ、絶対現実ではロリコンだw
「来ないんですか?」
一応もうちょい挑発する。
「うるせー!」
そう言って自分からこっちに走ってきた。
これならAGIに振る必要はない。
そう思って、保険のためにHP700を残して、後の数値を全部ATKに移す。
これ多分耐えれないだろうな。
この操作を終えると同時に、ポンが剣を上から振りかぶる。
俺の得な先読みで、左めがけてに振り下ろすことがわかってるから、右にさっと移動。
AGIが0だから、あんまし早く避けれなかった。
なんてこと思いながら、ポンの腹めがけて、水平斬り。
「っぐぇ!」
腹を切られたポンさんは、HPバーがもう赤い。
いやー、弱いなw
ここでちょいと脅しとくか。
「まだ続けますか?」
ポンさん、がたがた震えながら、顔横に振らないで。
「す、すいませんでした!」
あれ、意外と素直だな。
ポンがすいませんでしたと言ったと同時に、<あなたの勝利です!>というテロップが出て、ほっと肩を下ろす。
ポンが弱かったからよかったけど、もっとスキルの振り分けについて考えないとなって思いながらギルドを後にしようとすると、
「「「すいませんでしたっ!」」」
綺麗な土下座が三つ俺の前に。
怖くなったポンたちだった。
謝ってるから、ゆるしてもらえるなんて思うなよって言いたいところだけど、これはチャンスだ!
パーティになれるチャンスだ!
「もういいよ、それは。
ところで君たちの名前は?」
と聞くと、左から、アンジェルークです!ポンデリアです!タンフリーです!
って言いやがった。
、、、、、、
まさかほんとにアン、ポン、タンだったとは、、、
その事について驚きを隠せずにいると、3人は俺に、
「兄貴って呼ばせてもらってもいいですか!」
なんて言ってるし、勝手にフレンド登録もされてた。
そのあと、俺はその3人を手下?にすることになって、ギルドを出た。
あぁ、きょうもクエスト受けれなかったぁ、、、
今日は一話のみの投稿にさせてもらいます。
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