第5話 βテスト③〜少女と野獣〜
日間76位!
ありがとです!
たのしんで!
速報です。
今私の前に、まあまあかわいい女の子がいます。
その女の子は、とある野獣に襲われそうです。
こういう時は、
逃げるでしょ。
無理だって。先輩がいるもん。
先輩には勝てない。
しかもさ
ほら、去年辺りにあったじゃん。
「逃げるは◯だが、役に立つ。」
本当に、この言葉は素晴らしい。
そう思って、後ろを振り返りダッシュしようとすると、
「っちょっとぉ!どこ行こうとしてるんですかぁ!こうゆう時は、助けるのが普通でしょ!」
あいにく、俺は普通の人生は歩みたくないんでな。
「え?! まだかえろうとしますっ?ホントに助けてぇ」
うん、そうだよな。
「わかった。助ける。」
「え?!ほんとですか?やった!」
「代わりに、それなりのもんはもらうかんなっ!」
そう発した後に、俺はさっきのポイントで振り分けた、AGIの速さを体感しながら、先輩(野獣)との距離を詰める。
野獣が認識する前に、懐に入り、今、振り下ろそうとしていた爪を左手叩きあげる。
そして、右手に持った剣で水平斬り。
野獣は後ろによろめく。
その隙を逃さず、両手で剣を持ち、俺の最も得意な技「楽だから」という理由で練習し続けていた、ただ剣を振り下ろすという動作。
それだけだがもっとも効果的で、偶然にもシンの放った攻撃は両方とも敵の急所に当たっていて、
クリティカルヒット。
野獣さんは霧散した。
「ふう。大丈夫か?」
「、、、あ、ありがとうございますっ!」
「おう」
なんだ。結構真面目そうな子じゃん。
「どうぞ」
「?」
「早くしてください!」
何を?
「私の全てを取るって、」
「いや、言ってねーよっ!
ただ見返りはもらうって事だよ!」
「え?!そうだったんですかぁ。危ない危ない。覚悟を決めて、この変態さんに全てをとられる覚悟でしたが、、、」
「誰が変態じゃっ!」
「もしかして、絶世の美女である、
この私と話していることに照れちゃってるんですか♪」
もしかして、自意識過剰な女である、
そのあなたと話していて、切れそうです♪
「照れ屋さんなんですねぇ。ところでこれから、用事でもありますか?」
自惚れなんですねぇ。 これから、あなたから離れるという用事ができました。
「あ!でもあたし今日は今から用事あるんでしたぁ。フレンド登録しておいたんで、また会いましょ♪★」
やったぁ!今日用事あって帰ってくれるのねぇ。勝手にフレンド登録すんな!もう会わん♪★
そうして少女は姿を消してしまって、俺も時間的にログアウトしたほうがいい時間だと判断して、ステータスを開いた。
野獣との戦闘のせいか、レベルが3に上がっていた。
嬉しいな。
スキルの振り分けは明日やろう。
そう計画して、ログアウトする。
体と脳がつながる。
よし。現実に戻れた。
時間は19時。
もう数分で、母親から声がかかるはず。
だからそれまで、ネットでNumbers Onlineの情報収集。
そして数分後、母に呼ばれて、一階に降りる。
うちの家族は、父、母、兄、妹、俺の5人家族だ。
で、夜ご飯だけは一緒に食べる。
なぜか知らんがそうゆうルールなんだ。
そして、みんな自分んたちの生活について話したりする。
ついでに言っておくと、俺達兄妹はかなりのゲーマーだ。
基本的に、ゲームもうまいし面白い。
年齢、経験差があったりするはずなのに、スマ○ラでも互角なんだ。
まぁス○ブラは、実力が同じくらいだからこそ面白いんだが。
で、俺は今日はもちろん、βテストに当たったことについて話すつもりだ。
「今日部屋でずっと何してたの?」
まさか先に聞かれるとはな。
ま、隠すことじゃないし、堂々というか。
「んー?」
今口に入っている、今日の晩御飯のカルボナーラを飲み込んでから、俺は素直に、
「今日ね、NumbersOnlineのβテストに当たった。」
「「っぶっふぁ!!」」
2人とも同時に、カルボナーラを吹き出した。
うわ、、、、
きったな!
「本当か真?」
「にいちゃん、ほんとだよ。」
「でもにぃ、あれめっちゃ当たるの難しいはず、、、」
妹にも信用されてない、、、だと。
「まぁいいや。僕はNumbersOnlineを先にたのしんでおくから、正式発売まで我慢してろ。」
「、、、」
黙ってまたカルボナーラを食べ始める2人。
これ絶対信用されてないやつや。
、、、悲しいよ僕は。
まぁ信じてくれなくてもいいんだけどね。
ってわけで、さっさと飯食って自室へゴー!
「ちょっと、真、」
ん?
今まで黙っていた、母が私に声をかけてきた?
しかもいつもより声のトーンが低い?
「な、何?母さん。」
「さっきゲームの話ししてたけど、高校に向けての勉強もしてるんでしょうねぇ。」
実は、今は三月の中頃であり、俺は4月から高校に行く。
で、多分ん勉強してないと思われてるんだろーな。
「あ、ああもちろんしてるよ」
「ほんとでしょうねぇ」
あれ本当のこと言ってるのに、また信用されてない?
しかも母の後ろに、ス◯ンドが見えるような気がする。
あのスタ○ド、多分嘘を見つけるス◯んどだ。
これはやばい、早く誤解を解かないと オーオラオラオロオラオラてってされちゃうっ!
「母さんほんとに、勉強してるって!マジです!信じて!」
「、、、」
母の顔が阿修羅だ。
そして、今の俺の弁解を聞いてか、阿修羅オーラが収まっていく。
「分かったわ。じゃあ上いっていいわよ。」
はぁ。良かった。
全くこれじゃから最近のもんは、なんて思ってたら、また一瞬阿修羅が見えたので、即退散。
俺は部屋に戻って、ベッドに倒れこむ。
そのまま寝ようと思ったが、パソコンの電源がついているのを見て、消しに行こうとパソコンへ向かう。
俺は、飯を食う前に、とあるサイト、をみていた。
それはNumbersOnlineの正式な掲示板で、色々気になって見ていたのだが、今、最新のニュースとして、掲示板にはこんなタイトルがあった。
<速報です。今、私の前にまぁまぁ可愛い女の子がいます。>
どんなタイトルだよと思い、そのページを開くと、そこにはとある女のこの画像があった。
そこにいた女の子は、俺がついさっきゲームで見た。あの女の子だった。
なんかめんどくさそう。