異常なレベルアップ
『アクアショット:水をすごい勢いで打ち出す魔法。消費魔力は6。水魔法(中)以上を持つ者は更に魔力を込めて威力をUPできる。登録するにはスキルポイント1が必要です。登録しますか? YES or NO 』
俺は生憎とスキルポイントを持っていないのでNOをタップしようとする。すると柔らかい手に掴まれ、押せなかった。女神様である。女神様は言った。
「馬鹿者!もうNOを押せば二度と再現できないんだぞ!!今からレベル上げに行く。最初はレベルが上がり易いからそこら辺の魔物でも一体や二体倒せばレベルが上がる」
「確かにそうですね」
ということで俺は女神様に付いていき、いわゆる狩場と呼ばれる場所に着いた。のだが、明らかに最初の街で居てはいけないものが鎮座していた。
「お~ワイバーンか。初心者の草原に居るとは珍しいな」
少し風に煽られながらも本当に、珍しいものを見た、といった風に女神様は立っていた。まあ確かにワイバーンというものは竜の亜種だから普通の竜よりは弱いというのが良くある設定だけども!!!間違いなくこの迫力は竜だ。俺なんか足がガクガク震えてるからな!!
そんなことは露知らず、女神様は当たり前のように残酷な命令を出してきた。
「じゃあ、狩って来い」
「いやいや、無理だろ!!!!」
「お前のステータスなら戦闘の素人ですらアイツに勝てる」
「足がガクガク震えちゃってるから!!」
「なら、とにかく沢山魔力を込めてウォーターボールを撃て。それなら一発でアイツは倒れる」
「む、」
「お前が死ぬことになっても私は助けないからな」
やるしかないっていうことだろう。女神様は俺のことを気に入った、とか言っていたし、称号にもなっているが俺がここで攻撃しなかったら「つまらない男だな」で俺の人生が、終了?待てよ。ここで死んでもデスペナが付くだけのはずだ。最悪キャラを消されても特に問題は無い。死んでも屁でもないじゃん。
あまりのリアリティにリアルと同じだと思っていた俺を恥じながらウォーターボールと念じる。ウィンドウが邪魔だな。
詠唱している途中に水球に魔力を注いでいく。
注げるだけの魔力は注いだ。最後のフレーズを俺は言った。
ーー刹那
まるで弾け飛んだかのように猛スピードで水球は地面を駆けていく。
ワイバーンの首の下に丁度位置した。すると、まるでアッパーをかまそうとするかのように急上昇した。
その瞬間
ワイバーンの首をぶち抜いた。そして水となって降り注ぐ。それと同時にワイバーンは空中から墜落した。トゴン、ワイバーンの体が地面に衝突し、大地を揺らす。その墜ちたワイバーンからは先の風格が消えていた。
倒したのか?あ、これフラグじゃん。だが、幸いにもプラグは回収されなかったらしい。焦ったのもつかの間、レベルアップのファンファーレが鳴り響く。安心した瞬間、それと同時に出てきたウィンドウに俺は驚愕した。
『ステータス
名前:セルア
LV:3
種族:妖精族
職業:水魔法使い
称号:幸運に愛されし者
神に期待されし者
ニング街の救世主{New}
能力値:体力:406{50UP} 物攻:281{40UP}
魔攻:693{120UP} 速度:474{60UP}
魔力:903{120UP} 物防:282{45UP}
魔防:712{110UP} 幸運:500
スキルポイント:6
職業スキル:魔法作成
水魔法(大)【ウォーターボール】
スキル:豪運 幸運 開運の祈り
開運の呪い 不運の呪い
主神【ヴィレーヌ】の加護 救世主{New}』
スキルを持っているにも関わらず幸運の値が+50されなかった理由はしっかりあります。ミスではありません。