早速チート
よし!と活を入れて矢印の方向に進もうとすると、突然矢印の向きが変わり色も金色になった。流石に金色の矢印で悪いことはないだろう。ラッキーだぜ。
左上に表示されるMAPを見つつ歩みを進めていく。すると少し開けた所に出た。矢印はどう考えても浮浪者であるおっさんを指している。MAPを見ても変わらない。嘘でしょ...
俺が立ち止まっているとおっさんはこちらに進んでくる。ど、どうしよう。よし!腹を括ってこのクエストを受けるぜ!だが、俺は怖いので自分からは行かない。待っているだけだ。そしておっさんが話しかけてきた。
「何を突っ立て居るんだ。そこの妖精族。見たところ冒険者か、しかも魔法使い」
おっさんだと思われていた浮浪者はキリッとしたイケボで俺に話しかけてきた。推理もキレッキレである。冒険者、というのはプレイヤーの設定だろう。
「君、気にいった。僕が力を授けてあげよう」
「ありがとう」
まじかよ、ラッキー。早速、幸運の値が異常なのの効果が出てるぜ。
「それにその力の上手な使い方も教えよう」
「本当にありがとうございます」
「では、」
そういうと男は呪文を唱えだした。
「神力の解除を申請、干渉の制限、受注する神力のパラメーターを1に設定。ダミーの体の書き換えの開始を申請、・・・Rewrite完了」
その神聖さは比喩に有らず、周りを光らせていく。
その男性の存在、力が溢れ出し、街の周りを白い光で染め上げる。
「神として化身に受肉。神力を宿すことに成功」
そして光が最高潮に達した瞬間、俺にも光が宿る。
「少年に原始の魔を行使、完了。神域の封印具を申請・・賜うた。装着完了、プロセスを終了する」
男性の呪文が終わると光が収まった。俺の体からは、魔力とおぼしき熱いものが全身を駆け巡っている。まさに体中に力が溢れているという奴だ。というかさ、あの男性って神だよね。普通に神としてうんたらこうたら言ってたし....
俺、神から力を貰っちゃたよ。しかも感覚的にやばい力だぞこれ。マジでどうしよう。まあ取りあえずステータスを見よう。もしかしたら案外普通かもしれないしな!!
『ステータス
名前:セルア
LV:1
種族:妖精族
職業:水魔法使い
称号:幸運に愛されし者
神に期待されし者
能力値:体力:356 物攻:241
魔攻:573 速度:414
魔力:783 物防:237
魔防:602 幸運:500
スキルポイント:0
職業スキル:魔法作成
水魔法(大)【ウォーターボール】
スキル:豪運 幸運 開運の祈り
開運の呪い 不運の呪い
主神【ヴィレーヌ】の加護』
はい、完全チートでした有難う御座います。何?このステータスで何をすれば良いの?魔王でもぶち殺してくればいいの?それにしてもヴィレーヌって名前的に女じゃね?どうでもいいことを考えて現実から逃げようとするが神様は許してくれなかった。
「じゃあ、操作方法を教えるぞ」
「まずは魔法名を念じてみてくれ。そうすれば魔法の詠唱を勝手に体が始めるはずだ。おい!何を蹲っている!早くやれ!」
「ヒ、ヒィ、わかりました!」
俺は否応なしにウォーターボールと念じて詠唱を始める。バイン、バインの女性に変わった神はそんな俺を見て目をキラキラさせていた。おい、女神。そのワガママボディと整った顔が台無しだぞ。
内心で悪口を言いつつ俺はウォーターボールを完成させ放った、女神に。
特大の水球が女神様に高速で迫っていく。
『ステータス
名前:セルア
LV:1
種族:妖精族
職業:水魔法使い
称号:幸運に愛されし者
神に期待されし者
能力値:体力:356{348UP} 物攻:241{236UP}
魔攻:573{558UP} 速度:414{394UP}
魔力:783{743UP} 物防:237{230UP}
魔防:602{586UP} 幸運:500
スキルポイント:0
職業スキル:魔法作成
水魔法(大)【ウォーターボール】
スキル:豪運 幸運 開運の祈り
開運の呪い 不運の呪い
主神【ヴィレーヌ】の加護{New}』