俺氏、落ちる
満腹度云々はヘルプで新しい項目を見る予定でしたが、生態に食事も当然ならが入るので生態の中に『食料は要らず、魔力をエネルギーに変換していると考えられている』という一文を入れました。前話で伝えわすれました。すみません。
ゴブリンの前に着くと彼女は手を離し、はにかんだような笑顔を浮かべた後ゴブリンへと向かっていった。彼女は速い。
その速さを活かすようにダガーの様なものでゴブリンを切る。まだ、ゴブリンは死なない。華麗なステップでゴブリンからの反撃を避ける。
そしてすれ違いざまにノースさんは一太刀入れた。するとゴブリンは息絶えたのか突然、糸が切れたかのように地面に倒れた。
普通のプレイヤーってこんな感じなのね....最弱の魔物、ゴブリンでもワンパンは出来ないのか。しかも得意げに眩い笑顔でピースしているということは、俺以外では高い方に位置するのかもしれない。
単純に、倒せたからとか、いいプレイが出来たからかもしれないが。そう考えているとノースさんが詰め寄ってきた。そして言う。
「凄かったでしょ!!」
「凄かったぜ!」
出来るだけ不自然にならないように、親指を突き立てて俺は言った。やはり、さっきのプレイは凄い部類に入るらしい。新技とはいえ、明らかなオーバーキルで倒した俺としてはいまいちあれが『凄いことをした』とは思えなかった。
まあ、そこら辺は追々《おいおい》ノースさんとパーティを組むことによって付けていけばいいか。俺はそう結論づけ、他愛も無い話を振る。
「それにしても速かったな。獣人族だからか?」
「獣人族だからっていうのもあるんだけど、スキルのお陰かな」
「速度を上げるスキルか」
「そう、速度を上げるスキル。アクティブの効果とパッシブの効果があって中々強力なのよ。ユニークスキルかもしれないぐらいには!!」
「スキルにも種類があるのか」
どうやらスキルにも種類があるらしく、ノーマル、レア、ユニークの三種類あるようだ。その情報はヘルプに書いてあるらしい。Wikiや攻略板とまでいかなくてもヘルプぐらいは見ておいた方がいいかもしれない。
主に俺の保身の為に。
板に居たっていうことはやっぱりノースさんは攻略に重きを置く人なのかな?
「やっぱりノースさんは攻略に重きを置く人??」
「う~ん、攻略もしたいけど色々やりたいかな~」
「なるほどね。板に居たのはネット住民だからか」
「ちがう、ちがう」
ノースさんは手をぶんぶんと振って否定する。じゃあ何で板に居たんだろう。板に居たって連呼してるけどダジャレだったわ。
正直、ネット住民であるかどうか何て俺はどうでも良いからね。余り、入り浸り過ぎているのは日常生活に支障をきたすので良くないと思うけどね。
「妖精みたいなそ、そのカッコイイ男の人が居たから気になって調べてたら見つけたの!!!」
「そうか」
俺はそう答えるので精一杯だった。向こうは知らないがこちらは完全にハートを持ってかれたわ。可愛すぎだろ。