ドキッ♥フレンド交換
一日二回更新になりそうです
冒険者ギルドに入ると中は喧騒としていた。それはここ、一階によるものではない。二階の酒場によるものである。二階の酒場では屈強な姿をしているNPCと大人のプレイヤーの方々が騒いでいた。
プレイヤーの条件が高校生以上になったもの頷ける。まさか、NPCはともかくプレイヤーがこの昼間から酒を呑むとは...
呑んだくれが居るものだなと思いつつ北山さんを探す。冒険者ギルドはプレイヤーが結構居て北山さんがどの人かはわからない。アバターが女性とも限らないので本当に誰かわからなかった。
俺がただ、うろうろしていると猫耳の女性に声を掛けられた。何だか嬉しそうである。
「噂の妖精男さんですね?」
「はい」
なるほど、そういえば俺は珍しい妖精の格好をする男として有名なんだった。なに、俺に声を掛けるのは有名人に声を掛けるのと一緒の扱いになってるの?内心で誰かに俺はそう訊いた。
「な~んてねっ」
そう言うと俺に体を近づけてきた。キャラ作成のときにナイスバディにしたのか、元々なのか色気がある。俺が思わずゴクリ、と思わず唾を飲むと小声で囁かれた。
「明音だよ」
「あ、あああ、そっか」
あ...じゃなくて、北山さんか。キャラを妖艶に作りすぎでしょ。今でも、心臓がドクドクと、高鳴っているぞ。
ちょっとその体を離して欲しいなーもうそろそろ抑えておくのも限界だ。反応してしまう。健全な男子高校生をなめんなよ!!
「あ、ごめん。アハハハ、気づかなかった」
「お、おう。気をつけろよ」
気まずい雰囲気が流れる。彼女は恥ずかしかったらしく火を噴きそうなほど頬を赤らめていた。俺?俺も勿論頬が熱いよ。今なら頬でステーキが焼けそうなぐらいはな!
ここは俺が男を見せなきゃいけないな。そんなことを思っても口は動かない。はぁ、チキンだからなー俺。
運が良かったのだろうか悪かったのだろうか、クエストが始まりだした。
「あの~新しい人ですか?冒険者登録をしたいのならば着いて来て下さい」
「ちょっと登録してくる」
「あっ、うん。登録してきて。登録は必須だから」
会話の大義名分みたいなものを手に入れた俺たちは、話して気まずい雰囲気を払拭することに成功した。いやー良かった。やっぱり幸運の値500は伊達じゃないな。運がいいわ。
色々あり、遂に俺は冒険者として登録して、冒険者カードなるものをゲットすることに成功した。
「じゃあ、フレンド交換の方法について教えるね。冒険者カードを出して?」
「おう.......出したぞ」
「よし、ではその冒険者カードを私の冒険者カードにタッチして...そしたらフレンドとして承認するかどうかウィンドウが出て来るから『Yes』を押せばOKだよ」
「よし、出来た」
俺の目の前には『トリニティ・ノースさんとフレンドになりますか? Yes or No』とでてきていた。もちろん、承認する。すると、俺も思っていたことだが、北山さんことノースさんから疑問の声が上がった。
「苗字ないの?」