ふたりきりの教室
先ほど、書き途中のを間違えて投稿してしまいました。すみませんでした
と、意気込んでいたのだが、俺には特にアピールする点がないことに気づいた。どうしよう。まあテンプレは用意されてるし、それ通りに行くか。
「1-A、11番軽沢快人です。好きな食べ物はとんかつ、趣味はゲームです。よろしく」
いたって平凡な自己紹介になってしまったな。でも、「器械体操が得意!」とか「親父が社長です」とかではないのだから仕方がない。得意なことと言ったらくじ引きぐらいしかないだろう。ガリガリ君が十本に一本ぐらい当たる。
これといってパッとする特技でもないからな~~言っても微妙になるだけだ。そんなことを思っていると隣のい...石川さんがジーっと見てきた。彼女は寡黙であり、自己紹介の時も名前しか言わなかったぐらいである。
今日、そんな彼女が話した...わけではなく、ジっと見つめてきただけだった。常に見つめてくるのに何もしてこないのである。要件があるのかと思って話しかけてみたのだが無視をされた。本当に良くわからない。
ひょっとしたらコミュ障というやつなのかもしれないな。まあ、何はともあれ放課後だ。フレンド登録の約束のときが訪れた。なので、俺たち二人は教室に残っていた。北山さんはLINEを使わず、直接話してくる。LINEを交換する意味があったのだろうか。まあWin-Winだしいいか。
「快人くん、放課後で登録しあおうって言ったけどAWが無いと出来ないの。だから、家に帰ったらね」
「おう、ついでにこのクラスと学年のグルに招待してくれ」
「わかった。じゃあね」
「じゃあな」
そして今度はポケモンGOⅩの孵化作業をしながら下校した。途中でポケモンGetの為に寄り道してしまったのは絶対に言えないな。狙い済ましたかのようにLINEが届いたのは驚いたわ。
家に帰り、AWを手元に置いた。そして先のことで少し罪悪感を覚えながらLINEを開く。
『冒険者ギルドで待機しているからそこで説明するね。待ってるよ~~』
「え、それだけ」
俺は思わず声に出してしまった。本当にLINE交換したのはフレンド登録において意味無かったのかよ!あ、友達登録はしたな。上手いことを考えいてドヤりながら俺はAWを起動した。
相変わらず『Now Loading』と表示され固まった後、俺は再び大通りに転移する。で、冒険者ギルドってどこだろう。これは街中のNPCに聞くしかないな。プレイヤー?なんか馬鹿にされそうで嫌だよ。
なぜかといえば簡単で、北山さんが詳しい場所を言わなかったからである。誰でも知っている場所なのだろう。まあうっかり言わなかった可能性もあるのだが。
ーーーちょっと待てよ
俺が冒険者と呼ばれたこと、一般の人のチュートリアルの場所がどこかと考えればおのずと答えが出るではないか。普通の人は冒険者ギルドでチュートリアルを行う、という答えが。
つまり、祈りを捧げたり、呪いをする前の緑色の矢印は冒険者ギルドへの矢印だったということだろう。そして、さっき気づいたのだがこの矢印は最初の矢印と同じ方向を指している。つまり、この矢印に向かえば冒険者ギルドに行ける可能性がある。
この矢印に向かえば行けるとは言っても、さすがに迷ったら時間がかかって迷惑がかかるし潔く聞きますか。あの優しそうな八百屋のおばちゃんに聞こう。
「あの~冒険者ギルドの場所ってわかりますかね」
「この通りを真っ直ぐ行って、二番目にぶつかる通りを左にずっと曲がればわかるよ」
「ありがとうございます」
こうして冒険者ギルドに俺は着いた。