フレ登録が深刻な問題な件について
伏線として機能していなかったのに気づいたのでAWを受け取ったのは「朝だ」というのを付け足しておきました。
職業もランダムというのを知らせていないのは不具合で済まされる問題ではない。という感想を多数いただきましたので書いていたが主人公の不注意、ということにしました。
俺は一通り、掲示板を見終わるとさっき話した少女に目を向けた。ネットでの一人称は俺、だったが『目撃者名無し』は間違いなく彼女だろう。今日学校でアイツとしか話してないしな。
彼女はチラチラとこちらの様子を窺っている。掲示板で発言した通りフレンド登録をしたいのだろうか。フレ登録をしてあげたいところだが、俺は積極的にはフレ登録をする気にはなれない。
なぜかと言えば簡単である。俺が強すぎるので彼女がゲームを楽しめなくなってしまうからだ。戦闘に関しては俺がいれば楽しさ半減どころか全減だろう。いや、待てよ。ということは生産職となら全く問題はないし、フレ登録しても一緒に戦闘をしなければいいのか?
そんなことを考え込んでいるとあの女の子が話しかけてきた。
「あ、あの~自己紹介していませんでしたよね。私、北山 明音です」
「軽沢快人です」
「それで快人くん、AWでフレンドになって欲しいの。お願い!」
北山さんはそう言いながら手を合わせていた。そこまで真摯にお願いされてしまったら『NO』など言うことは出来なかった。それにポニテ美少女とフレンドになるなんて男としては光栄なことだろう。
「いいよ」
「ありがとう快人くん」
笑顔でそう言う北山さんに少しドキっとくる。心がトゥンクとなるほどの可愛さだった。反則だよ、その笑顔は。
そんなキザなことを考えている場合じゃないわ。フレ登録の為に何をするべきなのか聞かなければ。
「フレンド登録ってどうやってするんだ?」
「そうだね~~説明に時間も掛かるし、LINE交換しよう!」
「お、おう」
「じゃあ、私のバンクルに近づけて」
ちょ、ちょっと待ってくれ。女の子特有の柔らかな腕が。腕がくっついてる。俺は内心で焦りつつ、何も思っていないように振舞う。これで内心の焦りを見せてしまったら高校生活が灰色になってしまう。頑張るんだ、俺!
バンクルの調子が悪かったらしく数分間、体感で一時間、腕を付けたままにしているとやっとLINEを交換し終えた。バンクルを外しておけば良かったと終わってから気づく。正直なところを言おう。気づかなくて良かった!!
俺が酷いことを考えているとは露知らず北山さんは顔を僅かに赤らめている。やっぱり意識しちゃうよね。
同意をしていると俺のバンクルにLINEのメッセージが届いた。
『こんにちは、北山です!とりあえず、放課後になったら教えます!!』
『了解です』
慣れない視線入力でそう返しておいた。すると何故か北山さんが、ぴょんぴょん跳ねだす。そんなに妖精男とフレンドに成れたのが嬉しいのだろうか。自慢でもするのかね。
キーンコンカーンコン、キーンコンカーンコーン。HR開始のチャイムが鳴った。よし!高校最初の朝学活だ!!自己紹介がんばるぞ!
明日からは一日一回の更新になるかもしれません。全減は造語です。