表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

消える、消去シリーズ

消えそうな魔法の炎

作者: リィズ・ブランディシュカ




 とある魔法使いの男が、凍えそうになっていた。


 そのため、その魔法使いの男は、魔法で炎を作り出して暖をとることにした。


 こういった時、魔法は便利だ。


 なにもないところから火を出せるのだから。




 寒くて凍えてしまう。


 暖をとらないと、死んでしまうだろう。


 船の上から真冬の海に落ちた。


 趣味の魚釣りなんてするんじゃなかた。


 けれど、海の中からどうにか這い上がって、船の上に戻ることができたのは幸運だっただろう。


 しかし、早く体をあたためないと、その幸運も無駄になってしまう。


 空を飛ぶ魔法があれば良かったけれど、それは持っていないから、できる魔法でなんとかしなければ。


 俺は、炎の魔法を使えるから、炎を作って暖をとることにした。


 船の上はとたんにじんわりとあたたまるが、これでは足りない。


 もっとたくさん炎が必要だった。


 だから、体が温まるまでたくさん炎を作り続けた。


 しかし魔力がもうない。


 これからは、炎を新たに作れない。


 困った。


 炎が消えそうだ。


 岸にはまだ戻れないから、今ここで何とかしないと。


 物が燃えるには燃やすものが必要だけど、それがない。


 船には、ちょうどよい紙や木材があったが、あっという間になくなってしまった。


 これじゃあ、もう暖をとれない。


 絶望しながら、船の中を探したら、たった一つだけ燃やせるものが残っていることに気がついた。


 良かった、これで温かくなれる。


 寒さで意識が朦朧としていた俺は、それに火をつけた。




 それから数年後。


 付近を通る船はたびたび、炎に包まれた船を目撃することになる。


 炎に包まれたその船は、火を大きくするために、通りかかった船を燃やしてしまうという。


 だから、誰も近づかなかった。


 目撃者は、真っ赤に燃え盛る炎の船には、同じように真っ赤な色の一つの人影があったと、みな口をそろえて証言した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ