そういえばファースト本気チューはエルフ様に奪われていたよ
「……ばか」
「……ごめんね」
イシュラのせいで私はご機嫌斜めなのだ。
舌は駄目よ。それは本気チューじゃん。
セリアに本気チューしたいのにっ!
まぁ振られておいて未練タラタラ垂れ流しの私が言う台詞でもないか。
「……おっぱい揉ませろ」
とりあえず要望だけは言っておく。おっぱいは好きよ、ふわふわーだから飽きないし。
「……それは、恥ずかしい」
「舌入れたクセに」
「ぅっ……ごめん。つい、ルクナが可愛くて……」
「可愛いからって何十分もチューすんなよー! 只でさえ力強くなってんのにー!」
「力? あぁいやごめん……ほんとどうしちゃったんだろ私……」
めっちゃチューされたのよ。口の中全部ペロペロされたぞ。
しゅんっとしているけれど、私の方がしゅんっだよ。
ファースト本気チューはエルリンちゃんに奪われ、セカンド本気チューはイシュラに奪われた……悲しきかな。
セイランとグニアはスキンシップ程度のチューなので、無理矢理カウントしないからね。
「謎肉の影響で身体能力が上がったんだよ。イシュラも視てみたら?」
「謎肉のせいなの? んー……あっ、龍の肉なんだねこれ。人間が食べるとチャクラ開放……? チャクラ、チャクラ……なんかよくわかんないけど凄いんだね」
チャクラ、なるほど……だから強くなるのか。それにしてもチャクラ開放まで視えるなんて、解析よりも上の魔眼だとしたら、真実の魔眼か伝説の万象の魔眼だったら真偽官どころじゃあないけれども。
「さぁ尻穴へ向かおう! イシュラゴー!」
「変な所触んないでよ?」
おんぶしてもらい、いざ出発。
変な所というか、おっぱいを揉む為におんぶなのだよ。
胸元に手を突っ込んで……あっ、サラシが邪魔だ。
「サラシ取って」
「やだ。擦れると痛いもん」
「私が守ってあげるから」
「もっとやだよ。絶対乳首いじるしょ」
「いじるよ。イシュラの反応楽しいもん」
「だーめ。それなら私はいつでもルクナにカンチョー出来るんだよ?」
「ふっ、私にカンチョーは効かない。モコモコパンツだからねっ!」
「ふーん」
イシュラがおんぶしながら私の尻にカンチョーを放ったけれど、モコモコパンツの前では無意味さ。
……ちょっ、一点集中グリグリは流石に駄目よ。
モコモコパンツといえど一点集中グリグリはムズムズしちゃうの。
「トイレ行きたくなるからやめて」
「トイレなんて無いよ」
「じゃあイシュラの背中でする」
「ごめんなさい」
「そこ左ね」
「はいはい。あっ、リザードマンだ……っ!」
あっ、あれが元人間って気が付いたかな。
イシュラが硬直している隙にストーンランスを回転させながら放ち、頭を貫いて絶命させた。
イシュラが倒れた謎肉人間の元へ行き、をボーッと眺め、細いため息が震えていた。
「イシュラ、気に病む必要は無いよ。あれは魔物だから」
「……私達も……こうなっちゃうの?」
「ならない。身体に悪い魔力を上手く逃がせられなかった末路なんだ」
「でも、早く……出たいな」
早歩きで謎肉人間を通り過ぎ、奥へと進んでいく。
流石にあれを見た後に龍の肉は食べられないかもなぁ……でもお腹の肉って食べてみたいし。
……しばらく進んでいくと、ぐにぐに蛇行した歪な道に出た。
この先、かな。
「イシュラは、このまま外に出る?」
「出ない。ルクナは戦うんでしょ?」
「うん、今出たらまた来られない気がするんだ」
「そう、だね。あの魔法陣に乗ったら二層の砂漠のど真ん中に転移するみたい」
「そこまで解るんだ……一応聞くけれど、一緒に戦ってくれる?」
「もちろん。あんなの酷い……私達で終わらそう」
頼もしいね。
イシュラが居ればあいつの弱点も解るかも。
でもイシュラは強くなったけれど、まだ心の成長が追い付いていないから、無理はさせないようにしないと。
「そんなに大きな迷宮じゃ無さそうだし、一応違う道も通って宝箱が無いか見る?」
「うん。帰ったら美味しい物沢山食べようねっ」
「そうだねー。美味しい肉食べたい」
「だねー……龍の肉はもう食べたくない」
「後一回食べるのは……だめ?」
「えー……なんかあるの?」
「心臓の肉は、龍の適性や知識を得られるらしいんだ」
「龍の? それって凄いの?」
「凄いよ。龍属性って他の属性と合わせると龍の姿になるんだ。炎属性と合わせたら炎の龍とかねっ。格好良くない?」
微妙な反応しないでよ。
格好良いじゃん。
魔法が龍の姿になるっていうくらいしか知らないのよね。
「私は、別に良いかな……」
「えー食べようよー。おねがーい」
「お願いされてもやだよ。私は平凡な生活がしたいの」
「もう平凡じゃないし、そもそも国際真偽官は平凡とはかけ離れているよ?」
「普通の人としての話だよ。魔法が龍になる真偽官って何? 怖すぎでしょ」
「格好良いじゃんっ。魔物の氾濫が起きたら英雄だよ? 龍の真偽官とか格好良いじゃーん」
「真偽官になれるとは限らないし」
「なるのっ。イシュラは夢を叶えるんだからっ。それに名声がある方が受かりやすいよ?」
貴族とか裏金で受かっているらしいし……
嫌そうな顔しないでよー。
こうなったら無理矢理食べさせてやるさ。
ふっふっふ。チャンスはいくらでもあるし。
まぁ先ずはあいつを倒さないとね。
迂回しながら作戦会議。
先制攻撃に成功すれば勝率がかなり上がるから。
しばらく迂回してみたけれど、鉄製の宝箱が二つあったくらいで特に無かった。
少し仮眠して、心臓の部屋へと向かった。
「なんか、恥ずかしい……」
「私しか見ていないから良いじゃん。格好良いぞっ」
イシュラは深紅の鎧に深紅の剣と赤い靴を装備し、ついでに赤い仮面を装備。
紅の騎士や深紅の騎士と呼ばれそうな見た目で、もう少し身長があれば完璧ね。
私は普通の服……いつも普段着なのよ。
「馴れるしか、ないよね。先ずは、少しずつ近付いて視れるだけ視るんだよね」
「うん、寝ている隙に弱点ぶちこむ作戦ね」
寝ている不死竜を二人でジーッと凝視しながらジリジリと近付いていく。
黒く大きな体躯に、身体中の所々で削げ落ちた肉の部分が白色に光っていた。
「……ふぅ、ふぅ、ルク、ナ」
「うん、ちょっと、引こうか」
二人でゆっくり後退り、心臓の入口まで後退した。
イシュラの緊張が凄い……
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……ちょっと、無理」
「……このままじゃ、戦うどころじゃないか」
そりゃそうだよなぁ……怖いよなぁ……不死竜が起きたらイシュラは瞬殺だし。
うーん……私が戦うのを見ていてだなんて怒られるし……またワームちゃんの時みたいに闇雲に攻撃とかされたら困るし……うん、暇だし修行するかぁ。
「ぅっ、うぅ……悔しい……怖いよぉ……」
「うーん……慣れるまで、やってみる?」
「良い、の? ひぐっ、いつに、なるか、わかんない、よ?」
「良いよ。修行しながら戦えるまで心を鍛えよっか……あっ、それまで龍の肉食べるけれど良い?」
「ぅ……ぅん。頑張る」
「よしっ、じゃあ不死竜相手に修行だねっ」
何日掛かるかわからないけれど、心の修行はこの先どんな時でも役に立つ。
目標は……不死竜と一緒に寝んねだっ!




