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嘘吐きエリスタの最後の嘘  作者: はぎま
ファイアロッドの大迷宮編

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マクガレフ邸へ


 あれからおっさんと少し話して帰ってきた。

 ファイアロッドの町から少し離れた場所にある山……無実の罪で脱獄した男が国に呪詛を吐いて自殺し、怨念が魔物の氾濫となって街を襲った伝説が残る……無罪の山と呼ばれる山だ。

 標高は千メートルでその頂上にはデデンっと大きな屋敷があり、エルフィ・マクガレフ邸という大きな看板付きで、紹介状の無い者は何があっても保証はしないという注意書きもある。


『おかえりなさーい』


 青いドレスを着て、青い髪を横に一つに纏めたザ・お姉さんの水王エリクスがお出迎え。豊満なおっぱいに憧れを抱きながら、屋敷の中に入った。


「ただいまエリクスさん」

『あれエリクスだけー?』


『エルフィとチムニーも居るわよ。後は分担して色々しているわ』

『ほいほーい、じゃあルクたんシャワー行こっ』

「そうですね、地味に汗かきましたし……」


 シャワーというか、大浴場があって常にお湯が出ているからいつでも入れる仕様になっている。

 家が豪華過ぎてもう実家に帰れないんじゃないかと思っているけれど、まぁ業に従っているだけと思えば良いか。

 ……アースと一緒に大浴場へ。

 ……うん。

 ……洗いっこしたよ。

 ……アースは満足そうにしていた。

 ……大浴場の内容は伏せておこう、うん。


『じゃあ仕事してるから迷宮に行く時この鈴鳴らしてねー』

「はーい」


 アースは自室にこもって仕事をするみたい。

 仕事は宝石細工の職人で、気に入った者にしか売らない謎の美少女職人……と自分で言っていた。きっと知る人ぞ知る職人なんだろうね。

 そして私の人形細工の師匠でもある。因みにセリアにあげたダイヤのヘアピンはアースと一緒に作ったから、機能が物凄いけれど知らないに越した事は無いね。


「エルフィさーん」

「あらルクナちゃんおかえりなさーい」

『おかえりなしゃいませ…ごしゅじんしゃま』


 エルフィさんは大きなリビングで、大きな皮張りのソファーに座り諜報活動で手に入れた書類やらを確認中だった。

 その近くでいつもとは違う格好のチムニーちゃんが立っていた。

 パンツが見えそうな短い丈のスケスケメイド服に、太ももには黒いガーターベルトで黒いハイソックス……背徳感の塊だ。

 恥ずかしそうにしているけれど、いつもより布面積多いじゃん。


「チムニーちゃんはどうしてメイドさんなのです?」

「ルクナちゃんのハートを傷付けた罰よ」

『ふぐぅ……』


「チムニーちゃんのせいじゃありませんよ。悪いのは父ですから」

「まぁそうだけど、チムニーがあの女の性欲上げたからセッ◯スまでしちゃったんでしょ? ほら、どうして性欲上げたか言ってご覧なさい」

『だって私、セッ◯ス観ると力が上がるんだもんっ。元はと言えばエルフィが誰かも言わずに私に見に行けって言ったのが悪いんだもんっ! エルフィはクベリアって女の事しか言わなかったもんっ! ゲス男が居るって知らなかったもんっ!』


 チムニーちゃんが拳を握ってふんすとお怒りポーズ……可愛い。

それにゲス男って……まぁゲス男だけれど。


「じゃあエルフィさんが元凶です?」

「そんな訳ないじゃない。あの野郎がアズりんを置いて浮気しやがったからあの野郎が元凶よ」

『あっそうだ、浮気セッ◯スの方が性欲増すんだってっ』


「父の問題はどうするんです? 母に知られたら大変ですよ?」

「その辺は大丈夫よ。ルクナちゃんは静観してくれたらそれで良いから」

『あとねーこのガーターベルトねーバイブ機能がしゅごいの』


「一応私の問題でもありますからね?」

「わかってるって。埋め合わせはするから」

『話聞いてよー、バイブしゅごいのー。ぁっ、んっっ、しゅ、ごいっ、のっ』


 エルフィさんは否定したけれど、元凶はエルフィさんと見て間違いないよね。

 あっ、そうださっきのちょび髭の事話さないと。

 ……説明説明っと。


「ふーん、国がそんな事計画しているなんて知らなかったわ。きっとあの野郎も知らないでしょうね」

「よからぬ事でもするのですかね?」


「討伐者ギルドは国に肩入れはしないから……恐らくギルド長は反エリスタ派かブルース家の者か、ね。今の所害は無いけれど、何かあったら呼んで。潰すから」


 アースといいエルフィさんといい……極端というか過激だよね。

 まぁ心強いけれど、ね。腹に何か隠しているから怖いというか……信頼している振りをしていないと、追い出されたら良い暮らしが出来ない。


「ありがとうございます。あっチムニーちゃん借りても良いですか?」

「あぁ好きにして。はいこれ」


 黒いベルトの首輪と紐……ロウソクとムチ……


「……いや、別にこういう事する訳じゃないです」

「そう? じゃあ自由に過ごしてね。ご飯はアズりんと作るから、気が向いたら食べに来て」


 はーい。

 メイド服の幼女を抱っこして、私の部屋に向かう。

 私の部屋は二階のエルリンちゃんの部屋の隣……中は高級家具が並び、埃一つない綺麗な部屋。きっと精霊王の眷属達が掃除しているんだろう……


「じゃあ私の抱き枕になって下さいね」

『はわわっ、アースに殺されちゃう』


「別にナニもしませんよ。少し寝るだけなので」

『……ルクナは、ほんとに怒ってないの?』


「怒っていませんよ。傷心中の私に必要なのは癒しですから」

『ルクナ……ごめんね』


 父の浮気を目撃して、セリアに振られた私の心の中は土砂降りなのだよ。

 はぁ……切ない。


「チムニーちゃん、遅かれ早かれ起きていたと思います……きっかけを作ったのは、私だから」

『私ね、ルクナの為に頑張るから……』


解っている……本当の元凶は、私なんだ。

私が、悪いんだ。

解っているけれど、誰かのせいにしていないと……心がもたない。


「チムニーちゃん、心を穏やかにする魔法とかありましたよね。教えて」

『ぅん、メンタルキュアとかで良いかな? 使い過ぎると駄目だよ』


少し、楽になったけれど……心の問題は、難しいね。

 気晴らしに零組にでも行くかな。



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