私主催作戦会議~その1
それから母と話し合いをしていると、エルフィさんがやって来た。
「はぁ、はぁ、ルクナちゃんが私を呼んでいる気がしたわっ!」
「直ぐにでも作戦会議をしたいんですね。エルリンちゃんは来ます?」
「エルリンはそこにいるじゃない」
「あっ、見付かっちゃった」
……木の陰から、頭に小さな木を付けて擬態したエルリンちゃんがひょこっと現れた。
その木、意味ないよね。
「エルリンちゃん、最初から居たの?」
「いえいえ、アズ様に話があると言った時からですよ」
あ、うん最初から居たのね。
母はエルリンちゃんが居ても気が付かない振りをしているから困る。聞かれても良いけれど、ね。
「じゃあみんなも呼んで、作戦会議ねっ」
「あーそうだ、エルフィさんも二人きりでのお話があります」
「ルクナさまっ、ママに横恋慕なんて絶対駄目ですっ!」
「ふっ、モテる女は辛いわね」
「ママは駄目ですっ。駄目なのですっ!」
「……私、見たんですよ」
ピシッ…っとエルフィさんが止まった。そしてチムニーちゃんを召喚。
そしてギギギと軋むようにチムニーちゃんを見て、チムニーちゃんが半泣きで首を横に振っている……可愛い。
エルリンちゃんがあちゃーというように片手で目を覆い、母は首を傾げて話が気になる様子。
「なななななななな何を見たのかしら?」
「動揺凄いですね。いえ、やっぱり何も見ていません」
ほっ…とした反応をしたのはチムニーちゃんだけ。
私はニコリと口角を上げて、土魔法で円形のテーブルと椅子を作成していく。
きっと精霊王も来るから……椅子は何脚いるのだ?
まぁ適当に作るかぁ……おっ、下着姿の美少女が現れた。召喚しなくても来られるんだね。
『ルクたんっ、手伝うよっ』
「アースさんこんにちわ。じゃあ人数分の椅子をお願いします」
『うんっ! ご褒美にベロチューしてねっ』
「ベロチューってなんです?」
『お互いの舌を、絡めるの……今、やってみよっか。優しく、教えるね……』
「ぅぉぃっアース! 私のルクナさまを口説くんじゃねえ!」
エルリンちゃんが猛ダッシュで私とアースの間に入り、止まりきれずにそのままズシャッと転んだ。頭の木がポキッと折れて、折れた木が頭に刺さって血がダラダラ流れていた。
「エルリンちゃん、大丈夫? 回復してあげるね」
「ふぁいっ! ルクナさまに癒して貰えるなんて感激ですぅっ! ちらっ、ちらっ」
「喧嘩は駄目よ。アースさん、大人になってからで良いですか?」
『やだやだー、私小児性愛者だからだめなのー』
「じゃあ大人になったら恋愛対象から外れるのですね?」
『一応ねっ。でもルクたんは大人になっても可愛いからそのまま好きかもー』
アースが私に抱き付き、胸と腰を押し付けてくる。
それをエルリンちゃんがペシペシ叩いているからアースが嬉しそう。
「このっ、このっ、淫乱王めっ。ルクナさまは私が守るのっ」
『ぁんぅっ! もっと叩いてっ! 私はエルフィちゃんも好きなんだよっ』
「私はルクナさま一筋なのっ! プリプリのケツしやがって!」
『私は美尻美少女コンテスト優勝者だからねっ』
「んだよそのコンテスト。ほらあっち行け」
『ややー。ルクたんのパンツになるのー。へーんしん』
ポンっとアースが純白のパンツに変身し、私の手に乗った。
……ホカホカ、なんかハァハァして履くのが怖い。
「こぉらアース! 精霊装具になるんじゃねえ!」
『早く、私を履いて……ドキドキ』
「エルリンちゃん、精霊装具ってなに?」
「あー……身に付けると精霊の力を得られる装具です。普通は武器とか防具で、元が精霊の場合と元が装具で疑似精霊の場合とあるので複雑ですが……」
「へぇー、私も身に付けたら強くなるの?」
「相性が良ければ強くなれます。残念ながら土属性の適性があるルクナさまはアースと相性が良いですが、決してそのパンツは履かないで下さい」
『私が、良い女に、してあげる』
「流石にパンツはねぇ……他の装具になれないんですか?」
純白のパンツがポンっと純白のブラジャーに変化した。
内側にアースの口がある……ぺろぺろする気満々なのが嫌。
『今直ぐ、着けてみて……』
「嫌ですよ。武器になって下さい」
『じゃあ、迷宮で私を使ってっ。エルフィー良いでしょー?』
「良いわよー」
ブラジャーがポンっと両手持ちのスレッジハンマーに変化。
ズシっとしているけれど、鉄のハンマーと違って腰を痛める重さではない。先端は黄色い金属のようで、片側は平たい部分で反対側は尖っていて打撃と刺撃が出来る仕様。
アースの能力が使える……という訳ではないか。アースの気分次第だね。
「……エルフィさん、良いのです?」
「えぇ、代わりに……ね?」
人差し指を唇に持っていき、しー…のポーズ。
父のことはまだ黙っておけという事ね。
アースが仲間に加わったとみて、良いのかな。
いやこれは、監視……かな。
別に父の事はまだ言わないけれど、エルフィさんが私に交渉してきたのは事実……となれば、多少は対等に接してくれる可能性があるという事か。私とエルフィさんじゃ、エルフィさんの方が遥かに強いし権力も段違い。その上で対等という事だから、エルフィさんにとってとても大事にしている案件……かな。
「ルクナーちょっとお菓子取ってくるわね」
「えっ、お父さん起きちゃうじゃん。私の干し芋で我慢してよ」
「……お小遣いあるんだから女の子らしいお菓子にしなさいよ」
「充分女子だと思うよ。見てこの袋、ピンクなんだよ」
「違う、中身の話」
「飴ちゃんもあるよ?」
テーブルと椅子の設置も終わり、それぞれ席に座っているとゾロゾロと精霊達がやって来た。
精霊達は様々……子連れのお姉さんとか可愛い動物とか、あっドラちゃんも来た。シルフィードが手を振ってきたので手を振り返す。後は虫型とか……えっ、ちょっと待って、何体居るの?
一応広場は百メートル四方はあるけれど……収まりきるのか?
母が私に視線を向けて頷いた……始めて良いのね。




