表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘吐きエリスタの最後の嘘  作者: はぎま
王都学院編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

55/363

うーん…悩みの多いお年頃だ

 


 零組の教室で、さっきセリアに言った事をソファーに寝そべりながら考えていた。

 言うタイミングが合っていたのだろうか、言わない方が良かったのか、なんて、ぐるぐるぐるぐる頭を回る。

 セイランが入ってきて、ソファーに寝そべる私のお腹の近くに座った。


「はぁ……」

「……どうしたの?」


「さっき、友達にさぁ……はぁ……」

「もぅ、どうしたのよ」


 私の頭を撫で、心配そうに顔を覗き込んだセイランのほっぺをツンツン……


「セイラン、私の悩みを聞いておくれ」

「もちろん良いわよっ」


 嬉しそうにしないでおくれ。

 そりゃ好きな人に悩みを聞いてなんて言われたら嬉しいけれどさ。


「ルナードには、一人だけ友達がいるんだ」

「あら、私は違うの?」


「クルルとは関係無いルナードだけの友達って事だよ。お互いに、素顔と本名を知らないんだ」

「素顔と本名? 本名ならわからなくも無いけれど……もしかして相手も同じ眼鏡を?」


「眼鏡じゃないけれど、似た魔導具だね。お互いに顔も知らないのに、妙に気が合ってさ…毎週会っていたんだ」

「前に言っていたわね。討伐者ギルドの友達……喧嘩したの?」


「喧嘩じゃないんだ。話の流れで、クルルの話題になってさ……遠回しにクルルはもう一人の自分だと言った」

「……そう、それで、なんて言われたの?」


「……何も。私が、君ももう一人の自分が居るでしょ? って言ったから」

「……それで、この関係が終わるかもと思っているの?」


 セイランさん、君は心が読めるのかい?

 察しが良すぎて怖いわよ。

 うん、と頷くと少し呆れた顔をされた。何さ、友達が沢山居る人には解らない悩みだよ。


「お互いに、解っていたんだ。顔も名前も知らない、もし知ってしまえばこの関係は終わるかもって」

「なんか、不思議ね。信頼し合っているのなら、全部話す事はしないの?」


「怖いんだよ、凄く」

「私も、あの時…ルクナが居なくなったらって思ったら…凄く怖かったの。勇気を出して、本当に良かったって思っている」


「勇気…か。確かに、私に足りない言葉だよ。ありがと」

「うん、ルクナが少し元気になって、私も元気になっている……気持ちは繋がるの。だから、多分だけれど、その友達も勇気を出せないんじゃ、ないかな? 伝えるなら、遠回しにじゃなくてハッキリ言った方が良いと思う、よ」


 セリアも、勇気が出せない…か。そうなのかも知れない。


「セイランのお蔭で、勇気が出せそうだ。ちゃんと彼女に言おうと思うよ……お互いに本当の顔で会おうって」

「良かったぁ……ん? 彼女? お、女の子だったっけ?」


「そうなの。あっ、この学院の四年生らしいよ」

「あっ、そうなんだ……兄さんと一緒ね」


「そうそう、セイランの声が出なくなった時に教えてくれたのは彼女なんだ。知り合いの妹を見てやってって言われてさ。セイランと仲良くなれたのも彼女のお蔭かもね」

「そうだったのね……私も、お礼を言いたいな。兄さんの知り合いだから、聞いてみようか……な……」


「ん? セイラン? どうしたの?」


 セイランが硬直し、眉間に皺が寄ったので眉間に指を当ててぐーりぐり。

 どうしたのー? 今日エリスタに行くの反対された?

 悲しい事でもあった? どうしたのー?


「知り合いの、知り合い……その後兄さんは……嘘……本当に?」

「どうしたのさ」


「ルクナ、やっぱり勇気はいらないわ。お互いに知らない方が友達でいられると思う」

「いやいやいや、いきなり何さ。私の決意を蹴らないで」


「女心を考えると、言わない方が良いわ」

「私も女だよ」


「ルクナは男でいる時もあったから勘が鈍っているのよっ。そうっ! 言っちゃ駄目よっ! うんっ!」

「えー、もう決めちゃったもん」


「駄目よっ。言わないでっ!」

「……ははーん、もしかして、女の子だから嫉妬しているの?」


 大丈夫だよ。セリアに恋愛感情は無いから……多分。


「そう、嫉妬……嫉妬しているわ。顔を隠しているのよね? ルクナみたいに可愛いか美人に決まっているっ! あれには勝てない……いや、嫉妬が凄いから言っちゃ駄目っ」

「別にセリアが美人だとしてもセリアだからねぇ。そんなに必死にならなくても……わかった、言わないからそんな怖い顔しないでよ」


「セリア……ほんと? 本当に言わない?」

「うん、今はね。その内言うとは思うけれどさ」


「じゃ、じゃあ言う時は私に言ってねっ」

「はいはい、あっ今度セイランが会いたいって言っておくね」


「言わなくて良いっ! 本当に、兄さんに言うから、大丈夫」

「そう? じゃあカサンドラさんに任せるよ。あっ、そうだ……アルセイア王女ってどんな人?」


「ぶっ! ごほっ、ごほっ!」

「えっ、大丈夫? 気管に入った?」


 なんかセイランの調子が悪いね。兄貴と喧嘩でもしたか?

 よーしよーし、背中をさすってあげよう。


「はぁ、はぁ、ありがと、いきなりなにその質問?」

「えっ、だってさぁクルルの時にアルセイアの警護って奴に会ったんだよ。面倒な癖に口軽いんだ、あの机を見せてやったらセリアにまでルナードが虐められているって伝わっていてさ……心配掛けちゃったんだよ。そんな部下を持つアルセイア王女ってどんな奴なんだろうってさ」


「ごめん、頭が混乱している。えーっと、アルセイア様の警護……きっとリリさんね」

「うん、多分。半分以上顔見えない人」


「あっ、うん。リリさんで間違いない。リリさんに、あの机を見せたのは……あの時?」

「うん、帰りに怪しい奴って言われてさ。クルルの学生証のついでに机を見せたんだ」


「あー……まぁ、そうよね。うん……アルセイア様は……とても優しい方だから」

「優しいだけ?」


「兄さんが一目惚れするくらいには凄く美人よ。それに、とても綺麗な魔法を使うの」

「綺麗な魔法? どんなの?」


「まるで、生きているみたいな、綺麗な魔法なの。私の周りはみんな憧れているわ……もちろん私も」

「へぇー、ちょっと興味が湧いた」


 綺麗な魔法、ね。

 気になるな。


「もし、アルセイア様なら……ルクナの王族嫌いも直るかも、ね」

「それは無い無い」


「クルルだったら、仲良く出来るかもしれないじゃない」

「んー、もう手遅れかな。リリって奴に国を憎んでいるって言っちゃったから」


「もぅ……ばか」

「セイランには迷惑掛けないから、安心して」


「そういう事じゃないのっ。うーん……ちょっと兄さんに用事があるから行ってきて良い?」

「やだー。駄目ー。それなら私も行くー」


「えー、ルクナ可愛い。すっごく可愛い……」

「なに? チューしてくれるの?」


 セイランが居なくなったら私は一人になるじゃないか。

 幼女が扉の隙間から羨ましそうに指を咥えて見ている……仕事しなさい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ