眼鏡の呪いを知った。父へのヘイトが溜まる一方だよ
「セイラン、そろそろ時間だよ」
「……一緒に行こ」
「いや、行かない。ルナード・エリスタは一組に必要無いから」
「……悲しいよ。そんな事、言わないで……」
「事実だよ。でもルクナには、ルナードが必要なんだ。ルナードが嫌われれば嫌われる程、見返りがあるから」
「……?」
クルルが国の英雄になって、有名になった後……色々やらかしたい衝動になる。
表と裏の感情をぶつけられるのなら、それを極めてしまいたい……って。
あっ、そうだ忘れていた。一応先生に迷宮に行くって伝えなきゃな。
授業が始まる前に急ごう。
……セイランさん? 付いて来ないでよ。
まぁ良いか。
「失礼しまーす。あっ、先生ー」
「ん? ルナード君どうしました? 珍しい組み合わせですね」
「ちょっと迷宮に行ってくるのでしばらく休みますっ」
「あっ、学院長から聞いていますよ。気を付けて下さいねー。あっ、この前の氾濫って…ルナード君?」
小声で聞いて来たので、肩を竦めて笑ってあげたら、別室に来て欲しいと言われたので、セイランと顔を見合わせ別室に移動した。
「あの、秘密ですよ?」
「解っていますよ。でも我慢出来なくなったら少しだけ言っても良いです?」
「私がみんなより強いぞーくらいならどうぞ。あっ、セイランは知っているので」
「やっぱりそうでしたかぁ。私は口が固いのでご安心を。それと…」
いきなり頭を下げられた……なになに?
「ど、どうしたんですか?」
「親友が、軍に居ます。君が居なかったら、最前線に居た親友は亡くなっていました。本当に、ありがとう……」
「……私は、魔物を倒しただけです」
「ルナード、一組にとらわれないで……これがあなたの本当の評価だと、私は思う」
「正直、ルナード君の評価が低いのは納得いっていないですが……学院長指示なので我慢しています。どうしてでしょうね……一組には困ったものだ」
「私のせいです……私が、遅刻を責めたから……」
しんみりしないでよ、帰りにくいじゃん。ん? 鞄から幼女妖精が出て来た。
『セイラン・オレイドスのせいじゃ無いぞい、原因はその眼鏡じゃな』
「学院長? また分体を……眼鏡って……」
「あぁ、もう、先生にバレちゃうじゃないですか」
『もう来ないなら良いじゃろ。アズぴょんに依頼されてその眼鏡を調べたんじゃが、強い呪いがあっての……友達が多い者にほど嫌われやすい呪いじゃ。特に子供に影響を与えやすいんじゃよ』
「へぇー……友達。じゃあ……セイランとか、グニアとか、友達多いから……嫌われていたのって、そのせい?」
確かに、大人には悪い感情を向けられる事は少なかった。
友達が多ければ多いほど……か。そう考えたら納得だけれど、リベッカも友達多そうだし……へぇー……もし呪いが無かったら、こんなに心が沈むことなんて無かったのか……これは、父にも復讐しなければいけないな。
あっ、チャイム鳴っちゃった。
セイラン遅刻だぞーいけないんだー。
「私も、呪われていた……って、事ですか?」
『そうじゃな。呪いを解くには、目の前で眼鏡を着け外しすれば良いと思うがの。心当たりあるか?』
「あっ、確かに……感情が一気に来て、好きになっちゃったから……あっ」
先生がニヤニヤして……セイランの顔が真っ赤になった。自爆したセイランも可愛いぞっ。
「グニアも抑えきれないくらい泣いちゃったもんね。なるほど……」
先生の前で眼鏡を外してみると、目を見開いて変なポーズで驚いていた。
ほうほう、大人だとビックリ系なのかね?
なんか、気持ちがスッキリしているな……原因が解るって、嬉しいもんだ。
まぁだからと言って、一組と仲良くなりたいとかは思わないな。それなら新しい出会いを見つけた方が良い。
「る、ルナード君……顔の落差が凄すぎて、心臓が痛いです。セイランさんが好きになるのも納得……」
「──先生っ! 聞かなかった事にして下さいっ!」
「はいはい、いやぁビックリです。あっ、授業が始まっていますね。セイランさん急ぎましょうか……ではルナード君、いつでも待っていますよ」
「はいっ」
「またねルナード」
……セイランと先生が去っていき、別室から出ると職員室には数名の先生なのでさっさと出る。
眼鏡は外したままで良いか……一応、マスクはしてっと。
見納めに一組の様子でも見るかな。




