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嘘吐きエリスタの最後の嘘  作者: はぎま
王都学院編

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報告会

この章は後20話くらいかな(゜ω゜)

 

 父にも私のやらかした事を伝えた所、将来の為になるなら良いぞと普通の事を言われたので省略。絶対適当な返事をしたな……

 現在、零組で幼女を撫でながら昨日の報告会をする為に学院長室に来ていた。学院は一応警報があったので、お休みだ。

 メンバーは私、幼女、クベリアさん、セイラン、エルリンちゃん。

 カサンドラはオレイドス家で私の窓口になってもらう事になった。


「ねえ、私だけ寂しいんだけれど……」

 幼女を抱っこしながらソファーに座り、両サイドにセイランとエルリンちゃん……密着して結構暑い。対面に座るクベリアさんが寂しそうだけれど、クベリアさんの苦労人ポジションを可視化するとこんな感じだから良いとしよう。


「ほいじゃあ、報告会を始めるかの。最初はクルルからにするか?」

「はいはいー、私からの報告は……私一人で魔物の氾濫を無かった事にしたと広めてって討伐者さんにお願いしました。後は家に帰って父と母に報告したら、好きにして良いと言われましたね。あと次回の氾濫は母も参加すると思うので楽しめますよ」


「ほうほうアズぴょんも参加とな……くっくっく、楽しそうじゃの」

「ねえクルル、お母様のご挨拶に行きたい」


「良いよ。セイランなら大歓迎だね」

「先に兄さんが家に行ったのが腹立たしいわ」


「まぁそのお蔭で魔物の氾濫に間に合った訳だし、セイランと仲良くなれたから」

「ぅん、もう兄さんは用済みね」


 扱い酷いな。

 私が女だから、余計カサンドラを遠ざけたいのかもしれないね。エルリンちゃんも同意見みたいで頷いているし。


「じゃあ、わっちとクベリアの報告じゃな。昨日の魔物の氾濫は、公式には氾濫じゃなくなったぞい。一先ずおめでとうじゃな」

「わーい!」


「民衆の反応はまだ解らぬがな。クルルを調べたようで、騎士団長から面会したいとわっちに話が来ておる」

「魔法士団長は、後で来そうですね。カサンドラさんが窓口なので」


「公式での面会は全て断ったぞい。他にも貴族からの面会と、王族にも話が行っていたらその内話が来そうじゃがな」

「ここでなら話しても良いですがねー」


「クルル、無理してお父様に会わなくても良いからね」

「どの道会うから、今でも良いかな。セイランの父さんは父と親友だった訳だし……そうですよね、クベリアさん」


「えぇ、今はどうか知らないけれど、ね。あの法律が出来た時に、二人は喧嘩別れしたから……」


 寂しそうだな……父は、どうするのだろうな。このまま国を離れて母と過ごすなら、未練なんて無さそうだけれど……


「じゃあ、セイランは何か報告あるかの?」

「はい、私は元騎士団長のギーラさんが、クルルと話をしたいと言っていました」


「あぁ、あのおっさん元騎士団長だったんだ。会っても話す事無いかな」

「じゃあ断られたって言っておくわね」


「うん、よろしく。でも学院で待ち伏せとかしそうだから、断っても無駄かな」

「あと、私の声が治って……情報が回ったの。だからまだ声が出ない子の家からクルルに依頼が来ている……ごめんね」


「うん、まぁ、それは、仕方がないよ。セイランの声が治ったから、ね」

「「……」」


 幼女がエルリンちゃんを見て、エルリンちゃんが何? っていう顔で見返す辺り、エルリンちゃんってメンタル鋼だよね。


「ありがとう……あの、オレイドスの尾行は大丈夫だった?」

「うん、どうせ追いつけないから気にしないよ」


「エリスタ一族は特別じゃからな。エルリンは何か言う事あるかの?」

「ありません」


「……」

「学院長、エリスタ一族は何が特別なのですか?」


 セイランは気になるみたい。

 特別という訳ではないのだけれど、ね。


「あの地域は魔の森があっての、そこにエリスタ一族だけが知る秘密の場所がある」

「秘密の場所? そんなの知りませんよ」


「よく行く場所はあるじゃろ?」

「まぁ、特訓をする場所ならありますが……」


「そこで修行すれば、普通の修行より成果が得られるらしいの」

「へぇー。そうなんですねー」


 そんな秘密があったのか。

 人に言ってはいけない場所なのかね。

 まぁ言っても行けないけれど……上位の魔物多いし。


 ──コンコン。

「入って良いぞえ」

「失礼します。あっ、クルル……魔法士団長が会いたいって。今俺の家に居るよ」


「じゃあ……二年一組の教室で会いましょう。とお伝え下さい」

「わかった。なんか……可愛い子に囲まれて羨ましいな」


「カサンドラさん、意に反する性的言動ってご存知ですか?」

「えぇ……これセクハラなの? 心に大ダメージだぞ……」


「冗談ですよ。では、取り次ぎお願いします」

「冗談に聞こえないけど……」


 さて、幼女を降ろして学院長室を出る。

 両サイドにはセイランとエルリンちゃんなので、歩きにくい。

 でも両手に華状態なので嬉しいよ。私も女の子だけれど。


「クルルさま、今度魔法学校に来て下さいね。みんな待っていますよ」

「みんな可愛いよねー」

「クルル……みんなって誰?」


「私のお友達ですよ? みんなクルルさまのファンですから……つまみ食いは私を抱いてからにして下さいね」

「つまみ食いなんてしないよ。セイラン、エルリンちゃんに対抗して無理して抱いてとか言わなくて良いからね」

「そっ、そんな無理なんてしないわっ! 大体エルリンはエロすぎなのよ! まだ子供よ⁉︎」


「セイランさん、甘いですね。この身体は今だけなんですよ? 大人の身体で長い時間を過ごすから、子供の身体でセッ◯スなんて今しかないのです! だから抱いて下さい! 今すぐ宿ならシルフィードに取って貰いますから!」

「大精霊の無駄使いだね」


 二年一組の教室に入り、相変わらず一番後ろのルナードの席に座る。

 なんかクルルで座ると変な感じだな。


「エルリンってどれだけの精霊と契約しているの?」

「大精霊はシルフィード、ヴォルトの他に四体です。あとは精霊が結構いますよ」


 精霊の事は知らないけれど、それは多分凄い事なんだろうね。

 流石は天才エルリンちゃん。多分私より強い。あっ、エルリンちゃんと大迷宮に挑戦したいな……


「ねぇねぇエルリンちゃん」

「良いですよ」


「まだ何も言っていないよ」

「大迷宮の件ですよね? 一緒に迷宮に行けば二人きり……ぬふふ……」

「……私も行く」


「セイランは学院あるじゃん」

「むぅ……じゃあ週末だけ」


「まぁ週末はセリアに会うから……帰りにセイランと……あっ、でもお泊まりなんて許して貰えないでしょ」

「お泊まり……したい。お父様とお母様を説得するわ!」


 あぁ、セイランが燃えている。

 エルリンちゃんが勝ち誇った顔で見るからだよ……色々問題になるから駄目よ。


「おっすお待たせー……なに? 我が妹よ、睨まないでおくれ……」

「兄さん、私は知っている……週末クルルと迷宮に行こうとしている事を」


「な、なんで知ってんの?」

「お父様との話を聞きました」

「えっ、カサンドラさんと迷宮なんてあり得ないので来ないで下さい」


「あれ、おかしいな……涙が止まらない」

「兄さん、そうやって自分の好きな事を勝手に進める癖、直した方が良いですよ」


 カサンドラが落ち込んでいる後ろで、私服の魔法士団長が来ていた。

 軽く頭を下げて、適当な席に座って貰う。


「フエゴ・ドアルと申します。昨日は、本当に、ありがとうございました」

「どういたしまして。お言葉は受け取りました。お一人で来られるなんて思っていなかったので、少し驚いています」


「個人的な用事ですので……お蔭で、娘の顔が見られました。感謝しか、ありません」

「それは、良かったです。あれから、どんな状況だったか教えて戴けると助かります」


 本当に、感謝している。大勢で来て城に連行されるかと思ったけれど、本当に個人的に感謝を伝えに来たのなら信用が出来る。

 それに、私は良い事をしたんだって思えるから……むしろ私の方が感謝の気持ちを持ってしまうね。


「はい、魔物の後始末は全員でやりました。その後、魔物は討伐者ギルドに任せ、城に戻って王に報告をしました。大変興味を持ち、是非会ってみたい……と」

「そうですか……会う理由が無いので実現はしないと思いますよ。魔物の氾濫は無かった訳ですし」


「……その件ですが、現在協議中です。明らかに魔物の氾濫なのに、氾濫と認められない事に抗議する者が多かった……私もその一人ですが……」

「氾濫と認めたら、今まで氾濫と認められなかった事も認めなければいけませんよね。討伐者ギルドに資料があると思いますが……認めるなら、国家予算は足りますかね?」


「……まさか、今まで何度も?」

「はい、私と母の分だけで……百回以上はしています」


「百……ですって……」


 父と爺ちゃんも入れたら……五百以上行くんじゃない?

 下位で三千万ゴルド、中位で八千万ゴルド、上位で二億ゴルドの報酬が貰えるらしいよ。

 実際少ないと思うけれど、エリスタにとって大事な収入だった。


「あと二、三年で、私は国を去ります。それまでは、魔物の氾濫は起きないと思いますよ?」

「……二、三年」


「クルル……二年って、本当?」

「あぁ、まぁ、今度説明するから、ね?」


「……うん」


 セイランには説明していなかったな。

 どうもエルリンちゃんには何も言わなくても伝わるから言うのを忘れる……公式には死ぬ訳で、実際何処かに居ると思うし。


「フエゴさん、魔物の氾濫と認められない方が、国の為です。しかし、国民は納得しません。あなたならどう動きますか?」

「法を変えて貰うように動くのが最善ですが……時間が足りない。それに、国が重い腰を上げるとは思いません、ね…… 騎士団と魔法士団の予算拡張の為に私が新人時代に国民に知らされずに出来た法律ですから。王に今後を進言してみるしかありませんね」


「私は王に会う気は無いので、今度教えて下さいね。まっ、国にどうして欲しいとかはありません。どうなるのかが楽しみなだけです」

「混乱が、狙いですか?」


「はい、私なりの復讐です」

「お聞きしても?」


「国に搾取された、とだけ」

「なるほど……私の予想ですが、軍と連携した事にされて魔物の氾濫を退けた功績者として城に呼ばれるかもしれません。その時は、王都に居ない事をお勧めします」


「お気遣いありがとうございます。私はこれから、エリスタにある大迷宮に挑むので王都に居ないと思いますよ」


 私が笑うと、フエゴさんはため息混じりに笑った。

 その後は少し雑談して、改めて家族でお礼を言いたいと言われたので、快く了承した。

 だって、赤ちゃん抱っこさせてもらえるから。


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