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嘘吐きエリスタの最後の嘘  作者: はぎま
王都学院編

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嘘吐きなのに、嘘吐きと言われるのが怖いだなんて……笑っちゃう

あっ、この章が終わったら一旦完結ボタンを押して18禁の他作品の書き溜めに入りますのでよろしくお願いします(゜ω゜)

 

 ──ウォーン! ウォーン! ウォーン!


 王都に、警報が鳴り響いた。ウォーンなんだね。

 後、数時間後に王都に魔物が到着する。騎士団の防衛線は今から出陣するとして、一キロ圏内……討伐者ギルドも同じくらい。だから、国民にも見える範囲だ……良い場所。

 あれから魔物が来るであろう道筋を辿っていた。もちろん魔物の確認は済んでいる……中位の魔物が大半と上位の魔物がちらほらだから、余裕だ。

 よし、学院に戻って状況説明をしよう。幸い今日は学院が休日……避難等は騎士団に丸投げ出来るから幼女も嬉しそうに私を待っていた。


「ただいまー。通り道に町も無いし、魔物は真っ直ぐ王都に来ています」

「了解じゃ。わっち等は時間になったら戦線に行ってクルルを応援するでの。撃ち漏らしたら駄目じゃからな」


「わかっていますよ。全滅させてあげますから。じゃあ……セイランと、話してきて良いですか? カサンドラさんは時間になったら現地集合です」

「なんか冷たくね? まぁ良いけど」


「わっちはクベリアと特等席で観ておるわい。クベリア、行くぞい」

「はいはい、じゃあクルル……気を付けてね」

「はい、観ていて下さい」


 セイランと一緒に学院を出る……オレイドス家の尾行は来ているな。姿を見せないから……セイランをおんぶして走り出す。


「……クルル、どこに向かうの?」

「せっかくだし、ヨーレー山でも行こうか。掴まって」


「う、うん」


 今、王都は緊急事態中なので外を歩く人は騎士団や魔法士団や討伐者ばかり。

 スルスルとすり抜けるように走って、尾行を撒いて行こうとするけれど流石はオレイドス家の者……中々撒けない。王都を出て、迂回しながら一気に走り出すと……どんどん遠ざかって行った。

 ヨーレー山から、防衛線までは走って十分くらいなので、割とゆっくり出来るな。

 でも、セイランに知ってもらいたいから……一応山頂に行こう。

 ……ん? エルリンちゃんが近くにいる感覚……付いて来ちゃ駄目よ。


「尾行は撒いたよっと、着いた」

「わぁ……頂上に来たのは初めて。魔物はどこから来るの?」


「ここから西の方角。王都に向かって……まだ見えないかな」

「そっか……凄いね。私には、さっぱりな事でもクルルは全部解っているんだよね?」


「わかる事だけね。じゃあまず……何から話そうか……」

「死神アズライナの子供って、本当?」


「本当だよ。母は死神って言われているけれど、人なんて殺していないしアズライナという名前じゃない……マグリット家がどうしても母が欲しかったから、指名手配にしやがったんだ」

「そう、だったの……クルルのお母様は、亡くなられたって聞いたけれど……」


「本当は生きている。名を変えて父と結婚したんだ」


 無理矢理戸籍を作った話を聞かされた時は、えー……という感じで呆れていた。流石にアズリーナ王女の話はセイランには出来ないけれど。

 まぁ父と母の選択は間違ってはいない。全部私の為だから。


「……」

「私は父と母の頼みで顔を隠して生活して、寮にも入れずエリスタの家から通って、学院初日には遅刻して、君に嫌われた。クルルは…私なりの小さな反抗なんだ」


「……エリスタ」

「ルナード・エリスタは私だ」


 鞄から出した眼鏡を掛けキッキッキと笑ってあげると、セイランの目から涙が溢れてきていた。

 疑念から、確信に変わり、失望したような顔を見ると、覚悟が決まるよ。


「……」

「君の一番嫌いな奴が、私だったというだけだ。だから、今日だけ一緒にいるのを我慢しておくれ」


 何か、言って欲しいな。

 最低でも、がっかりでも良いから……

 沈黙が、一番怖い。


「……」

「……あともう一つ、ルクナという本当の名前がある」


「ルク、ナ……?」

「私は女だ」


「――っ!」

「ははっ、笑っちゃうよね。嫌われ者のルナード・エリスタが、顔を隠した嘘吐きで、性別さえも偽って、国の敵になろうとしている。なのに、嘘吐きと言われるのが怖いんだ……馬鹿みたいだよね」


 私はセイランの大嫌いな人間だって再認識してしまったよ。嘘吐きなんて、ルール以前の問題だよね。


「……私は……あの……」

「……いや、無理して話さなくて良い。私はセイランが嫌いな要素をこれでもかと詰め込んだ奴だ。そろそろ……セイラン?」


 セイランが、涙を流しながら私を抱き締めた。

 正直、どうして抱き締められているかわからない。


「……何も、言葉が、出てこないの……でも、何か言わないと、何処かに行ってしまいそうで……そう思ったら、凄く、辛くて……」

「いや、充分気持ちは、伝わったよ……ありがとう。ねえセイラン、私は、君が好きだ」


「わ、たし、も……好き、だよ」

「じゃあさ……私達は、と、友達、かな?」


「……」

「駄目、かな……?」


 緊張する……凄く、ドキドキして、これで断られたら、本当に立ち直れない。

 胸が痛い。


「……とが、良い」

「ご、ごめん聞こえなくて、あの、もう一度言って?」


「……恋人が、良い」

「えっ? セイラんぅっ……」


 あれ? なんでキスされているの?

 なんて言った? こいびと? 恋人? こいびとぉ⁉︎

 私女って言ったよね?

 どういう事?

 視界に映るエルリンちゃんがニヤニヤしながら小さく拍手して嬉しそう……


「……あのね、あの、好き、なの」

「う、うん……好き、って? 私、女だよ?」


「だ、だって、エルリンって女の子と、結婚するんでしょ?」

「うん、まぁ、そう、だね」


 あっ、エルリンちゃんがハートを出しながらくねくねして喜んでいる……


「だから、あの、私も、お嫁さんに、してよ」

「まっ、待ってセイラン! 私はルナードなんだよっ」


「うん、本当はルクナでしょ? ルナードだけれどルナードじゃないんでしょ? 私、今気が付いたの……あなたに恋しているって」

「いや、あの……私達はまだ子供だよ?」


「子供だから、夢くらい見ても良いじゃない……あなたの為なら、ルールを破っても良い」

「セイラン……」


「友達じゃ嫌なの。それと、エルリンって子に会わせて。私もルクナが好きって言わなきゃいけない」

「えぇ……だってさ、エルリンちゃん」


「はーいっ♪」


 セイランが後ろを振り返ると、ニコニコと笑うエルリンちゃんが一礼した。

 今日はおめかしして、白いブラウスに緑のスカート。可愛いぞっ。


「初めまして、セイラン・オレイドスよ」

「初めましてセイランさん、エルリン・マクガレフと申します」


「マクガレフ……」

「あなたは、ルクナ様の隣に立てるのでしょうか? エリスタで生き延びる事が出来るのでしょうか? ルクナ様を一生愛せるのでしょうか?」


「もちろん、愛せるわ!」


 ちょっと。

 エルリンちゃん、セイランを焚き付けないでよ……まだ私達は子供だからさ。どこかで他に好きな人とか出来ると思うよ。それに、セイランには許嫁が居るし。


「セイランさん、気持ちだけでは伝わりません。なので、私は見極めさせてもらいます……セイランさんの覚悟を」

「望む所……エルリン、私は強くなってみせる」

「二人とも、そろそろ……」


 準備があるのだよ。

 魔物を監視しながら、辺な方向に行かないようにしたりさ。


「ルクナ様、ヴォルトの試練を受けさせても宜しいですか?」

「何それ。ヴォルト?」


「雷の大精霊です。精霊召喚・ヴォルト」

『エル、リン、どう、した?』


 なんか青紫の球体が現れ……喋ったな。大精霊、か。


「試練って何をするの?」

「ヴォルトを認めさせれば良いだけです。要は雷属性を極めれば認めてくれますよ。ヴォルト、良い?」

『まぁ、ひま、だから、良い、ぞ』


 ヴォルトが小さくなって、セイランの肩に乗った。可愛い……それ私も欲しい……

 認めさせるというのは、本当だけれど、セイランの護衛も兼ねている訳か。エルリンちゃんは出来る子だねぇ。


「ルクナ、私……頑張る」

「うん、頑張ろうね。それと、ルクナは秘密の名前だから誰かいる時はクルルにしてね」


「わかった。他に、まだ秘密、あるの?」

「あるけれど、十歳過ぎないと言えない」


「十歳……じゃあ十歳になったら、必ず教えてね」

「うん、上手くいけばね」


 さて、今度は魔物の討伐だ。

 セイランと仲良くなれたから、気分が良いね。

 張り切って行こう!

まぁ、まだ恋人とかよく解らないからさ……まだ友達だよ、友達。うん、友達。


「ではルクナ様、お気を付けて」

「エルリンちゃんは来てくれないの?」


「はい、私は影ながら応援しています」

「ありがと」


 撃ち漏らしを対処してくれるのか。

 優しいなぁ……ご褒美に抱いてと言われたけれど、まだ駄目だぞっ。



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[気になる点] 主人公が何故セイランに好意を持つのか理解できない
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