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嘘吐きエリスタの最後の嘘  作者: はぎま
王都学院編

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母の素性

 

「お母さんおはよー」

「ルクナ、おはよう。なんか元気無いみたいだけれど……学院でなにかあったの?」


「いや、まぁ、少し仲良くなった子と友達になりたかったんだけれど……駄目だったってだけだから」

「何事も上手くはいかないからね。お母さんもお父さんの事、最初は嫌いだったのよ?」


「へぇー、想像出来ないなぁ。どっちが先に告白したの?」

「もちろんお父さんよ。好き好き言われ続けて根負けしたって感じ。お母さんモテモテだったのよー」


「今でもモテそうだよね。王都に行ったらナンパされるんじゃない?」

「そうねー若い素敵な青年に声を掛けられたりしてー」


 チラッチラッと母が父を見て、何か言って欲しいアピール。父は何言ってんだという目で母を見て、私にああなるなよみたいな視線を向けた。


「今度一緒に王都に行かない? お父さんはエリスタで忙しくて、お母さんに構っていられないみたいだし」

「そうねー、どうしようかしらー」

「駄目だ。アズが王都に行ったら大変だから」


「そうなの? お母さん有名なの?」

「王都を恐怖のドン底に陥れた…死神アズライナ。お母さんを恐れている人は大勢いるんだ。我らヴァンの光で死を退けるって聞いた事あるか?」

「もうっ、ルクナが怖がるでしょ? 昔の事よ」


「死神? えっ、王都で何したの?」

「アズが若い頃に王都の貴族に絡まれたから、その家を物理的に壊したんだ」

「若気の至りって奴ね」


 お母さん美人だから、貴族に目を付けられて無理矢理連れ込まれそうになったらしく……怒って家を壊し、剣を向けて来た人達を次々に倒して、手が付けられなかったらしい。


「俺たちはそこで初めて会ったんだ。学院の高等部から帰る途中に、逃げているアズに鉢合わせて……一目惚れしてしまった」

「逃げるなら一緒にエリスタに行こうって言われて……知り合いもいなかったから、そのまま付いて行ったら……ねえ」


「まぁ、あの時はお互い若かったな」

「もうっ、思い出したら王都なんて行けないっ。あなたー」

「……うん、大体話は解った。ありがとう」


「ルクナも出会いは突然によ」

「そうだな」


 親の恋愛話は聞くもんじゃないな。なんか気不味い。

 私が落ち込んでいる時にイチャイチャしやがって……学院に行ってからイチャイチャしやがれ。


「ん? お母さんって犯罪者なの?」

「そうよ。でもアズライナは社会的には死んだ事になっているから、今ここに居るのはアズ・エリスタなの」

「だから王都はあまり行けないんだ。それと、もう一つ大事な話がある……アズ、良いか?」


「そう、ね。ルクナ、お母さんの事……教えてあげる」

「……?」


「お母さんの生まれた所は、知っているよね?」

「魔の森の向こうにある、ノースギアっていう国だよね?」


「うん、その国でお母さん……アズリーナ・レド・ノースギアっていう名前なの」


 へぇー。

 そんな名前だったんだねー。

 国の名前が入った名前なんて凄いねー。

 ……ん? 国の名前?


「どうして、ノースギアって名前なの?」

「お母さんね……お姫様だったのー!」


「は?」


 姫? どういう事? なんでこんな所に居るの?

 説明しろし。


「ノースギア王国第四王女、アズリーナ・レド・ノースギアは十年前に家出して行方不明になった。これが社会に伝わっている情報ね」

「家出って……じゃあ、お母さんは……家出してエリスタで隠れ住んでいる……て事?」


「そうそう、もうすぐ行方不明から死亡扱いに変わるの。そうしたらルクナも素顔で生活しても王位だなんだに巻き込まれないで済む」

「……えっ、じゃあ私、ノースギアの王族なの?」


「うーん、お母さんがまだ王族だからそうかもね。今の所はルクナ・レド・ノースギアが本当の名前になるのかな?」

「えー……ルクナ・エリスタじゃないの?」


 ……まぁ、母の素性を聞いた。うん。

 それにしても、そのぐるぐる眼鏡と私の地味眼鏡にはちゃんとした意味があったんだね。

 王族嫌いの私が王族とか、なんかね…微妙な気持ち。


「俺も、ルクナがお腹に居る時に聞かされてさ……パニックになったよ」

「いや知らんかったんかいっ」

「だってお父さんと結婚したかったから、ね」


 ね、じゃなくてさ。既成事実を作ってから素性を言うとか悪い女だ。まぁ母には母の事情があった訳だし……


「……じゃ、じゃあさ、ノースギアのお母さんが死んだら、家族で王都を歩きたい……な」

「うーん、悪名高い死神アズライナが王都を歩くって、危険だよなぁ……」

「あら失礼ね。誰も殺していないわよ」


「そうなの?」

「マグリット家のせいよ。私が欲しかったみたいで、色々手を回したみたい。あの言霊の魔法で、私は迫害されたわ……昨日まで仲の良かった子供に石を投げられた時は、泣いちゃった」


「あの、言霊か……国王のせいでお母さんは……」


 その後、色々話した。

 魔の森があるお蔭で、母はノースギアに見付からずに済んでいる事。

 死亡認定された後の話や、平民になった後の話とか……

 本当の名前は、信用出来る人以外には言ってはいけない事も言われた。


 そもそも、なんで家出したのか聞いたら、婚約者が性格悪くて不細工な男だったらしい……そうすか。

 アズリーナ王女が死神アズライナと結び付いていないみたいだけれど……死神アズライナの濡れ衣は正しておきたいよなぁ……だって、なんか嫌じゃん。大好きな母が偽名だとしても犯罪者扱いされているの。

 それに、セリアが言っていたおまじないは、母を迫害する言葉だ。無くしたい。


「あっ、そうそう。エリスタ家が平民になれたら全員死んだ事にして、新しい生活になるわっ」

「登校前に凄い爆弾を投げないでよ……」


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