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嘘吐きエリスタの最後の嘘  作者: はぎま
ファイアロッドの大迷宮編

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夢の続き2

 

 死屍累々……そういう言葉が似合う戦場らしい氷漬けの戦場の中心で、まるでピクニックに来たかのような和やかな雰囲気の三人は異様に映る。

 帝国軍が撤退し、味方の軍でさえ近付けない。

 なぜなら戦場の中心には、氷の巨人が聳え立っていたから。


「わたくしの氷がこんなに美しくなるだなんて……益々貴女に夢中よっ」

「ライズさまぁ……凄いですぅ……」

「ごほっ、あのさ、そろそろ寿命伸ばしてくれない? そろそろ死ぬかも」


「もちろんよっ。先ずはわたくし達の戦果を称えて貰いましょ?」

「やだよ。私はノースギアに信用されてないんだからさ」


「違うわよ。帝国によ。ライズ・エリスタがノースギアに居るってアピールしないとっ」

「えー、ウォーエルってノースギアそんなに好きじゃないでしょ。ノースギア守って意味ある?」


「あるわっ。わたくしの可愛いエルフ達が戦火に巻き込まれたらどうするの? 考えただけで泣けるわ」

「みんなでエルメルンにでも行けば良いじゃん」


 ……ウォーエルが酷く驚いたような顔でライズを見詰めた。目を見開いて、口を開けてすっげー可愛い。肌綺麗ねー。

 毎回服が変わるんだよなぁ。メイド服みたいな可愛いフリフリのドレスを私も着てみたい。


「そ、そんなぁ。みんなでエルメルンに移住? えー、どうしよっかなぁー」

「やだよ。私が居たら大変なんだよ、お見合いとかお見合いとかお見合いとか……あっ、ウォーエルが居れば良いのか」


「そうっ! わたくしが必要なのねっ! そうなのねっ! らいずぅ、さっきのお返事、き、か、せ、て?」

「……寿命伸ばしてくれたら考える」


「ふ、ふふっ、善は急げね。帰るわよっ」

「はいはい……あっ、誰か来たよ」


「ウォーエル様っ! ご助力感謝致します!」

「わたくしは何もしていないわ。ライズの功績よ。わたくしのライズの功績よ。分かった?」

「……」


「はっ! ライズ様っ! ご助力感謝致します!」

「……どうも。じゃあ帰るよ。掴まって」


 戦いにならない戦いが終わり、三人で屋敷に帰ってきた。

 この転移魔法……複数人でも転移出来る。母の転移魔法よりも凄い。母の転移魔法は母しか転移出来ないし、こんなに短時間で発動出来ない。恐らく距離も違うし、ライズの凄さは行った事が無い場所にでも転移出来るという……権力者から見たら恐ろしい能力だ。


「本当に、この転移魔法は恐ろしい魔法ね。地図を見れば行けるだなんて……どうやって手に入れたの?」

「転移魔法は、小さい頃……空間の精霊に貰ったんだ」


「空間の精霊……そんなの聞いた事が……まさか、精霊神!?」

「さぁ? 精霊の種類なんてわかんないし……そういえば暇だって言うから空間の精霊と色々な場所に行ったっけ。太陽の神殿とか月の大聖堂とか龍の山とか……ん? どうしたの?」


「月の、大聖堂ですって……どこにあるの!」

「どこって……有名でしょ。あの月だけど」


 ……月の大聖堂。

 シャフェルが護っていたって言っていた場所だ。

 あの月に、大聖堂が……ウォーエルの取り乱しようは凄かった。興奮して顔が赤く、ぐいぐいライズに詰め寄って胸を押し付け、エルシィがアワアワしながら眺めていた。


「運命、運命だわっ……決めた、新婚旅行は月の大聖堂に行くわよ!」

「えー、行くの?」


「なにがなんでも行くわっ! 月の大聖堂に行く事がわたくしの夢なの!」

「……本気、みたいだね」


 夢、か。

 私の夢も、セリアとあの月へ行く事。ウォーエルと話が合いそうだよ。というかウォーエルが可愛い過ぎる……仕草が少女だし、本当に五十歳に見えんぞ。

 ……今、ちゅーしたな。どさくさ紛れにちゅーしたな。


「どうすれば、行けるの?」

「その時に教える。ここ……ノースギアでは言えない」


「……わかったわ。絶対、連れていってね」

「わかったから、キスしないでよ」


「言っておくけれど、わたくしとエッチしないと寿命は伸びないわっ!」

「あわわっ、エッチ……」

「嘘でしょ。あのさ、傷心中なんだからそこら辺そっとしといて、ほんとに」


「どんな風に振られたの?」

「……そこで傷えぐる?」

 

 ふふっ、ウォーエルらしいよね。

 それにしても、この人達の会話は色々考えさせられるなぁ。

 本当に居るのなら、会ってみたい。

 ライズは何者なのかとか、気になるけれど、きっと私に関係しているんじゃないかって、思う。

 あっ……意識が浮上するような感覚……

 もっと見たいのに……でも、私に関係しているのなら、また会える筈。

 次は、月の行き方がわかると良いな。


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